2026/08/13
©︎Keith Macgregor, ‘Nathan Rd at night’, Hong Kong 1999 [KMNEON-06], courtesy of BLG 写真ダウンロードや転写、無断使用は違法です。
雨に濡れた夜の街路を極彩色に染め上げ、ビルの谷間から競り出すように輝くネオンサイン。かつて香港のネオン看板は、単なる店舗広告の域を超え、この都市の「心臓の鼓動」そのものでした。映画のワンシーンのように脳裏へ焼きついたその光景は、いまもなお人々の記憶に深く息づいています。
しかし、急速に変貌を遂げる現代の香港において、この街の象徴であった光の遺産は急速に姿を消しつつあります。街のスカイラインが変わる今、わたしたちはどのようにしてその光を受け継いでいけば良いのでしょうか。
香港ションワン(上環)に位置するアートギャラリー『Blue Lotus Gallery』では、この問いに対して2つの視点から迫る特別な試みが行われています。
レンズ越しに定格された黄金期:キース・マクレガー展『City of Lights』
1つ目の視点は、写真を通じた視覚的な記録と継承です。
現在同ギャラリーで開催されているのが、写真家キース・マクレガー(Keith Macgregor)氏による写真展『City of Lights』。彼がレンズに収めたのは、まさに香港のネオンがもっとも華やかに街を彩っていた黄金時代です。
夜の闇に浮かび上がる鮮烈な色彩、雑多でありながらどこか温かい路地の空気感、そしてノスタルジアに満ちた街の息づかいが、見事な構図で捉えられています。マクレガーの写真に登場するネオン看板の多くはすでに街から姿を消してしまいましたが、その輝きは写真という表現を通じて永遠の命を与えられています。
展示会の詳しい様子はこちらの記事よりお読みください。
「ネオンの街・香港」のイメージを生んだ写真展『City of Lights』が開催、写真集も発売へ。2026年10月4日まで
最前線で看板を救い出す:建築家ユニット「街招(@streetsignhk)」の挑戦
©︎Blue Lotus Gallery
しかし、ネオン看板をめぐる物語は「失われた過去の回顧」だけで終わるわけではありません。2つ目の視点は、現在進行形の文化財保護と再創造です。
8月16日、看板保存の最前線で活動を続ける香港のローカルプラットフォーム『街招(@streetsignhk)』の共同創設者である建築家、ケビン・マック(麥憬淮 / Kevin Mak)氏とケン・フォン(馮達煒 / Ken Fung)氏を招いたトークセッションがギャラリーで開催されます。
2017年の設立以来、2人は撤去の危機に瀕したアイコニックなネオン看板を自ら救出し、記録し、さらには現代の都市空間における新たな役割を再考する活動を展開してきました。
本イベントでは、選りすぐりのネオン看板を前に、以下のような多角的な視点から熱い対話が交わされます。
職人技と制作工程:ガラス管を曲げ、ガスを封入する熟練職人の手仕事
看板が作られた背景:当時の商店主たちが看板に込めた願いと商売への誇り
店と地域コミュニティの絆:街路のネオンが結びつけていた人と人との関係性
現代の保存ムーブメント:香港の視覚文化遺産を次世代へ引き継ぐための具体的アクション
看板は単なる過去の遺物ではなく、香港という都市が歩んできた歴史や文化そのものです。過去の光を美しく留める写真展『City of Lights』と、未来に向けて光を紡ぎ直す『街招(@streetsignhk)』の対話。2つのアプローチが交差するこの機会は、香港の街と文化を愛する全ての人にとって、都市の記憶について深く思いを馳せるかけがえのない一夜となるはずです。
香港の夜を彩った光の物語に、ぜひ耳を傾けてみませんか?
In Conversation with @streetsignhk(街招 対談セッション)
登壇者:ケビン・マック(Kevin Mak)、ケン・フォン(Ken Fung)
開催日:8月16日(日)
時間:15:00–17:00
会場:Blue Lotus Gallery(香港)
関連展示:Keith Macgregor 写真展『City of Lights』
入場無料:予約は必要ありません。
言語:英語と広東語
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