2025/07/15
香港の夏の時期は過酷な天候に見舞われることでも知られていますが、ちょうど真っ只中の今、雨でも、風でも、猛暑でも関係なく、快適に子どもと文化的に過ごすことができるアクティビティーをご紹介します!
場所は香港スペースミュージアム(香港太空館)。チムサーチョイ(尖沙咀)のネイザンロードの突き当たりにあるので、その一際目立つ丸いドームの外観をご存じな方も多いのではないでしょうか。でもまだ行ったことがないと言う方は、香港政府が発行するミュージアム年間パスを持っていれば、展示会はそのパスで入場することができますよ。
展示室の一部
展示室内では体験型展示がたくさんあるので、子どもたちは夢中になって挑戦していました。プレイルームで楽しむような感覚で行けて、新しい発見もできる素晴らしい展示となっています。特に小学生以上の子どものいるご家族は、ぜひ足を運んでみてください。
さて、本題です。今回ご紹介するのは、香港スペースミュージアムで上映されている質の高い短編映画3本です。
プラネタリウムというと丸いドーム状の天井に星が映し出されて、というのを想像する方も多いと思いますが、ここ、スペースミュージアムでは年間を通して、大人も子どもも楽しめる世界中から集められたスケールの大きな短編映画を上映しています。ドームいっぱいに映し出される、頭上に広がるスケールの大きな映像は没入感たっぷり! 特別なひと時を楽しむことができるでしょう。
上映会場は写真には収まりきらぬ大きさです。このピンクの部分がスクリーンの一部です。
「まだ見ぬ宇宙へ」
さて、日本人の読者の皆さんにまず最初におすすめしたいのが、2022年に大阪市立科学館のプラネタリウムのリニューアルオープンに合わせて製作された6K解像度の「まだ見ぬ宇宙へ」。
天文観測衛星ガイアの観測結果をはじめ、最新の観測データなども反映しながら CG 製作を行い、小学生程度の予備知識でも理解できるシナリオにしたそう。28分の映像では、地球を出発して様々な天体を観察しながら、最終的には宇宙全体を見渡せる構成になっています。その中でこだわったところが、それぞれの天体のスケール感や距離感を体感できるような映像表現だそうです。実際見てみると、3Dではないのに、まるで本当に宇宙を旅しているような浮遊感と、自分が星と星の間にでもいるような錯覚に陥ってしまいます。
こちらトレイラーです。少しだけどんなものか感じてみてください。
スペースミュージアムでは広東語での上映です。しかし、元々は日本人によって製作された日本語の作品なので、観客は日本語の翻訳設定を選択することができます。
映像を夢中になって見ている子どもを横目に、親は日頃の育児疲れから、ふかふかのシートと涼しくて暗い環境が相まって、ついウトウトなんてことも(笑)。座席はスクリーンが大きいので、前方の席ですと首が痛くなるかも。後部座席のPやNやM列がおすすめ。シートの見取り図はこちら
シートの右隣にあるタッチパネル・スクリーンで言語を選択できて、その横にあるヘッドフォンを使って翻訳バージョンを聞くことができます。
「まだ見ぬ宇宙へ」は日本語バージョンがありましたが、他の2本に関してはありませんでした。「にほんご」を選択してヘッドフォンをつけると、翻訳以外の音楽や効果音が聞こえづらくなるのが少し残念でした。ただ、映像やナレーションは素晴らしく、あっという間の28分間。子どもも映像に釘付け間違いなしです。激しくおすすめします。
上映情報
上映期間:11月14日まで
上映時間:平日は15: 30と20:00、週末と祝日は14:00と18:30
チケット: 前方席がHK$30、スタンド席がHK$40
休館日:火曜日(祝日は開館)
Webサイト、チケット情報はこちら
「Arctic 3D: Our Frozen Planet(北極3D:わたしたちの凍った天体)」
ふたつ目におすすめするのが「北極3D:わたしたちの凍った天体」。まずはトレーラーをご覧ください。
BBCテレビの製作チームによる水中カメラやドローンなどを駆使した3D作品です。すぐ目の前で繰り広げられる動物の生態を浮き彫りにする映像の素晴らしいこと! 北極の四季を通じて捉えた雄大な自然と、ホッキョクグマ、アザラシ、セイウチなどの極地の生き物たちの姿を3Dで間近に観察できます。
3Dなので、セイウチの鼻水が飛んできたり、アザラシの赤ちゃんに間近で見つめられたりと、なかなか臨場感があります。思わず手を伸ばしてみたり、体を避けたくなったり、声をあげる観客もちらほら。
映像では、この地域で暮らす先住民イヌイットの人々にも焦点を当てて、気候変動におけるその暮らしぶりの変化も紹介します。イヌイットは犬ぞりを使って氷の上を移動し、狩りを行いますが、気候変動により氷は徐々に薄く脆くなり、移動がますます危険になっています。この作品は皆さんに気候変動について考えるチャンスを与えてくれるでしょう。
22分間の上映ですが、本当にあっという間に終わってしまい、もっと見たい! と思えるほどでした。入場するときに3D用のメガネを渡されて、上映後に出口で返却します。上映は英語で、その他の翻訳言語の選択は、広東語と普通話になります。英語がわからなくても、動物たちと大自然の魅力に飲み込まれて、とにかく見れてしまいます。
上映情報
上映期間:10月13日まで。
上映時間:平日は14:00と18:30、週末と祝日は12:30と17:00
チケット:前方席がHK$30、スタンド席がHK$40
休館日:火曜日(祝日は開館)
Webサイト、チケット情報はこちら
「T. REX(ティ・レックス)」
最後は恐竜ティラノサウルス好きになたまらない「T. REX(ティ・レックス)」(英語ではティラノサウスルを省略してティ・レックスと言います)。
作品は最新の科学的発見とコンピューター生成画像を組み合わせ、6700万年前の白亜紀にタイムスリップし、ティラノサウルスがどのように地球を支配する究極の支配者となったのかを探ります。トレーラーをご覧ください!
観客は古生物学者のタイラー・ライソン博士と彼のチームと共に、アメリカのモンタナ州にあるヘルクリーク層へ向かい、そこで3人の子どもたちがティラノサウルスの化石を発見する様子を追います。
新生児のティラノサウルスは、最初の年で家猫のサイズから人間のサイズに成長し、将来の生存に備えて遊びを通じて狩猟スキルを磨きます。若いティラノサウルスは、エドモントサウルスのような中型の獲物を狩ることができました。ティラノサウルスが子どもを守るために強力なライバルであるケツァルコアトルスからの脅威に立ち向かうシーン、トリケラトプスとの壮絶な生死をかけた戦い、そしてパック狩りの際の兄弟間の激しい対立などを見ることができます。
42分間の映像は広東語で、言語設定は英語か普通話のみ。Arctic 3Dより少し難易度が高い作品ではあります。しかしながら、発掘現場をみることができたり、迫力満点のCGで恐竜たちが目の前を走り回りますので、恐竜好き、考古学好きな方であれば楽しく見ることができるでしょう。
上映情報
上映期間:12月14日まで
上映時間:平日は17:00、週末と祝日は11:00、15:30、20:00
チケット: 前方席がHK$30、スタンド席がHK$40
休館日:火曜日(祝日は開館)
Webサイトはこちら
ちなみに、夏の時期は平日でも観光客が多く、上映時間によっては売り切れの回もでていましたので、絶対見たい方はチケットをオンラインで購入するのをおすすめします。
以下2025年7月現在の上映スケジュールです。各自Webサイトでチェックしてくださいね。
それでは皆さん、熱い夏休み中だからこそ、ぜひご覧ください!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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