2023/04/10

こんにちは。大坪沙季です。
4歳の息子と、フィリピン人ヘルパーさんと3人暮らしをしながら、日本食レストランのメニュー開発をしているワーキングマザーです。

前回までのコラムでは、仕事のこと、家庭のことを主に書いてきました。
今回のテーマはガラッと変わって「推し」について。

香港に来て間もない頃、慣れない仕事に海外生活。
周りには家族も友達もいないし、早く仕事で結果を出さなきゃ！息子を守っていかなきゃ！と自分で自分にプレッシャーをかけて苦しかった。

明けない夜は無いとわかっているのに自ら夜に閉じ込もっていました。

そんな時、わたしを救ってくれたのは「推し」の存在でした。
振り返ってみると、わたしの推し活人生は中学の頃から。
その時々によって推しは変わるし、複数いるのですが、その頃から一貫しているのは、
どちらかというとステージ上の彼らより、その影で努力している過程を見るのが好きだったこと。

高校時代は、当時、ドラマやコンサートやテレビの仕事をこなしながら有名大学を卒業した推しに憧れて、自分の実力よりかなり上の大学に受かるため猛勉強。

社会人になってからは、自分の好きなことを活かして仕事を掴む推しに憧れて、「好き」を仕事にするため食の仕事に就き今に至ります。

推しが突然、心身ともに垢抜けて仕事の幅を広げたことから、自己ブランディングの大切さも学びました。
わたしのモチベーションは推し達によって保たれていると言っても過言ではありません。

彼らに惹かれるのはきっと、全力で努力した人だけが持つ独特の輝きがあるからなのかなと。
ステージ上でキラキラ輝く彼らは裏でどれだけの思いをしたのでしょう。

経験が浅いままステージに立つ苦しさ。
実力は十分なのになかなか表に出られない苦しさ。

置かれた立場は違えど、それぞれ苦悩はあったはずです。
そんな推し達の姿を昔からずっと見てきたので、
その時置かれた立場がどんなものだったとしても、正しい努力をし続ければ、どんな形であれ最終的に夢は叶う。逆も然り。
結局は自分次第だということ。

なのでつらい時はよく推しの歌を聞いて自分を奮い立たせていました。

誰かをこんな風に勇気づけられるってすごい。
わたしも、レストランに来てくれるお客様に何かを感じていただけるような仕事をしたい。
そして、職場のスタッフにも何かいい影響を与えられるようになりたいな〜と思うのです。

さて、そんなオタクなわたしですが、偶然、推しが出演するテレビ番組に出演したことがあります。

３日間に及んだ撮影。細部までこだわって制作しているのを間近で見て、テレビ関係者さんを改めて尊敬。また、通常業務をこなしながら手伝ってくれたスタッフの皆にも感謝の３日間でした。

うちのレストランは元々日本でチェーン展開し、長く皆様に愛されてきたグループなのですが、海外の店舗のメニューは日本とはどのように違うのか。という趣旨の番組で、メニュー開発者であるわたしも撮影に携わらせていただきました。

その番組に推しも出演していることを知り、プロデューサーさんに「実は○○さんのファンなんです」とお伝えしたら、なんとご本人に向けたコメントを撮らせていただくことに。

VTRでの出演だったので間接的ではありますが、「いつも○○さんの歌に元気づけられています」と伝えられるという夢のような出来事が起こりました。

遠い遠い憧れの存在なので、直接会いたいとか話したいとか思った事は一切なく、画面のこちらからこっそり応援しているのが好きなので戸惑ったのですが、頑張っていたら推しに直接お礼を伝えられるんだな〜これからも頑張ろう！ と、これもまたモチベーションに繋がったので推しは偉大です。

人生は七転び八起き。
もうダメだ。しんどい。と思う時があっても、諦めなければいつか必ず事態は好転するものです。

わかっていてもその時はしんどい。
その度、推しに救われてきました。

朝は必ず来る。夜も必ずまた来るけど。笑

わたしにとって推しとは、楽しい時も苦しい時も、「推しもがんばってるからわたしもがんばろう」と思える存在です。
そういう意味では、わたしもいつか誰かにとっての推しになれたらいいな〜と思うのです。

それでは今回も読んでいただきありがとうございました。

毎月10日に連載しておりますので、また次回もお待ちしております！

筆者プロフィール

大坪沙季（Saki Otsubo）

東京の大手料理教室で講師を５年程務め、
その後独立。妊娠出産を機に湘南へ移住し、
レシピ開発やフードコーディネーターとして活動。
2022年香港に移住。
某日系F&B Companyにメニュー開発者として所属。
趣味は料理、金継ぎ、ゴロゴロする事。
息子とヘルパーさんと３人で暮らしながら仕事をするワーキングマザー。

instagram　https://www.instagram.com/_sakioo_