2024/04/11

好耐冇見啦!お久し振りです。Emiです。

「香港で頑張って」同僚からの餞別品と寄せ書きと涙とで丸の内のビルを後にした5年前の3月がついこの間のことのよう。人事異動の春。4月から初めて香港に住むことになった方々も大勢いらっしゃるだろうと思います。香港へようこそ!はじめましての方も、以前からの読者の皆様も、日々の暮らしと数字を通じて香港の今を紹介する本コラムをよろしくお願いします。

さて、今日は息子たちの通うインター校のイースター休暇前の行事。『インターナショナルフードフェア』のレポートをお届けします。

Year1~Year 13一貫教育の英国系インター校。幼稚園(2年制)も併設されています

例年3月に開催される我が校のインターナショナルフードフェア。その名のとおり、生徒たちの父兄が協力して自分のルーツとなる国のブースを出店。世界の食卓が一堂に会する饗宴です。当日は地域にも学校が開放されることから、このイベントを心待ちにされておられる住民の方々もきっと多いはず。

そんなフードフェアですが、コロナ禍で2019年3月を最後に開催休止。今年は5年越しの開催となりました。わたしたちファミリーにとって初めてのフードフェア。1学年に1~2人しか日本の血の混ざった子のいない少数派日本勢は、例年、Y5の父兄が幹事を務めます。Y4とY1の息子を持つわたしは、来るべき翌年に備え、ボランティア募集のお知らせに迷わず手を挙げました。

今年の日本ブースのメニューは、細巻き寿司と焼きそばと白玉フルーツの三本立て。過去にはお好み焼きやたこ焼き、焼き鳥や牛丼などを提供した年もあったのだそう。久し振りの開催となる今年は、経験者Kさんと幹事Mさんが率先してメニューを決めてくださいました。

お寿司は香港居住者お馴染み、中島水産さんに外注。焼きそばはベジタリアンも少なくない状況に配慮し、肉の入らない野菜焼きそばです。白玉フルーツは、ミックスフルーツ缶詰に解凍した冷凍白玉(最近は便利なものがあるのね!)を添えて提供することになりました。

玉子、サーモン、アボガド、キュウリ、4種の細巻き(人気2トップはサーモンとアボガドでした)
メンバー8名が自宅で作った焼きそばを合体。野菜の切り方はバラバラでもそれなりに様になります
久し振りに拝んだ白玉に、たまらずわたしも一皿、自腹で購入。もっちもち、おいしい~!

 

迎えた当日。朝イチから大量の野菜の千切りに奮闘。大きな中華鍋で2回に分けて作った焼きそばを紙袋両手に携え、いざ出陣。明け方、小雨がぱらついたにもかかわらず、学校は既に多くの人々で賑わっていました。

各国の国旗はためく中庭には24の国と地域からの出店。HK$20バウチャーを事前購入し、HK$20、HK$40……20ドル単位で値付けされた料理をバウチャーと引き換えるシステムで、ブースで現金管理の必要はありません。Kさんの準備してくれた法被に身を包み、トング片手に売り子スタート。肌寒いお天気に学校から借してもらったブッフェプレートで保温していたJapanese Fried Noodle(焼きそば)は1時間半足らずで売り切れてしまいました。

飲み物も充実の香港ブース
文化の違い? PTAが堂々とお酒を売っています
揚げたてホカホカ!ベルギーブース

 

本日の商売敵?日本ブースの両隣は香港とベルギー。香港ブースには魚蛋や燒賣…屋台顔負けの多彩なストリートフードが並びます。ベルギーは甘辛4種ソースのフレンチフライ「フリッツ」のみで勝負という強気のメニュー設定。ビール片手にパパさんたちが楽しそうにポテトを揚げていました。

チャールズ国王の等身大パネルが出迎えるイングランドブースと、青と白を基調としたインテリアでまとめられたスコットランドはスコーン対決。黄色のラッパ水仙、ダフォディル(Daffodil)が日本で言うところの桜、英国に春の訪れを告げる国花であることを、わたしはウェールズブースの着ぐるみの売り子さんを見て初めて知りました。

国民に愛されるイギリス王室
各国のコスチュームも楽しい
断トツお洒落なフランスブース

 

息子たちはパパに買ってもらったHK$100綴りを握りしめ、お目当ての料理を探します。甘党の次男は赤のベレー帽のシェフ(!)にその場で焼いてもらったフランスブースのチョコクレープと、世界最大のシカ、ムース(Moose)を模ったカナダブースのアイシングクッキー。長男は、ドイツにオーストラリアに南アフリカ共和国。各国の提供する各様のホットドッグを慎重に吟味し、一番大きなソーセージにたっぷり手作りトマトソースのかかった南アブースのホットドッグを選びました。

国際都市香港。多くの人種民族の集まる香港は『インターナショナルフードフェア』さながら、様々な国のレストランが存在します。定期的に集う友人たちとの定番ランチは近所のタイ料理屋さん。最近のわたしのお気に入りレストランは中環のウクライナ料理屋さん。アルゼンチン料理は香港に来て初めて食しました。

そして17,000軒あまりある香港の飲食店のうち、日本食レストランの数はなんと1,400軒。茶餐廳(注1)の2,340軒には及びませんが、広東料理レストランの1,480軒に迫る数というのは驚きです。

グラフは注2の統計を基に筆者作成

 

香港で人気を博す日本食と大盛況の日本ブース。初めこそ売れ行き低調だった白玉フルーツも、三點三(注3)のおやつの時間には3回もリピートしてくれる女の子まで出て来て、終了時間を待たずに全品完売御礼となりました。

来年のフードフェアは何を振る舞って日本を感じてもらおうかしら?幹事の職はちょっぴり重責ではあるけれど、1年後のイベントに今から胸を膨らませています。

Emi in HK。多謝收睇。下次見!

 

【脚注・出典】

※注1…洋食メニューと中華メニューを取り揃えた豊富な内容で、喫茶、軽食を兼ねる飲食店。香港、マカオ、広東省の都市にみられ、早朝から深夜まで営業する店も多い。魅惑の茶餐廳の世界はakiramujinaさんのコラム『毎日が茶餐廳』からどうぞ。https://hongkonglei.com/category/column/mainichi/

※注2…香港特別行政區政府 政府統計處 機構就業人數及職位空缺 表215-16010:按行業小分類劃分的機構單位數目、就業人數及職位空缺數目(公務員除外)https://www.censtatd.gov.hk/tc/scode452.html

※注3…三點三(サム・ディム・サム、15時15分)。昔は労働者階級が昼食と夕食の合間にエネルギーを補給する食事をこの時間に取っていたが、今は職種問わず、三點三になったら軽食や休憩を取るのが習慣になっている。



汪 江美子(わん・えみこ)
映像プロダクション会社勤務。慶應義塾大学大学院修了後、日本・東京商工会議所にて、中小企業の資金調達支援や政策立案時の省庁との折衝等に従事。15年半の勤務を経て2019年、夫の仕事の都合により来港。2020年から現職。夢は日本と香港の合作映画の製作に関わること。気分転換は25年振りに再開させたピアノ。インター校に通う9歳、6歳、男児2人の母。

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