2023/12/26

2023年1月から始まったこのコラムも今回が最終回です。コラムを書いている間にいろいろなことがありました。
抗がん剤治療、旅行、婚約、友人のがん発覚、知人ががんで亡くなるなど、喜びもあれば不安や悲しみもありました。

2023年12月現在、抗がん剤治療が終わって約5ヶ月経ちました。最近の検査の結果でも全て問題なし、服薬もなしで日常を過ごせています。

今回はがんになってから自分の中で変わったことなどについて書きたいと思います。
一つ目はもちろん、自分の体調に、より気を遣うようになったこと。疲れを感じたら無理をせずに休む。母から見るとそれでも忙しくしすぎてる時があるみたいですけど。
次に、お酒を飲む機会を減らしたこと。週にカクテル1,2杯を目安にしています。
そして、がん予防のための食生活。具体的には、添加物をなるべく避ける、赤身の肉は週400g目安などです。これは腫瘍科のドクターに言われていました。元々お肉を多く食べる方ではないので、特に苦にはなりません。あとは手術以来、食物繊維の食べ物に敏感になっているので、食べ過ぎるとお腹が痛くなる食品を避けることです。きのこ、海藻、レンズ豆などは食べ過ぎないようにしています。

実はこの一年間は、疲れやすかったので犬の散歩以外の運動をしていませんでした。代謝が落ちた影響で少し太ってしまったのですが、ドクターいわく適正体重を保つこともがん予防には大切だということで、最近ダイエットを始めることにしました。方法は運動量を増やすこととタンパク質、脂質、炭水化物のバランスがとれた食事、砂糖を控えるなどです。

もう一つ、一番といってもいいくらい大事なのが、ずばりストレスのない生活を目指す、もしくはストレスを感じない自分を作ること! これは一番難しいかもしれませんね。生きているといろんなストレスにぶち当たると思います。将来の不安だったり、人間関係だったり、仕事だったり・・・。
わたしが目指したいのは、日々やるべきことをやり、笑顔を心がけて、今その時を楽しむこと、友達や家族との楽しい時間を大事にすること、寝る前はスマホなどせずに、深呼吸をして頭を空っぽにして寝ることです。なかなか日によってうまくいかないこともあるし、実際数週間前は悪夢ばかり見てしまい、ストレスに悩まされていました。そうすると笑顔は消えるし、頭や首が痛くなるんですよね。わたしは体の痛みは、鍼に行くと必ず良くなるし、体の痛みが消えると精神的にも楽になるので、身体と精神をいつもつなげて考えるようにしています。

そして具体的ながん予防といえば、定期的な検査をすることですね。血液検査、CTスキャン、大腸カメラなど、決められた間隔でこなし、大腸がん以外の乳がん検診なども積極的にしていこうと思いました。
ちょうど今月思い立ってすぐに人生初のマンモグラフィーを終わらせたところで、問題なくて安心しました。まあ、さすがに大腸がんからの乳がんとかないだろうとは思いましたが、数種類のがんにかかってしまう人も稀にはいるらしいので、検査あるのみですね。周りの友人にも常に危機感というか、誰でもがんになり得るという意識を持ってもらって検査の習慣を作ってほしいです。
実際わたしの友人はわたしのがんがきっかけで大腸カメラの検査をした人が大勢います。わたしにとってこんなうれしいことはありません。そしてもう一つ、がんになったことで連絡をくれたたくさんの人たち、疎遠だった人も仲の良い人も、実にたくさんの人が連絡をくれて、心配をしてくれました。みなさんの優しさに触れることができ、治療への力になりました。

わたしにとって大腸がん治療は、今までの体に良くない生活習慣を見直すきっかけになり、まだ「がん」は自分と関係ない病気だと考えている同世代(30~40代)の人たちへ警鐘を鳴らすという使命をもたらしてくれました。この経験が、自分だけではなく周りの人の未来も変えられたら幸せです。

また、今後まわりで大腸がんになってしまった人が出てきたときに、このコラムが道しるべになることを望んでいます。

今まで読んでいただきありがとうございました。


福山さき

2012年、東京から香港に移住。フリーランスインストラクター。小学生、中学生のママ。趣味は、料理とピアノ。


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