2022/09/15
蝦米粉絲蒸水蛋
(ハ マイ ファン シ ジェン スイ ダン)
【干しエビ春雨香港大皿茶碗蒸し】
2022年9月10日、中秋節。「以前」の香港なら、必ず家族揃って、夕飯を一緒に食べながら中秋の名月を眺める。中秋の名月は団欒のシンボルだから。「今」の香港は「以前」と違って、ここ数年は、たくさんの香港人が海外へ移住したり、コロナの制限のせいで、家族全員で香港で集まったりすることはほぼ不可能になってしまった。わたしも母と3年会ってなく、円安、高騰した航空チケット、コロナ制限などなど、全く会えそうにない。
『蒸水蛋』(ジェン スイ ダン)【和訳:大皿茶碗蒸】はまん丸の月に見えるから、中秋節の日に作る。香港茶碗蒸しはとてもシンプルだ。卵と水だけ。甘じょっぱい醬油たれをかけて食べるのが一般的。戦後の香港、50~60年代、裕福でなかった時代。このおかずはどの家庭も登場する一品料理。当時、卵は『5毛銭』(ン モ チン)【和訳:日本8円ぐらい】で2個で買えた時代だった。子沢山の家庭にしてはとてもお財布に優しい栄養食だった。
香港の経済が良くなってから、具なし単独の『蒸水蛋』はやや物足りなくなり、干しエビを入れたり、かさ増しとして春雨を入れたり、様々なバリエーションが出てきた。
日本では茶碗蒸しは「汁物」の分野に属し、それぞれ一人一個ある。香港では家族とシェアするのが一般的だから、浅いお皿に盛ってから蒸し、共用スプーンで掬って自分のご飯茶碗に入れる。とてもシンプルな料理だが、ぷるんとした食感で喉ごしがとても良く、ご飯が進む。お子さんに人気がある香港料理。
Tip: お皿が浅いため火が通りやすいので、‶す‶ が入らないように火加減を気をつけましょう。
<材料> 3人分
■材料
卵Mサイズ(約50g1個)……….3個
干しエビ……………………………..10g
水……………………………………….330cc
春雨……………………………………10g
塩……………………………………….¼ 小さじ
■甘じょっぱい醤油たれ
醤油……………………………………1大さじ
たまり醤油…………………………..½ 小さじ
ナンプラー………………………….1小さじ
水………………………………………1大さじ
きび砂糖……………………………..½ 小さじ
潰したにんにく…………………….3g
■トッピング
小ネギ……………………………トッピング用
サラダ油………………………………少々
<下準備>
■干しエビと春雨 1.干しエビをサッと洗って、330㏄の水と一緒に鍋に入れて、沸騰してから、火から降ろし、そのまま冷ます。冷めたら、濾し、干しエビと液体を分ける。 2.春雨は水で戻して、水を切り、3〜4㎝の長さに切っておく。
■卵液の準備 1.卵を割り、ボウルに入れる。泡を立てないように優しくほぐす。 2.干しエビの戻し汁を1の卵液に加え、よく混ぜたら塩を入れる。 3.干しエビと春雨を浅めの丸皿に入れ、2を濾しながら丸皿に注ぐ。サランラップをしておく。
■甘じょっぱい醤油たれの準備 全ての材料を耐熱容器に入れ、電子レンジ(600W)で20秒ほど加熱する。
<作り方> 1.蒸し器にたっぷりお湯を張って沸騰させる。沸騰したら〈下準備〉で準備したものを蒸し器に入れ、蓋をして(少し隙間を開けておく)8分ほど蒸す。蒸したら10分〜15分ほど蒸し器の中でむらす。 2.サランラップを剥がし、小ネギをパラパラして、サラダ油を熱し、小ネギの上にしゅっとかけ、甘じょっぱい醬油を一回りかけたら完成。 |
雲姐(ワンジェ)
料理研究家。香港に生まれる。幼少期、平日は祖母、週末は料理が趣味だった父の手料理を食べて過ごす。オーストラリアへ移住を経て、結婚を機に日本へ移り20年以上。中国国際薬膳師、発酵食品ソムリエ、発酵ライフアドバイザーの資格を持ち、中華圏および日本の食文化への造詣も深い。現在は、日本の人々に香港料理を伝えるべく東京で活動中。
Instagram
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人在東京 Prime Kitchen Labo
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