涙するママも 思春期ってどう対応するの?思春期ワークショップレポート

    夏休み前に行われたワークショップ「思春期をスムーズに迎えるための 子どもとのコミュニケーション術」は心温まる会となりました。

    この度雨の中ご来場いただいたのは、15名様(母親14名、父親1名)。参加者のみなさんは、思春期真っ只中のお子さんを持つ方や、まだ小さいけれどこれからのために知っておきたい方などそれぞれ出席の動機は違いますが、皆、子どもたちを理解したい、子どもたちと良い関係を築いて行きたいとの思いで参加いただいた方々でした。

    思春期というのは、子どもが親は完璧ではないとわかり、親に保護されてきた殻を破る時でもあります。よって、この時期は、これまでと同じようにいかない親と子の葛藤の時期でもあり、子どもにとっては自立の一歩を踏み出す時期でもあります。

    参加者でティーンのお子様のお母様が、「今までは本当にいい関係でやってきたのに、最近は突きはなされているようで、どうして?と動揺する」と目を潤ませて語ったところ、講師の佐渡先生は、「順調です!」と力強く一言。子どもの成長過程で必ず起こること。「まっすぐ育っている証しです。今後更に酷くなることもあるかもしれません。でもいつかは終わりますので心配しないで。大事なのは親がブレないこと。細かいことはおいといても、外せないことはしっかりと伝えること」と。それを聞いてホッとするお母様の横顔が印象的でした。

     

    相手の話をただ聞くだけでは十分ではない。相手の話を理解しなければ聞いたことにはならない。
    ーDo more than listen; understand.ー

    さて、ワークショップでは、難しい年頃にかかる子どもたちへ歩み寄るには、まず、普段から子どもたちにどのように接しているかという気づきを得ることから始まりました。最初は小さなグループに分かれて「効果的に話を聞くためのポイントを3つ」体験しました。

    1)意識を集中するためにうなずいたり、目を合わせたり、他のことに気をとられない、表情や口調にも注意を払うなどをやってみます。

    2)内容を理解するために、話を中断しない。自分勝手な意見を言わない。聞かれていない助言をしない。

    3)話を聞き出すには、「いつ」「どこで」「誰が」「どのように」といった質問をする。
    答えが「はい」「いいえ」にならないような質問をする。相手の気持ちに沿ったコメントをする。相手の考えや気持ちを自分の言葉に言いかえる。

    お互いに役割を決めてトライしてみました。やってみると口々に「子どもと話をするときにいつも他のことをしながら聞いている」や「一生懸命聞くという姿勢を見せていない」という声が聞かれました。日頃家事や仕事をしながら、子どもの言葉を聞いている人が多く、聞いているようで聞いていないという気づきがありました。

     

    衝突することが多い時期、問題を解決するために

    子どもの生活態度が問題を招くことがあります。例えば、子どものスマホ、勉強、夜更かし、会話や、手伝いなどで、親の思い通りに行かないことが多々起こります。これまで注意しても「はい」と聞いていた子どもが、そのようなリアクションが返ってこなくなった時(思春期)にどのように思いを伝えたら良いかを練習してみました。それは、何か問題が起こった時の自分の心のメッセージを明らかにして、相手の人格を否定しないで、不満を相手に伝える方法になります。

    そして大事なことはー

    ―良いことも不満のあることも、具体的に伝える
    ―自分を困らせている行動や態度に焦点をあてる
    ―人格を否定しない

     

    そこで、進めるべき方法は、

    ーあなたを困らせた行動は何か言う
    相手とは関係を継続したいと言う思いを持った上での発言。具体的にその行動に言及し、相手の人格を否定しない。 例)遅くなるなら、電話をする約束だったのに、電話してこなかった

    なぜ困ったか、それに対してどう感じたか説明する
    その行動はどのようにあなたに影響を与えたか、相手を責めずに、自分の感じたことを伝える。 例)あなたが電話をしてこないから、何かあったのではないかと心配したのよ

    ー代わりにどのように行動して欲しいか言う
    今後同じ状況が繰り返されないように、やって欲しい行動を具体的に伝える。 例)今度出掛けた時は必ず何時に帰ってくるか教えてね。遅くなりそうなら、電話をしてね。

    実際に練習をして見て、相手を責めずに具体的に伝える難しさを感じた参加者が多かったようです。正しいと思うことは、親がブレずに言い続ける。その時、子どものリアクションは芳しくなくても、必ず聞いているので、大人になってわかることもあるでしょう。

     

    ワークショップで心に響いた言葉

    質疑応答の場面では、参加者のお母様の中には、涙する場面もありました。子どもの親である筆者自身も勉強になり、胸が熱くなった部分を一部ご紹介しましょう。

    ▶︎思春期は子どもの自尊心が失われる時期でもあります。周りに自分よりも優れた人が出てきて、自身喪失になり、自暴自棄になることがああります。でももし子どもが得意なことを1つ持っていれば救われます。運動でも、アートでも、コンピューターでも、勉強でも、音楽でも、なんでもいいのです。子どもが没頭できる好きなことで、「自分にはこれがある」と思える物を小さい頃から伸ばしてあげましょう。

    ▶︎家の中の役割を与えることはとても大事なことです。子どもが自分がいないと困ると思えるものを与えましょう。責任を持たせることで、自分が頼りにされていると思えます。

    ▶︎子どもは何と言っても親の背中を見て育ちます。親がやっていたこと、言っていたこと、立ち向かっていたこと、やってくれたことなど、振り返る時期が必ずきます。

    ▶︎思春期を迎えると親子のバトルが活発化して、時に親は「こんなはずじゃなかった」「どうして?」「失敗した」などと自分の思い通りにならないことでイライラしたり、落胆したりすることがあるかもしれません。でも、発想の転換をしてみてください。子どもが生まれた時の喜びを思い出してください。健康であれば、生きていてくれれば、と思った事を思い出してみてください。存在自体に感謝した事を思い出してみてください。

    ▶︎一番大事なことは、子どもに伝えること。
    「あなたがいて幸せ」と目を見て伝えましょう。
    子どもは、嫌がるかもしれません。照れるかもしれません。でもしっかり聞いていて、子どもの胸に刻まれます。そしてこの言葉がどれほど大きな意味を持つか、それはきっと親が想像する以上です。是非小さい頃から伝えましょう。そして大きくなってからも伝えましょう。

    ▶︎もしあなたがとても悩んでいたら、似たようなタイプの子どもを持つ先輩ママに相談してみましょう。一人で悩んでいないで、あなたは決して一人ではありません。

     

    子育ては確かに大変なことの方が多いかもしれません。それでも子どもがいるからこそ幸せを感じられたり、乗り越えられてきたこともたくさんあるはずです。人生で子育てできる時期はそんなに長くはありません、しっかりと向き合い、後悔しない子育てをしていきたいですね。

     

    思春期カウンセラーの佐渡先生ありがとうございました。