2020/07/15

コロナ禍。
自炊する機会も多くなり、ママたちの会話に何時もにも増してごはんの話題が増えた気がします。
わたし自身、昼ご飯を食べながら「夕飯どうしよう」なんて考えていたり。というか、ついさっき朝ごはんを食べたような…と頭の中が食事のことばかり
本当は家族のため、子供のために3食バランスのとれた献立を、1日30品目をきちんと…なんて言いたいところですが、なかなかどうにもです。
さて。
今回のコラムを書くにあたり、締め切り2週間前にテーマを提出したのですが…
「食育」と自分で決めたのに自爆していました。
というのもご家庭によって食事のスタイルはそれぞれだから。
共働き家族、兄弟のいる家族、住んでいる場所、シッターさんがいるご家庭、アレルギーのお子さんを持つご家庭。価値観や食事の習慣もかなり異なります。
ということで、正解がないことを前提に、我が家なりの食事の時に大切にしていることについて書いてみようと思います。
そもそも食育とは?
日本の政府が提案している食育の定義は以下の通り。
~「食育」とは、様々な経験を通じて「食」に関する知識と、バランスの良い「食」を選択する力を身に付け、健全な食生活を実践できる力を育むこと~(以下、長文はこちらから)
はい、できればこちらに書いてあることを全部実践したいのです。
ただ子どもに理解してもらうのは難しいし、現実全てを網羅するのは…。
ということで我が家で大切にしていること。
基本的なことですがこの辺りの事を心に留めています。
・みんなで同じものを食べる。
・残さず食べる。
・有機食品、自然栽培や無農薬、添加物や保存料の少ないものを選ぶ。
・旬のものをいただく。
息子はもうすぐ2歳になります。
わたしがズボラなこともあって離乳食のスタートは遅く(確か8ヶ月くらいでした)しかも早いうちから大人と同じご飯を食べさせていました。
麺類ならハサミでカットして与えたり、玄米なら少し緩くして潰して出したりと、ひと手間はあってもほぼ同じもの。
すると塩辛いものや甘じょっぱいものはなくなり、必然的にこちらが赤ちゃんと同じ食事に合わせることになります。結果減塩、甘さも控えめ、シンプルな素材のものを食材でも使うように。
息子も同じものを食べていることがわかっているため、私たち大人の器から食べたがるほどに食欲旺盛な時もあったり、大人が美味しく食べているところを見せると嫌がっていたものも食べてくれたりでなにかと好都合でした。
また、わたしの実家が農家だったこともあり「残さずキレイに食べる」は幼い頃から身体に染み付いたルール。
ごはん粒ひとつ残さず食べ切ったお茶碗と空っぽのお味噌汁の器を「キレイに食べたよー」と見せています。
最初こそ無反応でしたが笑、今では食べきるとわたしに見せてくるようになり、褒めるきっかけ作りにもなるので続けていこうと思っています。
オーガニックについて言及するなら、日本できちんと認定を受けている有機食品は、慣行栽培された農薬を使用している食品よりも圧倒的に農薬の使用量も少なく、有機JAS認証も国が定めた基準に則ったものしか認められないために安心して購入できるメリットがあります。
残念なことに日本は農薬使用量は世界でもトップクラスの使用量で、他国では農薬の使用を具体的に規制していく動きがある中、日本は一部緩和するという由々しき事態になっています。
シンガポールと香港での生活中は医療費の高さにクラクラしていましたが、逆に他国と比べると日本の医療費が安すぎる、ということですよね。だから日本では予防医学という考えがなかなか浸透しないともいわれています。
有機食品のみを5日間食べただけで体内の残留農薬量が半減した、という国内のデータもあります。
オーガニックな食生活をすることも予防医学だと私は考えています
我が家ではエンゲル係数が多少上がったとしても、ここはきちんと大人が選ぼう、という信条。子どもの未来に直接関わることだから。
子どもは身体の発達も未熟で毒素の吸収率も高くなってしまいます。加工食品に関しては表示の裏側を見て内容量表示が短くシンプルなもの。片仮名表示や聞きなれない名称があるものは控える。
結果、野菜、果物、魚、お肉、お米とわかりやすいものばかりが材料になります。
さしすせそ、の調味料でお肉やお魚は蒸したり焼いたり、ドレッシングなどはごま油にお酢に醤油ごま塩で即席中華風、梅を潰してシソを刻んで和風に、など。
全然お洒落ではないけれど、素材重視!な食卓を心がけています。
とはいえ。
今時期こそ外食は控えていますが、通常であれば我が家も外で食事することもしばしば。がっつり焼肉やオイルたっぷりのパスタだって!
基本みんなでワイワイいただく食事は大好きなので、そういう時は思いっきり楽しみます。
そのあと家での自炊で少し調整。
有機の食材と共に玄米を多めに炊いて、初日はそのまま食べて翌日に残った玄米で雑炊にしてかさ増ししていただいたり。(もちろん全く、写真映え!はしませんが)
それでも振り返ると長期の自粛、自炊生活の中で全員大きな風邪や病気などもなく健康を保てております。
香港生活時はCWBにあるTasting Tableさんで有機認証つきの冷凍食品や無添加にこだわった商品を購入したり、試食会や私のワークショップでも利用させていただきました。
近くに安心して食品を選べるお店があると良いですよね。
他にも香港は世界各国からのオーガニック食品が揃いやすいので、グロッサリーや大型スーパーでオーガニックグッズを手に取ってみてください。
旬のものをいただく、というのは薬膳を学び始めたことも良いきっかけになりました。
今の時期は梅雨真っ只中で蒸し蒸しジメジメ。
湿邪、といって身体の水はけが悪くなり、むくみやだるさ、排出機能が弱くなりお腹ぽちゃぽちゃ…などの症状が見られます。
そこで利尿作用のある食べ物、つまりこの時期に旬になるものを食べるようにすると改善しやすくなります。香港だともう真夏かな、だとすればほてりやすくなる身体を冷やしてくれる野菜や果物を。
とうもろこし、すもも、スイカ、とまと、きゅうり、ナスなどの利尿作用や解毒作用のあるものがこれから旬です。
我々の身体も自然の摂理にしたがっていますね。何千年と続く先人からの知恵を活かした食養術だなと感じます。
ちなみに主人にも食育について聞いてみたところ、ひとこと。
「変なものはあげない」と。
まあそうね、平たく言えばそういうことだよね。
同じものを食べていれば問題ない、ということだそうです。
まだ我が子は私達が一方的に与えているものを食べるのみですが、これから自我が芽生え、お友達ともっと関わるようになるとファストフードや甘いお菓子の誘惑も増えてくるだろうな、と想像しています。かくいう私も舌が真っ青になるようなキャンディーやガム、年頃にはジャンクフードのお店もバッチリ通ってきました。
わかる、みんなと同じものが食べたいのは仕方ない!
そんな時でもできる限りは、家族で揃って同じテーブルで同じものを食べて過ごす時間が持てると良いなと思っています。
香港ではファミリーディムサムをしている風景をよく見かけました。自分に子どもがいなかったころは「毎週集まって大変だろうに…」と傍目で感じていましたが、親となった今は少し見方が変わってきた気がします。
香港人の長寿の秘訣にも関係がありそうですね。
食べること。生き存えるために日々欠かせないもの。
長々と書き連ねましたが、一番大事にしたいのは一緒に同じものを食べて美味しいね、をシェアすること。
食事の時だけでなく子育て全般に言えることかもしれません、子どもと同じ時間を過ごすことって大切だなと今回の自粛生活中に改めて感じました。
特別な何かはなくとも、ここでいつも見ているよ、という安心感も伝えたいなと思ってしまうのは親のエゴかな。
まだまだトライアンドエラーですが、「おいちー!」と言ってくれる今この時を、私にとっても子どもにとっても豊かな時間と噛みしめながら過ごしていこうと思っています。
今日も息子に感謝!

筆者プロフィール:  砂賀美希
日本、シンガポール、香港でモデル活動の後、2018年7月に第一子を出産。オーガニック好きが高じてイベントのゲストスピーカーや自身でWSを開催。妊活中に漢方と出会い、現在中医薬膳師の勉強中。

 

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