2023/08/05
みなさん、こんにちは!
今回の「Old Hong Kong in Colour (彩られ蘇る香港今昔)」は、台風シーズンに知っておきたい香港の歴史——約100年前の1926年7月19日に香港を襲った記録的集中豪雨についてです。
「Old HK in Colour」の写真を見る前に、その日の状況を把握しておきましょう。
以下の解説は、香港天文台のページ「1926 年的驚人暴雨 (hko.gov.hk)」を参照しています。
1926年7月18日(日)、広東省汕頭に上陸した台風の影響で、香港は深夜から雨が降り始め、翌19日早朝に最も激しい暴雨となりました。午前4時頃に1時間の雨量が100.7ミリを記録。午前1時から午後1時までの12時間の総雨量は526.7ミリで、これは現在でも最高記録となっています。 豪雨に加え雷にも見舞われました。深夜から朝にかけて、人々は不安と恐怖の中で過ごしたことでしょう。雨は正午すぎに徐々に収まっていきました。
この豪雨により、 香港島、ピーク、九龍のビジネス街で土砂崩れや洪水が多発。多くの道路が冠水、通行止め、流失し、ピーク・トラムは1週間運行を停止することになりました。洪水は家屋や倉庫にも押し寄せ、深刻な被害をもたらしました。
香港島の薄扶林(ポックフーラム)では重さ約3,000トンの巨石が落下し、工場が押しつぶされ、作業員4人が犠牲となりました。 現在の九龍公園の敷地内にあった軍の兵舎では、インド兵が落雷で死亡。 また、洪水で流され、各地で行方不明者もでました。
香港天文台のデータでは、1884年から2022年における1日の最大降水量ランキングの中で、この日1926年7月19日の534.1ミリが1位となっています。しかも2位とされている1886年7月15日の342.3ミリとの数量差を見ると、いかに恐ろしい豪雨だったかが分かるでしょう。
参考ページ:「最高日雨量的排行(1884年 – 2022年)」香港天文台錄得的氣溫及雨量排名(全年) (hko.gov.hk)
この歴史から、台風が去った後の雨にも十分に注意、警戒が必要だということが分かります。
※ iPhoneのiOS15以降のSafariでは、プライバシー保護機能のため、下のインスタ画面は表示されません。他のブラウザでご覧ください。
1926年7月19日、中環(Central)の様子です。街全体が浸水しているのが分かります。また、写真右端に写っている真っ黒のビルは、同年1月1日に大火災があった香港ホテル(香港大酒店)です。
この投稿をInstagramで見る
灣仔(Wan Chai)の現在「藍屋(Blue House)」と呼ばれている歴史的建築がある石水渠街(Stone Nullah Lane)の写真です。道路が大きくえぐれるほどの水の勢いだったことが分かります。
この投稿をInstagramで見る
香港島、石塘咀(Shek Tong Tsui)の山道(Hill Road)。被害後の復旧作業が行われているようです。
この投稿をInstagramで見る
3枚目と同じ場所で、違う角度から見た写真です。水が流れるアニメーション加工もされています。現在の写真と並べて見ることによって、より被害の様子を具体的に考えることができます。
この投稿をInstagramで見る
Hong Kong LEI (ホンコン・レイ) は、香港の生活をもっと楽しくする女性や家族向けライフスタイルマガジンです。
コメントをありがとうございます。コメントは承認審査後に閲覧可能になります。少々お待ちください