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2025/04/10

先日香港で開催された「第18回アジア・フィルム・アワード」にてアンバサダーとしての任務を華麗に務め上げた日本の宝、ディーン・フジオカさん。

香港はディーンさんのデビューのきっかけを作った、スタート地点ともいうべき場所。ここからスタートした後、軽やかにボーダーを超えて、台湾、日本などアジアを股にかけた大活躍は皆様ご存じの通り。今回、短期間とはいえ、香港に戻ってきたディーンさんにHong Kong LEIは独占インタビューを敢行しました!

画面で拝見するより数100倍美しい容姿、静かな落ち着きをたたえた立ち振る舞い、ゆっくりと自然体な語り口で、香港について、仕事について、今後の活動予定について語ってくれました。

©︎Hong Kong LEI

「この度はアジア・フィルム・アワードのメインアンバサダーという大役にご就任、おめでとうございます」と口火を切ったわたしたちにディーンさんは穏やかに「ありがとう」とだけ応えてくれました。謙遜する訳でもなく、過大な自信をみせる訳でもない自然な様子。これはまさにディーンさんが適任、本当に相応しい役割であるからこそ。日本を含むアジアで活躍、しかも貫禄とオーラ、語学力を兼ね備えるレアな俳優。そんなディーンさんとのインタビュー、香港の話題で幕を開けました。

 

香港がデビューのきっかけを作ったと伺いました。

当時はアジア、北米を含め、世界を旅していたところでした。たまたま旅先のひとつだった香港でいい出会いがあったんです。その時、自分のやりたい事が見つかったと感じました。

 

香港という街に持つ印象は?

香港はとてもチャレンジ精神が旺盛な街だというイメージです。変化に対して、勇敢にトライしていくという感じですね。香港という場所が持つ宿命があると思うんですけど、その中で前向きに、その時代その時代で、ベストな挑戦を続けているっていう印象です。

 

香港の好きなところは?

香港の好きなところはたくさんあります。強いて一つ挙げるなら……やっぱりアイスレモンティーがおいしいと思います(笑)。

 

香港での今後の活動は?

今後のプロジェクトは香港という括りではなく、アジア、東アジアという範囲なんです。でも、そのプロジェクトには香港の方も参加しているので、香港との縁は途絶えないですね。

アジアを網羅するような活動、共同プロダクションのような形が僕の理想なんです。新たなプロジェクトの可能性は新しい出会いから生まれると考えています。その意味で新しい出会いと巡り会える街、香港とは今後ともずっと縁が続いていくと思っています。

 

監督やプロデューサーなど様々な分野でご活躍ですが、一つ選ぶなら?

プロジェクトの始まりには、2パターンしかないですよね。一つは声をかけていただくっていうこと。もう一つは自分が主体的に始めること。どちらに関しても、僕は自分をあまり固めたくないと考えているんです。

声をかけていただくというのは、タイミングや縁です。それに応えられるよう、フレキシブルでありたいです。

一方、自分で進めていくもの、例えば音楽活動だったりとか、IP(知的財産)プロデュースとか、そういうのはもう、粛々と、一歩一歩やり遂げるという事が大事です。こちらも一分野に特化するというよりは、異なる分野の経験というものが全体に良い影響を与えると考えているんです。

いずれの選択肢を選んでも、結局は日々、目の前にあることに全力で真摯に向き合って、大切にすることが大事だと思います。

©︎Hong Kong LEI

いい出会いを得るために心がけていることは?

意識している訳ではないので、自分でも知りたいですね(笑)。でも、これまでの経験を思い返すと、自分の足で動いて、自分の言葉で直接話をするっていうことが一番基本かつ、一番大切な事だと思います。いろんな技術が発達して、いろんなコミュニケーション方法が生まれている中であっても、直接同じ時、同じ場所にいて、同じ方向を向いて語り合うことの重要性を感じます。仲間と一緒に作り上げるっていう「現場感」が、一番明確な心がけかもしれません。

 

オファーを選ぶ基準は?

まずはタイミングですね。スケジュールが破綻するぐらい無理してしまうと、自分だけでなく、プロジェクトに関わる全ての人に影響が及んでしまいます。

なので本当に責任もってやり遂げられるかを考慮します。ただ現場に行って、そこで終わりではなく、準備の時間、フォローアップの時間も含めてキチンと遂行できるだろうか、責任を果たせだろうかということを考慮します。

もう一つは、そのプロジェクトに携わり、その環境の中で日々を経て、自分の成長につながるかどうかということを考慮します。それまでできなかったことが、できるようになったりとか。役者という仕事であれば、ある程度固まった時間をずーっとその役柄の人間として生きていく訳です。そのプロセスで、苦手だったことが得意になったり、知らなかったことを知っていく。そういった喜びが俳優っていう仕事を続けてきた一番の原動力なのかなあと、振り返ると思いますね。

例えばこの間、Netflixのドラマでは台湾の検察官の役を演じたんですが、その役を演じるっていうことは、その役が持つ重みを演じなくてはいけません。そのために台湾の社会にどっぷり浸かって現地の文化への理解を深めたり、インタビューなどの準備をします。さらに言語的にも充分説得力を持たせることが必須となります。そういった文化的、言語的なことを学ぶことが一つの成長につながります。

もうちょっとシンプルな例だと、時代劇や戦争を題材にした作品で、馬に乗る必要があって、そのスキルを身に付けるといった成長がありますね。馬術を身につけたり、剣術だったり、一つ一つのプロジェクトに何かしらの成長のきっかけがあるといいですよね。その範疇にはもちろん、個人的な楽しみっていうのもあります。

最近だと、『正直不動産』という作品でタップダンスを身につけました。こんなに長く「神木」っていうキャラクターと付き合うとは思ってなかったんですが、長くやってきたお陰でタップダンス、とても楽しめるうようになったので。

 

香港映画で、好きなものはなんですか?

たくさんあって、一つの作品を挙げるっていうのは難しいんですね。まず、好きな香港映画のジャンルは二つあって、一つは香港の「ポエティック(詩的)」な映画、ウォン・カーワイ(王家衛)監督に代表される、内面に問いかけるような映画が好きです。エモーショナルなんだけど、爆発する感じではなくて詩のような作品群が好きです。

一方でド派手なアクションが特徴的な作品も素晴らしいなって思います。香港のアクション映画は観るたびに感想が更新されるような新鮮さを感じます。すごく刺激をもらっています。

©︎Hong Kong LEI

演じるのならどちら?

両方とも興味がありますね。アクションは男の子としてずっと好きで、これまでやってきたスポーツとか、マーシャルアーツを活かせるし。以前、香港・台湾時代にも仲間と一緒にチームで練習していたんですよ。(映画を撮影することで)またああいう日々を送れたら、とても幸せだと思います。

逆に、自分の内面に向き合うような、ポエティックな作品に出演できるのであれば、自分がこれまで想像もしていなかったような発見があるような気がします。縁があればトライしたいと思います。

 

香港で活躍する日本人に向けてのメッセージ

様々な業界、バックグラウンド、価値観の中で今、香港にいることを選び続けている方たちだと思うんですよね。自分は香港と出会って、香港にいることでまた別の場所との出会いがたくさんありました。自分にとって香港はハブとして機能しましたが、反面、香港にいる間に香港でしかできないこと、「香港だからやれること」を深める時間はありませんでした。香港に今いらっしゃる皆さんは香港の、地元の、よい所を少し意識して、深く楽しまれると良いかなと思います。

(まとめ)

こちらからの質問に対して、じっくりと言葉を選んで、真摯に答えてくれる様子に静かな情熱と、実年齢よりはるか上の貫禄を感じました。ビッグスターというのは、こういうふうに成長して出来上がっていくものなんだと、今の場所より遥か遠くに羽ばたいていくんだろうという予感を感じずにはいられないインタビューとなりました。

取材・文 紅磡リンダ(編集部)

 

〈読者プレゼント〉
LEI読者3名様にディーン・フジオカさんのサイン入り色紙をプレゼントいたします。ご希望の方はLEI公式ラインに登録の上、《ディーン・フジオカさんサイン希望》とLEIまたは記事の簡単な感想をメッセージで【4月30日まで】にお送りください。当選の方には編集部からのお返事で当選発表とさせていただきます。受け取り場所は、発表から1ヶ月以内に銅鑼湾にある、安心・安全とおいしさにこだわった食品を提供しているTASTING TABLE Japan Premiumのショップの営業時間内にお受け取りに行ってください。詳細は当選発表の時にお知らせいたします。

 

Hair & Make-up: MAI NANRI
Stylist: ISON KAWADA
Fashion/Wardrobe: Brioni
Venue: The Langham, Hong Kong
Special Thanks:Asian Film Awards Academy

コメントをありがとうございます。コメントは承認審査後に閲覧可能になります。少々お待ちください

2 件の意見

  • Tomoko より:

    コメントをありがとうございます! ディーンさんのサインは公式LINEよりお受けしております。そちらにご登録の上チャットよりご応募くださいませ。当選者には直接チャットよりご連絡申し上げます。宜しくお願い申し上げます。公式LINEのご応募の方法は記事のリンクをクリックください。

  • 中原まさみ より:

    《ディーン・フジオカさんサイン希望》
    素敵なインタビューと写真をありがとうございます。
    Deanさんはビジュアルだけでなく、その精神もピュアで美しい方だと思っています。 この記事にも思慮深く考えながら、インタビューに答える様子が良く伝わってきました。
    初めてのインタビュー(?)で彼の本質をしっかり見抜ける記者の方にエールを送りたいです。(日本では彼の美しさばかり強調されます)
    サインが当たりましたら、是非香港へ行きたいと思います

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