2023/08/29

第3回のあらすじ

日本滞在中に父親の担当医に会えることになったが、そこで聞かされたのは父親の余命宣告。しかも父親は誰にも打ち明けず、延命治療はしないとすでに担当医に意思表明もしていた。父親の希望に従い在宅介護をスタート。ケアマネ、介護・看護スタッフ、家族の支援・協力の元、父親は穏やかに時を過ごすことができた。


ビデオコールでの見送り

その日は想像していたよりも早くやってきました。在宅介護中呼吸困難になったため、24時間対応の訪問看護師に連絡したらすぐにかけつけてくれ、容態を訪問医師に報告したところ救急車で病院に運ばれることになりました。最初の病院は混みあっているため受け入れ拒否。ニュースで見たことはありましたが、本当にそういうことが起こっているとは。入院中コロナ禍のため面会禁止でしたが、父とはLINEで繋がっていたので、看護師さんが父の携帯を使って毎日のようにビデオコールをしてくれました。わたしが香港にいるときLINEで看護師さんに「最期です」、と告げられ、最後までスクリーン越しに話しかけることができました。入院は10日間でしたが、緩和ケアでモルヒネを服用し、少しずつ意識が薄れていったようです。感謝の気持ちや伝えたいことは最後の瞬間を待たずに、早めに伝えておけてよかった! と感じました。6カ月の余命宣告を受けた6週間後に、父は旅立ちました。

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1週間以内にすること

日本では悲しむ時間もないほど多忙な毎日が待っていました。まだ時間があると思っていて死後のことを考えておらず、翌日飛行機のなかで、「で、わたしは何をどうしたらいいの」と頭を抱えましたが、病院が地域の葬儀屋さんを紹介してくれたのでスムーズに進みました。まず記入する書類は医師が書いた死亡診断書と1枚つづりになっている死亡届、それから火葬許可申請書。これは役所に提出するものですが、多くの場合は葬儀屋さんがしてくれるそうです。死亡診断書は年金の受理停止手続きや投資信託口座などの相続でも必要なため、5枚くらいコピーと取っておいた方がいいそうです。ケアマネさんにも連絡を入れました。

 

2週間以内にすること

役所によっては「お悔み窓口」を設けて、そこで一気にできるところもあるようです。「お悔み窓口」は死亡届を出して1週間後以降から行けるのですが、日本での滞在が1週間もなかったわたしはタイミングがあわず全部の課を回りました。

 

保険年金課:

①国民健康保険資格喪失届を記入し保険証の返還

②国民健康保険葬祭費支給申請書(葬祭の領収書が必要)これは2年以内

③後期高齢者医療保険喪失届を記入し保険証の返還

福祉課:

①身体障害者手帳の返還

②介護保険資格喪失届を記入し保険証の返還

税務課:

①住民税は年度末まで払う

②固定資産の相続人代表者の指定

 

そのほかにも犬や車、農地などを所有しているとその手続きがあります。

書類によっては申請するのに故人の戸籍謄本と除籍謄本が必要ですが、本籍のある役所と亡くなった土地の役所が異なる場合は、まず死亡届を受理した役所が本籍のある役所に送り除籍する手続きがあるため1週間以上かかります。

 

年金事務所での手続き

死後2週間以内にすることで、年金事務所で年金受給権者死亡届、未支給請求書、

遺族年金申請書の手続きもあります。年金事務所は混んでいて、予約せずに行ったら後日の日時を指定されました。電話で予約ができるそうです。書類記入はかなり面倒なので、職員さんと一緒にやっても1時間以上かかりました。で、ここでも融通が利かない出来事が。

母の遺族年金を申請するのに通帳と印鑑を渡すと、その通帳は受け付けられないと。理由はこの銀行は合併していて銀行名が現在のものではないから。その通帳は実際に使えていること、新しい通帳にしても支店番号や口座番号は変わらないので何の意味があるのかと質問しても、規則ですからとの納得できない答え。母と銀行行き、二文字追加された銀行名が入っている通帳を再提出しました。

 

 

各種名義、口座変更が実は大変

毎日生活するための支払いは全て父がしていたので、名義変更と支払いの引き落とし口座も変更しました。電気、ガス、水道、固定電話、新聞、wifiなど、ひとつずつどの会社のサービスを利用しているのか調べるのが一苦労。以前の領収書があるものはまだいいのですが、ないものはネットで調べて、イチかバチかで問い合わせ。お客様番号もわからないので、名前と電話番号で調べてもらって、「いやウチではありませんねえ」と言われたり、ご近所さんに聞きに行って教えてもらったり。一番分かりづらかったのはwifiでしたが、父のオンラインバンキングにアクセスし、引き落とし項目をチェックしてやっとわかりました。その他毎月保険会社の引き落としがあり、早速電話してみたところ加入していたことが判明。老人ホームにいる109歳の祖父に度々送金している記録もあり、あらためて父の生き様を感じました。

 

今回の介護のポイント

① 言いたいことは早めに伝えておく
② 親とはLINEで繋がっておく
③ 光熱費や公共料金の利用会社を知っておく

 

ひと段落し、親戚から納骨は四十九日以内にした方がいいよ、ということで早速おじさんに先祖代々のお墓のことを聞いたら、まさかの返事が、、、

 

次回はお墓探しと遺産相続についてです。


りんみゆき
カノッサ病院日本人通訳/グリーフケアアドバイザー2級/メディカルアロマインストラクター

香港を含め30年以上の海外生活体験と語学力を生かし、香港では医療通訳としてカノッサ病院で活動する傍ら同病院の日本語ケアラインサービスという無料のお悩み相談窓口もチームの1人として担当している。趣味はマラソン。著書に「海外のいろんなマラソン走ってみた!」(2019年5月、彩図社)がある。

どんな小さなことでも1人で悩まずにご相談ください。
無料日本語ケアラインサービス
電話:2825-5849 (月9:00-13:00、水13:00-16:00、土10:00-12:00)
カノッサ病院への日本語によるお問い合わせ
https://www.canossahospital.org.hk/ja/

IG:canossahospitalhk_jp

 

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