2024/08/14

深圳のお茶屋さん无觉」続きから 

 超レアなお茶を飲む 

詹(せん)老師が淹れてくれた「柚花香」の鳳凰単叢を飲みながら、5年ぶりの再会に、積もる話がつきません。標高の高い山地の高木のお茶摘みの映像を見せてもらい、その作業がいかに危険で大変であるとか使っている茶器たちの由来など興味深い話ばかり。 

貴重な鳥嘴茶

茶友が鳳凰単叢の歴史について聞いていたところ、2002年とある鳥嘴茶(ちようちゃ)」を出してきてくれました。この鳥嘴茶というのは、鳳凰単叢の元となった野生のお茶のことだそうです。名前の由来は茶葉の形が鳥の嘴のようなことからという説、または鳳凰が嘴に茶の枝と実を咥えて宋帝の前に持ってきたという説とがあるようで、いずれにしろ宋時代まで歴史を遡る鳳凰単叢の起源となるこのお茶はなかなか珍しいものだそうです。ワクワクしながら飲ませていただくと、鳳凰単叢の特徴的な花や果物の香りがなく、味わいは生プーアール茶のようで、回甘(ホイガン:喉が潤うような甘い余韻)が強い・・・。それはこのお茶を元に、多様な花や果物の香り、風味を強めるために、交配や選抜育種を重ねられてきて、今の鳳凰単叢茶になったそうです。 

 

いつか茶壷を?! 

わたしはお茶好き、のずっと前から器好きなので、古いもの、景徳鎮の作家さんのもの自分で作陶した茶器をいくつか持っているのですが、紫砂壷(しさこ紫泥で焼き締められた中国茶の急須)は手作りのもの、真贋の確かなものとなると、高価で見極めが難しいこれだ!という子との出会いを待っているというのもありますが、なんとなく簡単に手に入れてはいけないような気持ちもあって、持っていません。 

古い茶器たち 
紫砂壷たち 

詹老師の茶器コレクションは古いものが多いのですが、特に紫砂壷たちは土の艶だけではなく、フォルムや佇まいが個性的かつエレガント、なんとも言えない趣があるのですいつものようにまじまじと茶器を愛でさせてもらっていましたが、詹老師の古い紫砂壷を持つのなら、その価値を本当に理解して、そして何よりお茶を深く理解してからにしなさい。」との言葉に、ちょっと欲しいかもという気持ちもさっぱり消えて、やはりわたしよりふさわしい人の所へ行くんだよと、今回も茶壷は手に入れませんでした 

 

深圳のお茶室3選 

さて詹老師とも会えて、深圳の他のお茶処を尋ねてみることにしましたので、ここで皆さんにもご紹介します。 

「孔境茶室」 

深圳宝安国際空港近くにあるエコ型オフィスパーク「泰華梧桐島」広大な緑地と湖があり、ミニマルなデザインのビルにはオフィス以外にもホテルやカフェがあります。敷地内には猫ちゃん、ガチョウ、鴨がいます。見ませんでしたが、孔雀もいるそうです。 

泰華梧桐島の中の孔境茶室 
孔境茶室 

その中の湖のほとりにある孔境茶室」へ行ってみました。潮州工夫茶を主に取り扱っています。窓から見える緑や水辺に癒されます。茶会や勉強会、ワークショップなどもよく開かれているようです。 

 

「彗心茶花 

彗心茶花
彗心茶花

次は梅花山庄のゲートで囲まれたコミュニティ内にある「彗心茶花」。門までトコトコやってきて挨拶してくれるフレンドリーな猫ちゃんに迎えられ、静かで少しリゾート的な雰囲気の館内へ猫ちゃんは複数いて、寝ている「肉桂ちゃん(シナモン:岩茶の名前ですね」と同席させてもらうことに。こちらも時間制限などなく、ひたすらお茶を飲んで、2階に上がってみたり、庭を見てみたり。カウンターにいるキリっとしたここのオーナーの女性お顔がピッカピカ、ツルツル・・・過ぎやしませんか。透明なフェイスマスクをして美顔のケアをしながら接客されていました自由です。 

 

小可堂茶 

新しい都市深圳ですが、古い集落も残っています。甘坑古鎮」は、ショップや博物館があったりと開発され観光地にもなっていますが、300年以上の歴史ある客家の伝統的建造物の残る、深圳の10大古村落の一つです「客家」とは広東、福建、江西省に北方から移住した独自の文化、言語を持つ漢民族の一派です。香港では特に新界エリアに独自の文化を維持しています)。 

湧き出る「甘」い水が流れる細い溝「坑」という名の通り、集落の中には水路が流れていて、歴史を感じる風情も十分残っています。 

甘坑古鎮
甘坑古鎮

小可堂茶馆はその甘坑古鎮の中にあります。古い建物の中の広々とした空間でお茶を楽しめます。2階なので、窓辺なら前の池を見渡せます。外の観光客の賑わいからは離れてゆったりとした時間を過ごせました。 

小可堂茶馆 

どのお店でもスタッフは優しくて、時間制限もなく、香港にはない空間でゆっくりとお茶を楽しませてくれるので、深圳でリラックスしたい方はぜひ尋ねてみてくださいね 

 


Chikako

トロント、NY、シンガポール、今は香港に在住。
各地のライフスタイルや食文化にインスパイアされた器を製作してきた。
香港では中国茶器を楽しくコツコツ製作。
お茶のワークショップも不定期に活動中。

IG : cnycstudio
お茶のワークショップIG : sound_and_tea_room

 

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