2021/10/12

今回はわたしが語らねばならないもう一つの「香港」ーーわたし的香港おっさん愛ーーについてです。
タイトルだけ、最近香港内で大旋風を巻き起こした「大叔的愛(香港版おっさんずラブ)」にちなんでいますが、ドラマの話ではないのでごめんなさい(笑)。もちろん放映は毎晩寄り道もせず帰宅し、しっかりと最終話まで見ました。今更ながら初めて話題のMIRRORというアイドルグループの事を認識したのと、素敵なオジ様との恋模様、そして香港ローカライズされた本ドラマは、笑いあり涙ありと、とても素晴らしい内容でした。

*「大叔的愛」出典元:ViuTV 今では日本でも視聴が可能とか。ぜひチェックして見ください。

では本題に! これまで6回に渡ってわたしなりの香港のこだわり等を紹介してきましたが、香港生活をより豊かにしているのは、街にいる愛らしく輝いているおっさんたちの存在です。ここでは愛着を込めて、あえて「おっさん」といわせてください。
まず、なぜ香港のおっさんなのか? きっかけは映画でよく見かける林雪(ラム・シュー)という俳優に出会ってから。いろんなジャンルの映画に絶対出てくる名脇役で何をやらせてもピカイチ! ビジネスマンや刑事、チンピラやミニバスの運転手、時には猫や犬にまで!? と街とストーリーにきれいに馴染んでしまう方なのです。もちろん主演俳優もとてもかっこよいので、その方を目当てに見ているはずが、気がついたら林雪ばかり注目していました。

*林雪  どんな役でも演じちゃう名バイプレイヤー! 映画「PTU」ではダメ刑事がとてもハマり役でした。ロケ地:今はなき中國冰室にて 出典元:香港01

そんなきっかけから、わたしのライフワークでもある香港の街並みの写真を撮る際には、必ずおっさんたちに入ってもらうことにしています。今では少なくなってきている古き良き時代の建物や街並み、その場所で働くおっさんとの融合がとっても魅力的なものになるのです。たまに気になって話しかけてみると、みなさん快く質問に答えてくださり……と、ここでは書ききれないほど面白い出会いがあります。
つらつらと書いてみましたが、それでもなぜ? と言われると説明が難しいのですが、一定の理解は得られなくともこのまま語って行きたと思います。

*ラマ島の名物おっさん、相棒と飲茶中です。

毎日、彼らを目で追ってしまう癖がついてしまい(傍から見るとちょっと怖いですが(苦笑))、常にシャッターチャンスを窺っている自分がいます。観察してみると面白いもので、不器用でせっかちだけど愛嬌たっぷりの方や寡黙で職人気質の方、奥さんと仲良く手をつないで歩いている方や、トラムの中で携帯5,6台を自作のボード? に乗せてポケモンGOにいそしむ方など、狭い香港内でも場所によっていろいろなおっさんの姿とドラマを見ることができます。一つひとつの行動がチャーミングで時にゆるーく、時に熱かったりする、自由気ままなおっさんたちの姿は、わたしにとっては香港エキスを貰っているといっても過言ではないくらいです。顔なじみのおっさんも増えましたし、一期一会の会話をすることでもより日々を楽しく過ごせるようになりました。

これまでに出会ったわたしの萌えるおっさんたちの行動を以下写真と共にご覧下さい。

*上半身裸またはお腹だけ出して過ごす。

*公園などに皆で集いボードゲームをしている休日の午後。


*道端で居眠りしちゃってたり。

*背中で語ってたり。

*自分のお店でくつろいでたり。

*一息つきましょう。

と、数え切れないほどたくさんあります。

最近では、おっさん愛にまったく共感してくれない友人の一言「そういう“愛するおっさんたち”は日々どんな話をしてるの?」がきっかけで会話にも注目してみることにしました。こちらでは「吹水(チョイソイ)=雑談、世間話」といい、それこそ日本でもよく見かける光景だとは思います。広東語の勉強も兼ねて朝の飲茶時、ちょっと一息下午茶で、そして一日の終りビール片手に大排檔でと耳を澄ましてみると、面白い会話が聞こえてきます。わたしの聞き取れる範囲ですが、話の内容は、天気、健康、中国香港の歌手、競馬、今日の仕事、株、エッチな話、時に食事時奥さんと思われる方に皆の前でめちゃくちゃ怒られていたりと毎回エキサイティングな場面に出会うことが多いです。また皆さん気にせずなのか、大声でしゃべって豪快に笑って……という全員ハッピーな感じも伝わってきて、こっちまでつられて笑ってしまう時があります。

広東語の低めのサウンド(声のトーン)と特有の「〜ラー!」という語尾を聞いているのがとても心地よく、好きなので、おっさんたちの会話はいつまでも聞いていられます。

*猫船長とおっさん。

最後にエピソードをひとつ。よく行く茶餐廳である日、初めて見かけるおっさんが頼んだ「炸猪扒(ジャージューパー)揚げポークチョップ」が揚げたてではなかった(明らかにつくりおきだった)ようで、そのおっさんがおばちゃんにクレームを入れました。食が大事な香港だからちゃんと言うんだなぁと思っていたら、おばちゃんに言い負かされてしまう場面に遭遇。わたしがそれをぼーっと眺めていたら「絶対頼むときは揚げたてをオーダーした方がいいからね」としょんぼり気味に声をかけられたので一人悶絶しておりました。
そんなこんなで、これからも楽しい出会いを期待して街へ繰り出そうと思います。皆さんもおっさんの可愛らしさを発見してみてはいかがでしょうか。
(敬称略)

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プロフィール

wm_Journal

初香港は1996年の返還前。時を経て数年前から香港にどっぷりハマり、2020年から思い立って単身移住。コロナの最中も自己満レベルの広東語と陽気なノリで思い立ったら即行動をモットーに楽しく港活中。趣味は香港映画を隅々まで見る事と旅行とバスを終点まで乗ってみること。日々の香港をinstagramにアップしています。

 

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1 件の意見

  • Nobuko Kamiya より:

    いいですね~おっさん、私は娘(当時高校生で初めての香港)とトラムに2Fの最前線に乗っていたら、おっさんが向かい合わせに、娘に向かって、広東語の大声で指差ししながら、街を説明している^^。わっ・・・・思わず、私の顔を見た娘、目で合図したら、ちゃんと分からないなりにも、おっさんが指差しする方向を見てはうなずき、カメラを構えて撮影しはじめて、何度もうなずいていました。初めての香港、固定観念があってアジア・・・日本が一番進んでいると思っていた娘は、地下鉄の中で英字新聞を読むおっさんや、国籍関係なく、一生懸命案内するおっさんに影響され「ママ、ママ、凄いよね。英語も読めたり全く分からない広東語なのに、一生懸命案内してくれたんだよ」それから、帰国した娘は、香港のおっさんの影響で、英語も一生懸命頑張らないと!って、頑張ってくれました。香港に行った事で、見習う事沢山あったようです。香港との出会いは彼女の人生を変えるきっかけになりました。おっさんに感謝!

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