2021/07/15
ワンチャイ(湾仔)といえば、皆さんは何を思い出しますか?
私にとって、ワンチャイは香港の下町のような存在で、歩きながら香港っぽい景色を見るのが面白いです。さらに、アクセスがとても便利で、初めて香港に来る外国の観光客も簡単に行けるところです。
それでは、勝手ながら私が一番お勧めの太原街から紹介しますね。
大学生時代の私は着せ替え人形のリカちゃんが大好きでした。今はあまり遊ばないですがウィンドウショッピングだけでも結構楽しんでいます。
太原街のおもちゃ屋は新商品から昔の製品まで売っているだけでなく、値段はデパートよりずっと安いです。クリスマスやイースターなどの日には、その季節ならではのアクセサリーやデコレーションが揃っていて、手ごろな値段で自分の部屋を飾ることができます。そういえば、専門店では売ってない商品も時々見つかりますので、トミカを集めている友達は毎週通っているそうです。
太原街はおもちゃ以外、キッチンの小物とかトイレの収納とか、生活の必要な物は揃っています。とにかくなんでも安い!下町雰囲気を味わいたいなら、ぜひ行ってみて下さい。
路面電車のすぐ隣にある「和昌大押」は地元の有名なレストランTHE PAWNとしてよく知られています。「PAWN」の意味は「質物(質に入れる物)」です。豊かな現代社会では想像できないかもしれませんが、昔の人は腕時計を質に入れてお金を借りることがありました。建物は歴史感があって、ワンチャイの代表だと思います。
今の路面電車と違和感なく、和昌大押はどこから見ても素敵過ぎると思います。私はいつも路面電車の窓から和昌大押の写真を撮って、外国の友達に送ります。
和昌大押の向こうは、古くから地元市民に愛されているボストンレストランです。下町に相応しい食事をエンジョイしてください。
香港の代表的な飲み物と言ったら、ミルクティー、レモンティーなどが知られているでしょう。しかし、香港生まれの方でさえ知らないかもしれませんが、昔のレストランはいろいろなスペシャルなドリンクを提供していました。レトロでカラフルなドリンクをSNSに載せてもいいですよね。
最近、私は100年前の香港にいた日本人の歴史を研究しています。19世紀から戦前にかけて、香港の日本人たちは、ワンチャイの辺りに住んでいた方が多かったようです。
今ワンチャイ洪聖古廟の左側に、すごく古く見える階段が残されています。それは戦前の日本旅館千歳館と言う日本旅館の階段でした。
1994年まで建物は残されていましたが、私も見たことはありません。でも、昔の写真のおかげで失われた旅館のかたちがわかるようになりました。
詩人・高浜虚子や小説家・橫光利一の作品によると、ワンチャイの日本旅館千歳館は美味しい日本食を用意してくれたそうです。日本料理を提供した上で、芸妓さんまでいたということです。残念なことに、2人とも写真を残さず、千歳館の素晴らしさは文字の記録だけです。昔のワンチャイは一体どんな魅力的な所だったのでしょうか。
最後の一言ですが、夏の日はどこに出かけても水分摂取を忘れずにして下さいね。
キリ
日本語教師で旅行作家。特に日本が大好きで年に10回以上は訪れる。著書に『Kiri的東瀛文化觀察手帳』(2017)、『日本一人旅』(2019)がある。香港の誠品商務三聯などの書店で購入可能。
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