漢方の智慧で、輝く更年期を!ワークショップレポート

変化の時期を健やかに迎えたい! 漢方による「更年期」対策

女性なら必ず通る「更年期」。この時期、体調が不安定になることもありますが、もともとの体質や生活環境も影響し、症状は人により千差万別。特に、体質的に弱いところに出やすいとも言われます。

何が起こるの? どうすればいいの? ……そんな不安に応えてくれるワークショップ、「女性のための漢方講座・更年期編」が、2月の末に開催されました。

 

講師は、薬剤師・国際中医師の林三貴先生。 漢方は初めてという参加者も多かった今回、まず「漢方とは?」のお話から始まりました。

「今日の講座は、漢方『薬』のお話ではないんです」と、林先生。

 

自然はすべてつながり合い、バランスを取り合って存在している、と考える東洋医学。その自然の一部である人間の身体も、臓器や機能のバランスが整っているのが「健康」な状態。 このバランスが崩れることで、心身に不調が起こると考えます。

 

バランスが崩れ、傾いてしまった身体の軸をもとに戻してあげるのが、漢方。「漢方は、カラダからの声を読み解く知恵であり、自分のカラダを知るためのツール。だからまずはその声に耳を傾け、その求めに応えてあげること。それが第一歩なんです」。

 

体調が悪いな、と思ったとき、漢方薬も含め「薬」に頼る前に、自分でできることはたくさんあるんですよ、と林先生。あれ、調子悪いな、なんでだろう。最近夜更かし続きだからかな? という「気づき」。じゃあ早寝を心がけよう、という「生活習慣の改善」。そして食事や飲み物に気を配る「食生活の見直し」。さらに、漢方素材の力を借りる「漢方茶」。

 

これらは全部、「養生」という、漢方の根本となる部分。この養生で自分の身体のバランスを整え、「自然治癒力」を引き出してあげるのです。

 

さて、女性の「更年期」。どうしたらこの時期に不調が出るのを防げるか、また症状が出てきたときに、 どうやってバランスを整えていくのか? を、ワークショップでは探っていきました。

 

 

まず、自然界の2つの側面「陰・陽」、身体を巡る3つの要素「気・血・水」、人間の身体を5つの「臓」に分けて考える「五行説」など、漢方の基礎となる概念を学びます。

 

特に更年期の重要なキーワードが、五行説における「腎」。林先生いわく、「腎」は、人の一生をコントロールする「精」を蓄える「生命エネルギーの貯蔵庫」。この「腎」の機能が衰え、「腎」と関係の深い「肝」や「心」にも影響を与えることで、さまざまな症状が現れるのだそうです。

 

「腎」「肝」「心」。どこのバランスがどう崩れているか、現在感じる症状の項目をチェックしてタイプ別更年期診断を行い、それぞれの養生法を学びます。

 

 

「腎」の不調症状は、冷え性、むくみ。さらに「陰陽」のバランスによっては肌の乾燥やめまい、ほてりなども。「肝」の不調はイライラや偏頭痛、そして「心」の不調は不安感や不眠の症状として現れるとのこと。

 

不調のタイプがわかったら、それぞれの養生法を解説。「腎」を元気にしてくれるおすすめ食材は、ネバネバ系や黒い色の食べ物 。冷えの強いタイプなら「生ものは控える」。乾燥やめまいがあるタイプは「香辛料を控える」。「肝」の養生には、「気」の流れを整えるために「香り」を効果的に使うこと。そして「心」の養生法は、ズバリ「リラックス」。寝る前に湯船に浸かって身体を温め、よく眠ること。また、女性は更年期にかかわらず常に「血」が不足しやすく、いかに「血」を補うかが重要。ぜひ「血」を補う赤い食べ物も摂りましょう、とのことでした。

 

 

一口に更年期といえども、症状や身体の状態で、どんな「養生」が必要かは変わってくるんですね! 参加者のみなさんも、熱心にメモを取っていました。

 

そして講座の最後には、更年期によい漢方茶を作りました。 黒豆やナツメ、クコの実など、それぞれの症状に合わせた漢方食材をお好みでトッピングし、ローズティー、ジャスミンティー、菊花茶から好きなものを選びます。

 

香りのよいものは「気」の流れをよくするそう。確かに、好きな香りにふっと気持ちが和んだり、華やかな香りで気分が上がったりしますよね。

 

 

さらに、抗酸化作用が世界一とも言われる黒クコの実や、バタフライピーのお茶も用意していただきました。お湯を注いだ瞬間に現われた美しいブルーや紫に、みなさんから「わあー!」と感嘆の声が。

 

 

 

「『キレイ!』と気分が上がることで、『気』がめぐるんですよ」と林先生。「心と身体はつながっています。心を立て直せば、身体もよくなってきます。寝る前に、『今日はどんないいことがあったかな』と、その日のよかったことを探しながら眠ってみてくださいね」というアドバイスが印象的でした。

 

ワークショップのお土産には、バタフライピーのお茶、「血」の不足を改善する漢方処方「四物湯」をベースにしたお茶、コラーゲンたっぷりで「気」「血」を補ってくれる「阿膠(アキョウ)」入りのナツメのお菓子が。おやつをこういうものに変えてみるのもひとつの養生です、と笑顔でおっしゃっていた林先生。「養生」は日々の行い。身近なところからできる範囲で、健やかな更年期に向けた漢方ライフ、始めてみてはいかがでしょうか。

 

 

おうち漢方@香港
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