2021/03/21

昔々、『鴨脷洲』(Ap Lei Chau) というところはとても遠いところでした。でも、地下鉄の発達に伴って、行き方が楽になりました。今回は、新しくできた地下鉄の『南港島線』(South Island Line) を使い、『鴨脷洲』と『香港仔』(Aberdeen) の南区散策をご紹介したいと思います。

 

まずは『金鐘』駅で乗り換え、『利東』駅まで行きましょう。ここは、オーシャンパークを通って行く大型の住宅地です。

*地下鉄マップをご参照ください。南港島線は若葉色のラインです。
(http://www.mtr.com.hk/en/customer/services/system_map.html)

 

昔は魚を取る、漁業者たちが集まっていた地域で、今は団地が増え、香港の数え切れない住宅地の1つになりました。利東駅はたくさんの出口がありますが、A1から出るのがおすすめです。

人口増加に伴い、駅前の商店街も賑やかです。大きい街頭アートの前で記念写真を撮る人もたくさんいるそうです。

およそ400年前できた『洪聖古廟』は、正面の屋上に並ぶ古い焼物で人気を集めています。焼き物は中国に伝わる昔の物語や神話の主人公で、 その素晴らしい質に職人技が見られます。

前の2本の柱は、3年前の台風で壊されてしまいました。お寺のスタッフによって、今展示されているのは新しく制作したもので、風水にも、縁起にも良いということです。

お寺に供えるお線香は、お金を払ってスタッフに用意してもらいます。誰かにお祝いをしたい場合は、ぜひご利用くださいね。

商店街には『倫敦里(London Lane)』と言う小道があります。歴史博物館のWebサイトの説明によると、ここには昔、ロンドンという港がありました。その後、埋め立て地になって、港がなくなってしまったそうです。

地元の友人に、若者に注目されている『MAD(叄瘋)』というカフェを教えてもらいました。腕の良いバリスタが作る、このお店ならではのコーヒーとチョコレートミルクは、遠方からわざわざ買いに来るお客さんがいるそうです。

ガラスボトルを見ると、本当におしゃれなデザインで買いたくなります。

鴨脷洲の海の向こうは香港仔です。小さい船に乗って5分位で行けるところです。隣にある『水月宮』は、歴史ある訪れるべき重要スポットです!お年寄りの話によれば、このお寺の前に立つ木は、数百年歴史があるそうです。植物が好きな方は、ぜひ見学に行ってみて下さい。

地下鉄で鴨脷洲まできましたが、やっぱり島に行ったら、船は欠かせない乗り物ではないでしょうか。

船は通常現金で支払うというのが常識でしたので、最初乗船する時、小銭が足りないかもと心配しましたが、まさかoctopus(地下鉄などで使える電子マネーカード)カードが使えるようになっているとは!!便利になりましたね。

香港仔は魚が有名だと言われていますので、地元の友人が評判の良い上海料理の『上海天龍樓』を紹介してくれました。

『小籠包』がおいしいにも関わらず、知る人ぞ知る!本物の穴場です。有名になる前に、食べに行った方が良いかも知れませんよ!

香港仔は鴨脷洲に比べ、おそらく人口が多いばかりではなく、宗教関係の建物も多いです。香港は誰でも宗教の自由を持っていますので、『天后古廟』の近くには『香港浸信會』というキリスト教の教会も見られ、とても面白い風景になっています。

香港仔は鴨脷洲より、ずっと交通が便利なところです。こちらに来れば、帰り道は心配ないでしょう。バスでも地下鉄でもミニバスでも、すぐ他のさらに便利な地域まで速やかに移動できます。

それでは、皆さんもこのコラムを参考にしてもらいつつ、自分なりの南区散策の1日を、リラックスしながら楽しんでみませんか?ぜひ皆さんの南区の感想をお寄せくださいね。

 


キリ
日本語教師で旅行作家。特に日本が大好きで年に10回以上は訪れる。著書に『Kiri的東瀛文化觀察手帳』(2017)、『日本一人旅』(2019)がある。香港の誠品商務三聯などの書店で購入可能。
ブログ Kiri-San.com
Facebook Page m.facebook.com/kirisan.page/
Instagram www.instagram.com/kirita/

コメントをありがとうございます。コメントは承認審査後に閲覧可能になります。少々お待ちください

意見を投稿する

Hong Kong LEI (ホンコン・レイ) は、香港の生活をもっと楽しくする女性や家族向けライフスタイルマガジンです。

Translate »