2021/12/15
咖喱角
(ガー レイ ゴッ)
【サクサク カレー三角春巻き】
香港人は「会食」や「パーティー」など、大勢で集まる事が多い。季節ごとの大きい行事の前夜祭として同僚や、親戚、近所の仲間、同窓会、同好会などで一緒に食事し、ワイワイしながら飲み食いするのが常というもの。
そんなパーティーでは、利便性と簡易性が備わった「到會」(ドウイ:ケータリングサービス)を利用することが多く、 手ぶらで参加することができる。香港では家が小さい為、ハウスパーティーが開催される事がまれであり、マンションの中にあるパーティールームや、自分たちの社内、使われなくなった「工廈」(ゴン ハ:ビル型の工場)を再利用 したレンタルスペースなどがあり、それらの施設を使う人達が大多数だ。
「到會菜單」(ケータリングメニュー)の中にある「咖喱角」(ガー レイ ゴック:カレー味のポテトサラダの三角春巻、 インドのサモサに似たようなもの)と 「菠蘿腸仔」(ボ ロー チョン ツァイ:パイナップル と缶詰ソーセージのピンチョス)は香港人なら知らない人はいないほどの定番メニューである。
これらのフィンガーフードはパーティーでしか目にしない上、レストランで出されないので香港以外の地域での知名度がかなり低い。しかし咖喱角は「公仔點心 」(ゴン ツァイ ディム サム )という食品メーカーの冷凍食品として手軽にスーパーで買うことができる。香港人にその咖喱角は美味しいかと尋ねると、予測された答えとは裏腹に、美味しいとは言えないという回答があったりなかったり。すぐ買えてしまう上に日常的に口にすることが多いので特別存在感はないし、ケータリングとして美味しく出来ている物でもないが、私たち海外にいる香港人からしたら咖喱角はノスタルジックな味として大勢でワイワイ、パーティーしている楽しい思い出を瞼に浮かばせてくれる。
咖喱角はキツネ色に揚げた三角型の春巻きで、中のあんはカレー味の素朴なポテトサラダ。深めのアルミ製のプ レートにたくさん盛り上げ、みんなで一口齧るとサクッと外の春巻きが口の中でほぐれ、予想外のふわっとしたあんが顔を出す。ジャガイモ、カレー、揚げ物はジャンクフードには欠かせない要素である。その三つ全てが手のひらに収まるほどの小さな三角の中に入っているという悪魔のフィンガーフード。ついついもう一個頬張っていると気付くとお皿の上はからっぽというのもしばしば。やはりジャガイモ、カレー、揚げ物は、はずれがないことが再確認できる。
Tip: 揚げ過ぎないように気を付けて下さい。カレー味なので、焦げると苦くなります。
材料 (約30個)
春巻き皮 20cm x 20cm ……10枚
餡
牛粗挽き肉………………………150g
(A:牛肉の調味料)
薄口醤油………………….1小さじ
香港溜り醤油(老抽)……………1小さじ
紹興酒……………………..1小さじ
砂糖…………………………1小さじ
片栗粉……………………..1小さじ
塩…………………………………少々
胡椒……………………………..少々
サラダ油…………………………..2大さじ
玉ねぎ(みじん切り)…………… 100g
にんにく(みじん切り)……………..5g
じゃがいも…………………………… 200g
トマトペースト ……………………… 1本
カレーパウダー …………………2大さじ
(水大さじ3で溶く)
仕上げ用の調味料
塩 ……………………………………….. 少々
胡椒…………………………………….. 少々
マギーソース………………………….少々
のり
小麦粉………………………………3大さじ
水…………………………………….3大さじ
(のり:合わせておく)
<作り方>
〇 餡の作り方
1 じゃがいもを洗い、鍋に入れ、かぶるくらいの水を注ぎ、沸騰したら中火にする。約20~25分加熱し、竹串が通ったら火から下ろす。熱いうちに皮を剥き、潰しておく。
2 牛肉をAの調味料で下味しておく。
3 鍋にサラダ油を敷いて熱し、弱火でにんにくと玉ねぎをじっくり炒め、玉ねぎが透明になったら、トマトペーストを加える。そこに水で溶いたカレー粉を加え、一緒に炒め合わせる。2の牛肉も一緒に炒め、牛肉の色が少し茶色に変色したら、1のじゃがいもを加え、潰しながら炒め合わせる。味を見ながら、仕上げ調味料で味を調節する。
4 バットの上に敷いて冷ます。
〇 包み方
1 春巻きの皮を3等分(短冊形)に切る。一枚ずつはがしておく。
2 三等分に切った皮を縦にして、右下の角を左上に持ち上げ、左下の角が半分になる様に右肩上がりの折り目を付ける。
3 1大さじの具を右下の三角に平らに伸ばし、折り目に沿って 折る。あまりの生地にのりを付け、もう一度折って貼留めたら完成。
〇 揚げ方
1 フライパンに1cm~2cmの油を注ぎ、170度で両面揚げ焼きにする。ほんのりきつね色になったらバットにあげて油をよく切る。
雲姐(ワンジェ)
料理研究家。香港に生まれる。幼少期、平日は祖母、週末は料理が趣味だった父の手料理を食べて過ごす。オーストラリアへ移住を経て、結婚を機に日本へ移り20年以上。中国国際薬膳師、発酵食品ソムリエ、発酵ライフアドバイザーの資格を持ち、中華圏および日本の食文化への造詣も深い。現在は、日本の人々に香港料理を伝えるべく東京で活動中。
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