2024/05/05

みなさん、こんにちは。

雨の季節が始まりましたね。わたしは全然嫌いじゃないのですが、やっぱり家の中だけは除湿器がフル稼働していて、毎日のようにタンクの水を代えるほどです。実は家で小さなレモンの木を育てていますが、柔らかい葉っぱが虫に食べられたりで元気がなく、このまま枯れちゃうかなと思っていました。でも、水好きなレモンは最近の暴雨のおかげですっかり生気を取り戻し蕾が出てきました。レモンの木にとってはこういった多すぎると思える雨も大切な恵みなんですね。

さて、香港でアパートを借りていると大家さん次第で、香港ライフが天国にも、地獄にもなります。

以前住んでいた高層アパートは非常に問題が多く、バスルームからの水漏れが発生して、壁にまで浸透して、反対側の廊下の壁がぶよぶよぼこぼこになり、壁が崩れるという事態になっても、わたしたちが立ち退くまで、何度言っても大家さんが修理してくれることはありませんでした。そのくせ、投資として物件を購入していた方だったので、住めば住むほど家賃が上がっていきました。ひどい時は30％近く上がることもあって、クレームを入れると「今の相場に準じているだけ、嫌なら出ていけ」の一点ばり。30％も上がるなら、内装を綺麗にリノベーションしてくれたら少しは理解できないこともないですが、家の修理はしてくれず、備品が壊れてもわたしたちが壊したのではないかと疑いをかけられる始末。かなり頭に血が上っていた夫は、そんなアパートを出られて本当にスッキリしていたようでした。

一方、村屋の大家さんは、地主さんの場合が多々あって、一族で管理をしているとよく聞きます。我が家の大家さんも然りで、この村には一族の廟まであって、旧正月ともなると、ここに家族親戚が一同に集まりお正月の行事をします。家族でこの地域のたくさんの村屋の管理を家族経営としてやっているので、とにかくハンディーな方々なのです。聞いた話によると自分達で家を建てられるほどの腕前だとか。家族で、誰がどの部分に長けているかで分担が決まっていて、キッチン周りに問題が出たら大家さん本人、家の建て付けに関しては大家さんのお兄さん、外に関しては息子さんのように出動しているようです。もし何か問題があったら、ほぼほぼ、24時間以内にはとりあえず誰かが飛んできてくれて、嫌な顔ひとつせず応急処置をしてくれます。わたしたちのせいで壊れたなどと咎められたことも一度もありません。

以前、我が家の寝室のドアの鍵が壊れてしまい、夫がどうにもこうにも部屋から出られなくなってしまいました。わたしたちの力ではドアをこじ開けることができず、３時間以上閉じ込められたままでした。連絡して１時間ぐらいで大家さんは、大きなドリルを持って息を切らしてやってきてくれました。その時もこじ開けようとして開かず、結局ドアノブごと大きな穴を開けて出してくれました。その後、新しいドアノブを着けてくれたのですが、それもわたしたちが支払うことなく、全て大家さん持ちで修理してくれました。

前は、毎度、家で問題が起こるととっても嫌〜な気分になり、伝えないといけないけど伝えたくない葛藤が心の中で起こっていました。でもそういう葛藤が一切必要無くなり楽になりました。

我が家の大家さんにできないことはないようです。家のことだけでなく、このコミュニティーの私有地に関しては、道の穴埋めや整備、足場作り、側溝の水はけの管理、枯れ草や枝の除去や、前の記事でも書きましたが、木の上に登って伐採などもしています。

我が家は築25年という物件。香港で25年も経ってると、潮風や湿度からの劣化が激しく、かなりボロボロの状態に見えることも多々ありますが、そうやって丁寧に愛情を持って常日頃から整備修理されているので、わたしたちにとっては住めば住むほど使い勝手が良く不便なことが減っていくように思います。今の季節のように豪雨に見舞われても、地上階に住んでいるというのに浸水被害も全く起きません。実に住み心地が良いのです。

村屋に住むときは、どういう人が大家さんなのかをしっかり知っておくのは大切なことです。例えば高層ビルか、村屋か、どちらが問題が起こりにくいかというと、それはなんとも言えません。恐らくどこでも問題は起きるのですが、それが起こった時に迅速に、気持ちよく対応してくれる人がいるかどうかというのが、大きな問題なのです。いくら家が良くても、大家さんがハンディーでなかったら、たとえ気持ちよく対応してくれたとしても、修理業者を見つけて直すのに時間がかかったり、請求書問題で揉めたり、自力で修理する必要が出てくるでしょう。そういう意味でも、家の間取りだけではなく大家さんについても知る必要があります。

亜熱帯地域の香港。我が家の庭先にある茂みでは、今年も、ジャックフルーツがなり始めています。去年は３個ぐらいだったのに、今年は大量です。大家さんが木を伐採したおかげて日が入るようになったのかもしれません。これがもっと大きくなったら大家さんが収穫に来るのかな？と思いながら成長を眺めています。

なんとか元気に雨期を乗り切りましょう！