2020/08/15
「濃厚無添加咖喱魚蛋&鮮魷」
(ム ティム ガ ガ レイ ユ ダン & ヤウ ユ)
(濃厚で旨味たっぷり!イカと揚げボールの無添加カレー旨辛煮)
夏バテを乗り切るスパイスのマジック!
古くより「夏は生姜、冬は大根」と言われていますね。辛いスパイスを摂取すると、交感神経の興奮が起きます。すると、体温が上がって血流が増え、皮膚から熱が逃げやすくなって涼しく感じます。香港料理の中ではスパイス料理はそんなに多くはないですが、香港街頭露店スナックフードの中で「咖喱魚蛋」(カレー味の揚げボールうま煮)や「咖喱魷魚」(カレー味のイカうま煮)は人気があります。鍋の中に気持ち良くお風呂に入っているようなイカや揚げボールは、注文が入ってから店員が鍋から引き上げて串で通して出すのが一般的です。ピリ辛で、味も濃く、食べたらコーラなどのジュースが飲みたくなるスナックフードです。
老若男女、その場で買ってすぐその場で店先で手で持って食べるスタイルです。日本なら品がないように見えるかもしれませんが、香港ではそんな意識はありません。むしろ街頭露店スナックフードだから、道端で食べなきゃという概念となります。小さい頃、このような庶民的な軽食はほとんど移動販売カート(露店)で売ってましたが、今はすっかり店先に店舗を構えて営業するスタイルに変わりました。時々、飲茶でも点心としてありますが、最近飲茶で出てくるのもあまり見かけてなくなってきました。
香港ではいろんなイカがあります。それぞれ違う呼び名があります。
イカ=魷魚(ヤウ・ユ)
1.新鮮なイカ。(鮮魷=シン・ヤウ)
「鮮魷」は新鮮な鮮魷の略語。
2.乾物のいか。(土魷=トォ・ヤウ)
「土魷」は本土産の乾燥したいかの略語。
3.乾物のイカからアルカリ性の液体で戻したイカ。(水魷=スイ・ヤウ)
「水魷」は「土魷」をアルカリ性の液体で戻したイカ。アルカリ性の液体はイカのタンパク質や保水性が高まって人が好ましいぷりぷり食感を維持出きます。
それぞれ使い道があり、一般的にぷりぷりしている食感の「水魷」はよく「咖喱魷魚」の原材料となりますが、私は化学的に下処理したものを食べないので、新鮮なイカを使って作りました。
Tips ⇒ 身の厚みがあるイカを選んで下さい。下処理したイカを買ってきて、しっかり水気を取ってから薄く生の塩麴を塗り、キッチンペーパーで包んで一晩冷蔵庫でイカを熟成すると、イカは一層柔らかくなってうま味がさらにアップします。 |
材料 (2人分)
<具材>
揚げボール………………….1袋
イカ……………………………1杯
<カレーソース>
A
サラダ油…………………….2大さじ
玉ねぎ………………………..200g
にんにく…………………….10g
生姜…………………………..10g
塩麴…………………………..2小さじ
(塩麴が無ければ塩1/2小さじ)
B
サラダ油……………………..2大さじ
トマトペースト……………1大さじ
Indian Curry Powder…….3大さじ*
ターメリック粉……………1小さじ
胡椒…………………………….少々
だし/水………………………..600cc
C
醤油…………………………….1小さじ
オイスターソース…………1大さじ
ナンプラー…………………..1大さじ
甘麹……………………………3大さじ**
(甘麹が無ければきび砂糖1大さじ)
*このレシピで使われたカレーパウダーはあまり辛くないインディアン食品株式会社のインディアンカレーパウダー。
作り方
<カレーソース>
- フードプロセッサー(注1)でAの玉ねぎ、にんにく、生姜をペースト状にします。Aのサラダ油を鍋に入れ温めて、ペースト状にし、塩麴を加えて弱火で水分が飛ぶまでじっくり炒める。
- 1の具材を鍋の片方に集めて、空いてるところにBのサラダ油を足してトマトペーストを入れ弱火でじっくり炒める。トマトペーストと油が馴染んだら、カレーパウダー(Indian Curry Powder)、ターメリック粉、胡椒を炒め合わせて、だし/水を加えて弱火から中火で煮て、最後にCの調味料を加えて味を整える。
- 冷めたら、フードプロセッサーにかけて滑らかにする。
(冷凍したら一ヶ月以上保存出来ます)
<具材>
- 揚げボールは湯通して水を切る。
- いかの皮を剥いて、ゲソの部分はキッチンペーパーで吸盤をしっかり擦り取る。水気をしっかり取り、薄く生塩麴で塗、キッチンペーパーで包んでタッパーに入れ、一晩冷蔵庫で熟成する。作る前10分に取り出し、ひと口大に切る。
<作り方>
- カレーソースを沸騰させて(吹き溢し注意)揚げボールとイカを加え、10分程煮て出来上がり。
**麹:水 1:1 の自家製甘麹です。
*注1:フードプロセッサーはガラス製かステンレス(アルミ)制をお勧めします。油や匂いのしみこみを避けるためです。
雲姐(ワンジェ)
料理研究家。香港に生まれる。幼少期、平日は祖母、週末は料理が趣味だった父の手料理を食べて過ごす。オーストラリアへ移住を経て、結婚を機に日本へ移り20年以上。中国国際薬膳師、発酵食品ソムリエ、発酵ライフアドバイザーの資格を持ち、中華圏および日本の食文化への造詣も深い。現在は、日本の人々に香港料理を伝えるべく東京で活動中。
人在東京 Prime Kitchen Labo
Hong Kong LEI (ホンコン・レイ) は、香港の生活をもっと楽しくする女性や家族向けライフスタイルマガジンです。
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