2023/01/12

日本:日本国、日本(にほんこく、にっぽんこく) – 東アジアに位置する島国。(Wikipedia「日本国」の項より)。

ついに、ついにです! 3年近くに亘って続いていた香港の検疫措置がほぼすべて解除され、ようやく隔離や一定期間の店内飲食禁止といった面倒なこと無しで旅行ができるようになりましたね。三度のメシと同じくらい旅行が好きなわたしも、ほこりをかぶっていたパスポートを引っ張り出して、日本へ、アジアへ、遠くの国へと飛び回る日々を送っています。

 

しかしわたしは茶餐廳愛好家。香港に居る時のみならず、日本へ一時帰国した際にも、どこかへ旅行した際も茶餐廳のことを忘れるわけにはいかないのです。実は昨年10月、仕事の合間を縫って1週間ほど日本へ帰国したときも、しっかり「訪日茶餐廳愛好家」として活動をしてきました! そう、日本にも茶餐廳はあるのです!

 

今回わたしが日本に帰国して最初に向かったのは、お寿司屋さんでも、甘味処でもなく茶餐廳。羽田空港から比較的アクセスしやすい、京急線の生麦駅近くにある「美記茶餐廳 Maggie’s Kitchen」です。日本に長く暮らしている香港人のマダムが営んでいるこちらの茶餐廳は、地元密着で地域の人たちに愛されているお店。元々はカフェバーだったところに居抜きで入っていることもあり、茶餐廳のイメージとはちょっと異なる落ち着いた店内で、料理が大好きという店主が日々、腕を振るっています。

わけあって既に3週間ほど香港を離れていたわたし、1年弱ぶりの日本帰国で食べたいものはたくさんあったのですが、なんだか体が欲していて真っ先に食べたかった「乾炒牛河(牛肉入りフォー炒め)」を迷わず注文しました。カウンター越しにトントントンと具材を切る音や、ザーッという炒める音が客席まで聞こえてくると、食欲もどんどん高まっていきます。やってきた乾炒牛河は炒めた時の香ばしさが伝わってきて、ああ香港の味! 茶色い見た目は彩りという言葉からは程遠いですが、この無骨な茶色こそが、わたしが求めていた香港の、茶餐廳の味なのです。店主がじっくり作った滋味深いチキンスープもついてきて、思わず唸るおいしさ。茶餐廳の味と、家庭の味とがうまく融合していて、故郷を離れて暮らしている在日香港人もよくやって来るという店主のお話に納得するばかりです。

週末を中心に、不定期で蛋撻(エッグタルト)や菠蘿包(パイナップルパン)など香港らしいパンも焼いているこの茶餐廳、長めの一時帰国や、本帰国後に「香港の味が恋しいぞ・・・」と思ったらぜひ足を運んでみてください。

 

 

所用があり新幹線で向かった大阪でも、茶餐廳愛好家活動は欠かしません。なんばからほど近い大国町にある「源元食堂」は、SNSなどで目にしてとても気になっていた茶餐廳。ここは食事メニューもさることながら、自家製のエッグタルトが人気なようです。

店内に入ると、早速お客さんと店員さんが広東語でおしゃべりしているのが聞こえてきます。耳まで香港気分でなんだかうれしくなってしまったわたしは、夕方だというのについつい「紅豆西多士(小豆フレンチトースト)」と「蛋撻(エッグタルト)」、そして「熱奶茶(ホットミルクティー)」の食券ボタンを押してしまいました。香港の茶餐廳ではまず見られない食券制なのが、ある意味「日本らしい」茶餐廳なのかもしれないですね。

 

少し待ってやってきた紅豆西多士は、ただでさえ甘~い香港式の揚げたフレンチトーストなのに、挟んだパンの内側にあんこを入れてしまうという禁断の一品。でもよく考えてみてください。小さなキッズに長年大人気なキャラクターがあんパンで、第三の都市名古屋の名物(のひとつ)が小倉トーストな日本にとって、こんなにフィットする香港のおやつはなかなかありませんよ! 甘党のわたしはもちろんペロッと食べてしまいます。

そしてわたしが驚いたのがエッグタルト。食券を渡すなり、「エッグタルトはちょっと時間がかかりますよ」と言われていたのですが、なんと注文してからオーブンで焼いてくれていたのです。言葉通りお願いしてから出てくるまでは20~30分くらいかかった気がしますが、まさに「熱辣辣(アツアツ)」で出てきた焼き立てのエッグタルトを見た瞬間、おいしそう! と思わず声が出てしまいます。クッキー生地のさっくり感と、中のカスタードのとろけ具合は、香港で食べるエッグタルトに勝るとも劣らないクオリティ。日本の茶餐廳、あなどれません!

このほかにも、東京や横浜、大阪にはここ数年の間に茶餐廳が何軒かオープンしていて、香港好きの日本人のみならず、日本で暮らす香港人にも人気を博しているようです。わたしたちが香港にある日本食店で胃袋だけでなく、故郷の恋しさやさびしさによる心の隙間を満たしているように、日本にある茶餐廳は香港が恋しいと思う人たちが日本に居ながらにして香港の味に、広東語に触れることができる、ちょっとした心の拠り所なのかもしれません。

 

もうすぐ旧正月! 一時帰国した時にちょっと香港が恋しくなったら、日本に居ながら香港の味を楽しめる「日本の茶餐廳」へ行ってみませんか?


akiramujina

九龍を拠点に「茶餐廳愛好家」を勝手に名乗り、ほぼ毎日茶餐廳や冰室に足を運んでいる在港日本人。
趣味は旅行と茶餐廳めぐり。コロナ禍で旅行ができない今は年100店以上の茶餐廳訪問と、年300杯以上の港式奶茶を目標にしています。
どこへでも行くフットワークの軽さが自慢ですが、どこへでも食べてばかりいるせいで自身の重さが悩み。
TwitterとInstagramでも食べ物の話ばかりしています。

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