2026/10/25

香港が大好きで、香港の食や文化をテーマにした刺しゅう作品を制作しているわたしですが、先月、その作品が関西を代表するグルメ月刊誌『あまから手帖』に掲載されるという機会に恵まれました。
以前、第11回「食を楽しむ 【食べたくなる刺しゅうアート】」でもお伝えしたように、わたしにとって「食」を刺しゅうで表現することは、作品づくりの大きなテーマのひとつです。

おいしいお料理や素敵なお店が紹介される『あまから手帖』は、ずっと憧れの1冊でした。そんな特別な雑誌に、自分の作品が掲載される日が来るとは。うれしさとともに、身の引き締まる思いがしました。

今回、『あまから手帖』とのご縁をつないでくださったのは、神戸・元町の広東料理店「良友酒家」。オーナーである潘さんご家族が作る「お家中華料理」を紹介する特集です。
写真提供 @van_s
誌面でお料理と共演することになったのは、鶏公碗(ガイゴンワン)と呼ばれる器に入った麺を食べるパンダのニードルパンチ作品。
おいしいお料理と、刺しゅうで表現したパンダが、憧れの雑誌の中で1つの風景を作り出す——。食をテーマに作品を制作してきたわたしにとって、これほど光栄なことはありません。
写真提供 @keit_keit
しかも、パンダが『あまから手帖』に登場するのははじめてなのだそうです。思いがけない初登場に、喜びもひとしおです。
今回の掲載を通して、あらためて感じたことがあります。
「おいしい」と感じるのは、料理そのものの味だけではないということ。料理を引き立てる器、作り手であるシェフの思い、そしてお店にまつわる物語。それらが重なり合い、口から心へと届くことで、食の喜びはさらに深まるのではないでしょうか。
そんな食の奥深さを、『あまから手帖』からあらためて学ばせていただきました。
さて、次の作品展に向けて、すでに新しい作品づくりが始まっています。テーマは「好味」。

香港を訪れたら、必ず食べたくなるものがあります。グース、チキン、ポークのロースト「焼味」です。
店先のショーケースに、こんがりと焼き上がった肉がずらりと吊るされている光景。わたしにとっては、まさに絶景! 香港を訪れるたびに心惹かれる、大好きな風景のひとつです。

艶やかな焼き色、食欲をそそる佇まい、そして店先に漂う活気。眺めているだけでも幸せな気持ちになる、香港らしい食の風景です。
この「おいしい! 」という感動を、刺しゅうでどこまで表現できるだろう。
食べる楽しみを、見る楽しみへ。そして、香港で出会った心ときめく風景を、ひと針ひと針に込めて作品にする。
食とアートをどんなふうに融合させられるのか、今から楽しみでなりません。
香港への愛情と、食への好奇心を原動力に、これからも刺しゅうならではの表現を探していきたいと思います。

次の作品展では、どんな「好味」の世界をお届けできるでしょうか。
どうぞ、お楽しみに!

竹岡かつみ
パンチニードルやタフティングの手法をメインに香港をテーマにした作品を制作。 香港の食や文化が大好きで「香港迷」となって約10年。 2021年香港政府観光局より【超級香港迷(スーパー香港ファン)】に認定され、2023年香港で開催された国際的アートイベント【ART CENTRAL】Arts in Hong Kong 2023に招待作家として作品を出展。香港の多数のメディアにも取り上げられ、同時に香港の携帯アクセサリーブランドCASETiFYよりスマホケースが販売された。これからも、【香港愛】を一人でも多くの方に伝えられる作品を創り続けたいと思っている。
Instagram katsumitakeoka
Hong Kong LEI (ホンコン・レイ) は、香港の生活をもっと楽しくする女性や家族向けライフスタイルマガジンです。
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1 件の意見
毎回、楽しく拝読させていただいております。
おっしゃる通り「おいしい」とは沢山の要素が集まってこそだと思います。
お店によって要素が違い、だからこそそれぞれの人の行きつけのお店ができるのでしょう。
竹岡かつみさんの持つ素敵な沢山の要素を作品があらわしています。
竹岡かつみさんを行きつけのお店にしているお馴染みさんは多いのではないでしょうか
次のテーマの「好味」も楽しみにしています。