2025/01/19

 

香港の老舗の歴史にまつわるお話を香港老舖記錄冊 Hong Kong Historical Shopsさんとのコラボでご紹介したいと思います。香港老舖記錄冊さんは、Facebookなどで香港の歴史的なお店を独自で取材して発信しています。香港文化の象徴として老舗の存在は欠かせない、老舗が存続していくことが香港の文化を盛り立てることだと言います。香港を愛するHong Kong LEI編集部のわたしたちもまた、昔から愛され続けている香港で誕生した商品が、どんな会社によって作られ、どんな背景で誕生したのか、また、どんなところで、どんなふうに作られていたのかなどを垣間見たくなりました。題して「香港オタクのための愛すべき香港老舗の歴史をたどる」です。でも長いのではしょりまして(笑)「香港老舗の歴史をたどる」と命名いたしました。どうぞよろしくお願い申し上げます。


さて、今回ご紹介するのは、新界にある個人商店「林勝合」です。広東語で「士多(si do)」は、英語の「store」が由来の言葉で、飲食料品、日用雑貨などを売っている小さなお店のことを指します。「林勝合」は人の名前のような店名ですが、昔ながらの士多です。


林勝合 – 古洞
創業:1957年
経営:雑貨商店、茶屋
住所:上水古洞東方區1號
撰文:Joy
攝影:Joy

創業約70年、古洞北に位置する林勝合は、古洞の発展と変遷の過程を経て、現在では地域で最も歴史のある商店の一つとなっています。

林勝合は、林業氏と林寬氏の父親によって創業され、1957年に元朗で営業を開始し、1959年に現住所に移転してから現在まで営業を続けています。創業初期は雑貨販売と商店経営を主に行い、薪、灯油、砂糖、食用油などの生活必需品を販売し、配達サービスも行っていました。近隣の河上鄉も林勝合のサービスエリアに含まれていました。

兄の林業氏は14歳から林勝合で手伝いを始め、弟の林寬氏は1970年にビジネスに参加し、商売を手伝うようになりました。林家の一族はみんなここで育ち、家族ごとにそれぞれが古洞に住んでいます。商店の名前が「林勝合」となった理由については、祖父や父親の名前に由来するわけではなく、なぜこの名前にしたのかはもはや不明だそうです。

環境の変化に伴い、林勝合の業務内容は1970年代に変化がありました。弟の林寬氏が加入して間もなく、近所で茶餐廳を経営していた人からミルクティーの作り方を学び、その後、お茶や各種麺類の提供を始めました。客層も近所の人々だけでなく、近隣の工場からのテイクアウトの注文が増えました。林勝合で使用している茶葉は自家製のブレンドで、異なる種類の茶葉を混ぜ合わせた秘伝のレシピは、店内で飲めるだけでなく、他の茶餐廳にも販売されています。

雑貨を扱うほか、かつては家畜も飼育しており、店舗の裏に鶏舎や豚舎があり、ピーク時には千頭以上の豚を飼っていました。これらの豚は市場で販売されたり、購入者に渡されたりしていました。しかし、1980年代に政府が汚染を減らし水質を改善するための施策を導入し、豚舎には浄化槽の設置が必要となりました。浄化槽の面積は豚舎よりも大きくなるため、1989年頃に養豚業務が終了しました。その後、豚舎は倉庫に改造され、業務の中心は食品卸売に移行しました。これにより、頻繁に馬草壟、落馬洲、白鶴洲へ行き来するようになりました。

現在、商店と茶餐廳は主に第二世代である林業夫妻と長男によって運営されています。主な顧客は近くの工事現場で働いている作業員たちです。近年はパンデミックの影響で店の営業が低迷しましたが、やっと以前のような忙しさを取り戻しつつありました。しかし、政府による古洞地区の再開発計画が持ち上がり、土地収用の問題が発生しました。林寬氏は、1997年の董建華政権時代から政府が環境保護開発のため土地収用を進めると言っていたが、その後20年以上が経過しても実際には進展がなかったと述べています。そのため、土地が没収されない限り、今後も営業を続けるという姿勢で取り組んでいるとのことです。

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