2022/09/12
茶餐廳:茶餐廳は、香港、マカオ、広東省の都市で一般的な、喫茶、軽食を兼ねた飲食店である。(Wikipedia「茶餐廳」の項より)
はじめまして!自称「茶餐廳愛好家」のakiramujinaです。
このコラムでは、その名の通り茶餐廳を愛してやまず、ほぼ毎日茶餐廳で食事をしている在港日本人のわたしが、茶餐廳にまつわるエトセトラと思いの丈を書き連ねてまいります。
香港で暮らしていると、街のあちこちで否が応でも日々目にする飲食店、「茶餐廳」。香港在住経験をお持ちの方や、香港を何度も訪問したことがある方なら、きっと一度はお世話になったことがあると思います。その営業形態やメニュー、店構えは様々ですが、大抵のお店は比較的安価で、洋の東西を問わないフードメニューとドリンクを提供し、賑やかな雰囲気の中でささっと食事を済ませることができる、なんでもありの大衆食堂のような身近な存在です。
日本と比べると決して住宅事情に恵まれているとはいえない香港、一人暮らし用の狭い物件だとキッチン設備が充実していない物件が多く、必然的に外食を選択する機会が増えます。かくいうわたしも、香港生活をスタートしてから2020年初頭までの6年近く、家の狭さと持ち前のものぐさ精神を発揮してほとんど自炊をせずに、外食に頼りきりの生活を送っていました。そんなことができるのもお財布にちょっとやさしく、バラエティーに富んだメニューで人を飽きさせない茶餐廳のおかげ。日々茶餐廳を自分のダイニングルームのようにしているうちに、今ではあらよっと! 茶餐廳の虜になった茶餐廳愛好家一丁上がり! です。
なにがそんなにわたしを虜にさせたのか、理由は挙げればキリがありませんが、「やすい」「はやい」「(意外と)うまい」という実利的なことに加えて、そこに介在する人と雰囲気に魅力を感じたことも記しておかなければなりません。
開店から午前11時頃まで、「早餐」と呼ばれる朝ごはんの時間帯はくたくたに茹で上がったマカロニスープを勢いよく食べて店を出る出勤途中の人のスピードに驚くことのもあれば、濃厚さが独特な「港式奶茶(香港スタイルのミルクティー)」を目覚めの一杯とばかりじっくりと味わう人の優雅さを羨むこともあるでしょう。お店によっては焼きあがったパンやエッグタルトを並べる店員さんを見かけて、思わず嗅覚から食欲を刺激されることだって!
超高速かつ正確に注文をさばくスタッフの神業が炸裂するランチタイム、「卡位」と呼ばれるボックス席に陣取り、食べる勢いもおしゃべりも止まらない女性グループにパワフルさを、一人で黙々と「豆腐火腩飯(豆腐と豚バラ肉のぶっかげご飯)」と向き合うサラリーマンに男のロマンを各々感じてみたと思ったら、あっという間に「下午茶時段(午後のティータイム)」がやってきます。おやつメニューが充実したこの時間、バターがたっぷり載った「西多士(香港式フレンチトースト)」を仲良く分け合うカップルを目にしてしまった日には、とろける甘さにバターに加えて私までとろけてしまいそう。
日が暮れてもなお、茶餐廳のキッチンからはゴー、ゴーと強い火力の音が聞こえ、香ばしい匂いが老若男女の口の中で、そして店内あちこちで広がります。残業で遅くなっても、21時や22時でもやっている店があるのが心強い茶餐廳ですが、「賣晒(売り切れ)」のひとことには注意。えっ、お目当ての「是日快餐(日替わりセット)」はもう売り切れ!? これを楽しみに一日を過ごしてきたのに!
・・・といった感じで、朝から晩までドタバタ劇に事欠かず、気取らない毎日の生活模様が繰り広げられている茶餐廳。ここに行けば、自分が今香港にいることを強く実感し、なんだかその暮らしの中に溶け込んでいるかのような気分にさえなれるかもしれません。
みなさん、今日はぜひ茶餐廳へ行ってみませんか!?
akiramujina
九龍を拠点に「茶餐廳愛好家」を勝手に名乗り、ほぼ毎日茶餐廳や冰室に足を運んでいる在港日本人。
趣味は旅行と茶餐廳めぐり。コロナ禍で旅行ができない今は年100店以上の茶餐廳訪問と、年300杯以上の港式奶茶を目標にしています。
どこへでも行くフットワークの軽さが自慢ですが、どこへでも食べてばかりいるせいで自身の重さが悩み。
TwitterとInstagramでも食べ物の話ばかりしています。
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