2021/01/15
~わたしたちのカラダは食べたものでできています~
本物の食材を求めて。日本の伝統調味料をお伝えするコラム。
食後のデザート、3時のスイーツ・・・甘いものは、とても魅惑的。つい手が伸びてしまいます。甘いものをやめたいと思っていてもやめられない理由。それは、お砂糖の性質にあるのです。
何回かにわたり、禁断の甘味 砂糖について、身体に及ぼす影響などをご紹介していきます。まずは砂糖の原料をみてみましょう。
【砂糖も原料は自然からつくられる】
砂糖の原料をご存知でしょうか?
砂糖の原料は大きく分けて2種類、サトウキビと甜菜(てんさい)です。
サトウキビは、ブラジルやインド、オーストラリア、日本では沖縄や南西諸島など暑いところで栽培されています。甜菜は、ヨーロッパやロシア、北米、北海道など寒冷地で栽培、気候的には真逆の環境で育ちます。
日本人にとっては、沖縄のサトウキビ畑が目に浮かぶのではないでしょうか。サトウキビは竹の節のような長く上に伸びる植物です。竹のように見えますがイネ科サトウキビ属の植物で、高いものだと3m近くにもなります。
香港の街中でも、茎の皮を剥いて絞って飲めるお店があるので、甘い汁を飲んでみたこともあるかもしれませんね。
甜菜(テンサイ)は、砂糖大根、シュガービートとも呼ばれています。大根や蕪に似ていますが、アブラナ科の大根と違い、ほうれん草と同じヒユ科アカザ亜科の二年草の植物です。ちなみに、ビートと赤いボルシチに使われるビーツは同じヒユ科ですが、品種が別物です。砂糖に使われるビートは灰汁が強く繊維が多いため、野菜として食べることはできません。
サトウキビは、強い日差しのもと、光合成をすることで、砂糖の主成分であるショ糖を茎の部分に貯えます。甜菜も光合成により、大根の様な根の部分にショ糖がたっぷり蓄えられます。
メープルシロップのコラムでもご紹介しましたが、植物は光合成によって葉緑体から糖を作り出します。植物にとっては、「糖」はとても大切な生命維持や成長のために必要なエネルギー。サトウキビは日差しの強い地域で生育しますが、甜菜は日光量の弱い寒冷地が多いため、甜菜の葉は、光をいっぱい受けられるように丸い葉をたくさん繁らせるのです。
同じ砂糖の原料になる植物でも、気候風土、日光量が違う地域で、形状も違い、ショ糖を蓄える部位が全く異なるというのがとても面白いと思いませんか?
私は常にマクロビオティック視点でみてしまうので、栄養学的に同じ砂糖でも、栽培地域や形状、生育方法の違いで、陰陽が変わるため、身体への働きが違ってくると思っています。追々コラムの中に書いていきたいなと思っています。
砂糖も元は大切な自然からの恵み。
では、なぜ身体に影響を及ぼすことになるのでしょうか?
それは人間の手によってどのように製法されるかによって違いがでてくるから・・・
次回は、砂糖の製法と細かい分類を説明していきます。
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~毎日のごはんで身体を調える~
自然食療法家・国際薬膳師・マクロビオティック講師KYOKO
毎日のごはんが、明日の自分をつくる。薬膳マクロビオティック教室では「料理+考える力」を大切にしています。多角的視点で、体調・体質・季節にあわせた食材の選び方や調理法を学びます。生徒さんの様々な体調の質問を皆で読み解き、身体の声が聞こえるようになることが目標です。
Hong Kong LEI (ホンコン・レイ) は、香港の生活をもっと楽しくする女性や家族向けライフスタイルマガジンです。
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