2023/05/07

24年の香港生活から、現在は拠点を日本に移しライフキャリアコーチ、ビジネスコンサルタントとして、働き方や生き方に悩む女性やグローバルに活躍したい女性に対して支援する活動をしている井上ひろみです。

香港は、忙しくスピーディーな街。アジアを代表する金融センターとしても、グローバルな企業が集まっています。ビジネス環境も競争力があることから、効率的に仕事を進めることが求められ、商談も決断が早く迅速な対応や行動が重視されます。慣れない間は、日本と香港の「ビジネスのスピード感」の違いに驚かれる方もいるでしょう。

そんな香港に住んでいる多くの方は、日々、忙しく、目の前のやらなくてはいけないこと、仕事のプレッシャーに追われています。

今回は「忙しい人こそ自分自身と向き合うこと」が大切であることについて書きます。「そんな時間なんてない！」と皆さん、おっしゃるのですが、そういう方こそ大切なんです。

▪️忙しい人ほど、「自分と向き合う時間」を作りましょう

日々、仕事や育児、時間に追われていませんか？ そんな日々を送っていると、ストレスや不安を感じやすくなったり、精神的、身体的な健康への影響を受けやすくなったりします。また、些細なミスが増えてたり、人とのミスコミュニケーションが起こりがちになります。

そんな時は、「自分と向き合うために」こんな方法がおすすめです。

・ひとりで過ごす時間をつくる。

・スマホやPCの情報から離れ、ノートに自分の素直な気持ちを書き出す。

書き出すことで、自分の意外な気持ちを知ったり、思考の整理ができます。

・信頼できる友人、家族、コーチ、カウンセラーに話を聞いてもらう

人は意外と自分自身のことを分かっていないもの。話を聞いてもらったり、周りから見た自分について（長所や短所なども）聞いてみるのもいいでしょう。

▪️「自分自身と向き合う」ことで得られるメリット

思考を整理し、感情を受け入れ、理解することで、心が落ち着きます。

そして、自己肯定感が上がり、自分を受け入れることができるようになり、心に余裕が生まれてきます。

さらに、脳の疲れも取れ、リフレッシュできるようになることで創造性が高まります。

自分自身と正しく向き合うことはメリットだらけです。

▪️まわりから強いと言われていた女性も「自分を見失っていた」

海外在住の40代の女性会社員で管理職のクライアント様のお話です。周りからは強くてタフに見られることが悩みでもあり、強みでもあるという彼女が相談に来たのは、「会社でのパフォーマンス、キャリアを上げたい。けど、うまくいかないことが多く、お手上げ状態です」という理由でした。当時は、仕事でも家庭でも大きなプレッシャーがあり、特に仕事では結果を求められていた時期。そんな中、息子さんが「学校に行きたくない……」と言い出し不登校に。ご主人も多忙な方で、相談をしても「できるだけのことはする」とは言うものの、実質ほとんど家にはいない状態。彼女は、自分ですべてを抱え込んでしまい、仕事でも多忙を極めていて、押しつぶされそうになっていました。

セッションで一番最初にお伝えしたのは、「休むこと」と「自分と向き合うこと」でした。仕事の休みを取るのは難しかったのですが、１日の中で「休み時間」を意識してとってもらい、定期的にセッションを受け、安心して「話ができる環境」を継続してもらいました。

わたしは、脳科学と心理学に基づいたコーチングで「目標達成」のために伴走をしますが、彼女のその後の変化は目まぐるしいものでした。セッションの他に、毎日、自分と向き合う時間を朝と夜にとってもらいました。自分の思いや感情、考えをノートに書くのがベストですが、難しい日は「移動の時間」にでも、「自分がどう思っているのか」「本当は何を望んでいるのか」「大切にしているもの」「どんな１日にしたいか」などの質問に向き合う習慣をつけてもらったのです。

すると、「まわりに振り回されていた自分」から「本来の自分」に戻るという感覚を取り戻し、「仕事」や「息子さんの問題」に対して、落ち着いて対応することができるようになり、ご主人との対話で、家族としてさらに協力し合える関係性が築けるようになった、と早い段階で連絡がありました。それに加えて、半年後には、女性管理職としてさらに評価を得て、新しい取り組みを始めたとのことでした。

え、こんなにうまく変わっていくものなの？ と思うかもしれませんね。

「自分と向き合い、自分の心の声を深く聞く」ことで、自分が整い、不安が減ると本来の力や能力を発揮できるようになります。また、心の余裕ができて、目標や願いを明確にすることができたので、行動も変わっていったんですね。

今は、さらに大きな目標に向かっておられます。

あなたがいま忙しいと感じているのなら、なおさら「自分と向き合うこと」を大切にしてください。

今回の記事が少しでもお役に立てればうれしいです。

井上ひろみ

1997年より香港移住。ふたりの子どもに恵まれ、最初の10年間を子育てに邁進。香港人社会にどっぷり浸かったディープな主婦時代を送り、その後、12年間のブランクを経て社会復帰。14年間に３社の大手日系企業にてアジアを中心にグローバルな仕事、マネージメントの経験とキャリアを積む。

海外でブランクがある中からの仕事やキャリアに悩んだり、プライベートと仕事のバランスに迷ったりしてきた経験を通して、 同じように悩んでいる方の支援をしたいと2021年　Cannan Life & Work Design Lab設立。 現在は、高齢の父の面倒を見るため日本へ拠点を移し、活動中。

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