2025/05/09
Dancer Ye Feifei; Creative Design Army; Photography Dean Alexander; Courtesy of Hong Kong Ballet
『Giselle (ジゼル)』、香港バレエ団、今シーズン最後の演目
香港バレエ団は古典バレエの名作『ジゼル』によって、いよいよ今シーズンのフィナーレを迎えます! 振り返ると、彼らは『オズの魔法使い(The Wizard of Oz )』で活気あふれるシーズン幕開けを飾り、オリジナル演目『梁山伯と祝英台(The Butterfly Lovers )』では、観客を美しい中国民間説話の世界へといざなってくれました。クリスマスの風物詩とも言える『くるみ割り人形(The Nutcracker)』では、他では見られない香港らしい演出満載でホリデーシーズンを盛り上げてくれ、2025年を迎えてからも、色鮮やかで情熱的な『Frida(フリーダ)』でわたし達を魅了してきました。
今回は、そんな彼らがシーズン最後に贈る、ロマンティックで幻想的な『ジゼル』の見どころをたっぷりお伝えしたいと思います。
Dancer Ye Feifei; Photography Conrad Dy-Liacco; Courtesy of Hong Kong Ballet
『ジゼル』のあらすじ
舞台鑑賞の前に、まずは、あらすじをおさらいしましょう。
ヨーロッパの小さな農村に住む陽気で心優しい娘、ジゼル。彼女には農民の恋人がいるのですが、彼の本当の姿は……村人ではなく、高貴な家の出身で、その名をアルブレヒトと言いました。そして、なんと彼には姫君の婚約者もいるのです。ある時、ジゼルに思いを寄せていた、村の青年ヒラリオンが、アルブレヒトの真の姿を暴き、真実を知ったジゼルは悲しみに打ちひしがれ、ついには息絶えてしまうのです。
Dancers:Hugo Marchand, Marianela Nuñez; Photography Maria Helena Klem
そして迎える第二幕。結婚前に命を落とした少女たちは「ウィリ」と言う精霊になるというスラヴ起源の伝説があるのですが、ジゼルもまた、伝説の通りウィリとなってしまいます。若い男を捕まえて死ぬまで踊らせるという精霊ウィリたち。彼女たちはジゼルの死の復讐として、アルブレヒトを死ぬまで踊らせると宣告します。しかし、ジゼルは、自分を裏切ったアルブレヒトを許し、彼への変わらぬ愛を貫き、呪いが解ける夜明けまで彼をウィリ達から守るのです。
舞台芸術と衣装
フランスの古城ピエールフォン城や、ヴェルサイユ宮殿のマリー・アントワネット王妃の離宮をモデルとして、細部にまでこだわり抜いて作られたという豪華なセット。フランス人舞台芸術家のジェローム・カプラン(Jérôme Kaplan)氏が作り上げる、魅惑的な世界が目の前に広がります。
Set Act I by Jérôme Kaplan :Courtesy of Hong Kong Ballet
また衣装について前述のカプラン氏は、クリーンで無駄のない美しいラインを作ることに努めたそうです。そうすることで、この古典作品を裏切ることなく、これからも長く人々に愛されていくよう新鮮に蘇らせたのだと語ります。
洗練された衣装、幻想的な音楽、そして豪華な舞台セットによって、第一幕のヨーロッパの雰囲気、そして第二幕、「バレエ・ブラン(白のバレエ)」とも呼ばれる、白い精霊達が繰り広げる非現実的な世界を堪能することができることでしょう。
Hong Kong Ballet dancers; Photography Conrad Dy-Liacco; Courtesy of Hong Kong Ballet
豪華なゲスト・ダンサー達(出演日はゲスト出演日参照)
Dancers (from left) Marianela Nuñez, Hugo Marchand; Photography Maria Helena Klem
パリ・オリンピック2024で聖火ランナーを務めたオペラ座のエトワール・ダンサー、ユーゴ・マルシャン(Hugo Marchand)氏、そして4月に大英帝国勲章を授与された、ロイヤル・バレエ団のプリンシパル・ダンサー、マリアネラ・ヌニェス(Marianela Núñez)氏の豪華共演が2公演あります。既に残席わずかとなっていますのでお早めに!
Dancer Matthew Ball; Photography Andre Uspenski
また昨年『白鳥の湖』で、香港バレエ団プリンシパル・ダンサーのイェ・フェイフェイ(葉飛飛)氏と、息のピッタリあったパフォーマンスで絶賛を受けた、ロイヤル・バレエ団のプリンシパル・ダンサー、マシュー・ボール(Matthew Ball)氏も再びやってきます。まさに「王子様」と言う風格の彼の洗練された踊りは、今回も多くの観客を魅了することでしょう。
Dancer Victor Caixeta; Photography Sasha Gouliaev.
香港バレエ創立45周年記念国際バレエ・ガラでマイア・マハテリ(Maia Makhateli )氏と共に魅惑的なドン・キホーテのパ・ド・ドゥを披露した、元オランダ国立バレエ団のプリンシパル・ダンサーであるヴィクター・カイシェタ(Victor Caixeta)氏もゲスト出演。香港バレエのプリンシパル・ダンサーであるワン・チンシン(汪慶欣)氏との情熱的なパフォーマンス、今から楽しみですね。
セプティム・ウェバー氏と香港バレエ団
『ジゼル』は、大変有名な古典バレエであり、世界中で公演されている演目です。しかし、鬼才セプティム・ウェバー氏が率いる香港バレエ団によって、新しい息吹を吹き込まれる『ジゼル』は、香港でしか見ることができません! ぜひ、バレエファンの方もそうでない方も、劇場に足を運んで楽しんでくださいね。
香港バレエ団アーティスト達の日々の努力や鍛錬、それに対するスタッフ達の熱いサポートによって、今回もきっと素晴らしい舞台が作り上げられることでしょう。
Dancers (from left) Li Lin, Chen Zhiyao, Wang Qingxin and Hong Kong Ballet dancers; Photography Conrad Dy-Liacco; Courtesy of Hong Kong Ballet
香港バレエ団の今シーズン フィナーレ『ジゼル』。今から公演日が待ち遠しいですね! 皆さんで大いに期待&応援しましょう!
『Giselle (ジゼル)』
日程:(全9公演)
5月30日(金) 7:30 PM
5月31日(土) 2:30 PM and 7:30 PM
6月1日(日) 2:30 PM and 7:30 PM
6月6日(金) 7:30 PM
6月7日(土) 2:30 PM and 7:30 PM
6月8日(日) 2:30 PM
上演時間は約2時間、途中休憩を挟みます。
ゲスト出演日:
*マリアネラ・ヌニェス(ロイヤル・バレエ団プリンシパル)&ユーゴ・マルシャン(パリ・オペラ座エトワール):5月30日(金)7:30 PM及び6月1日(日)2:30 PM
*マシュー・ボール(ロイヤル・バレエ団プリンシパル)5月31日(土)7:30 PM及び6月1日(日) 7:30 PM
*ヴィクター・カイシェタ(国際的バレエスター)6月6日(金)7:30 PM及び6月8日(日)2:30 PM
場所:香港文化センター (Grand Theatre, Hong Kong Cultural Centre)
チケット価格:HK$1,000 (限定VIPチケット), HK$680, HK$480, HK$320, HK$180
(香港全日制学生・シニア 半額)
対象年齢:6歳以上
チケット販売:URBTIXにて
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Creative Team
Choreography: Charla Genn, Septime Webre (after Jean Coralli and Jules Perrot)
Music: Adolphe Adam
Set & Costume Design: Jérôme Kaplan
Lighting Design: Billy Chan
Live Accompaniment: City Chamber Orchestra Of Hong Kong
Conductor: Fayçal Karoui
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