2025/01/12
Mirror の世界ツアーで華やかに幕を開けた2024年もあっという間に終わり、2025年が始まりました。年末年始はMirror関連のイベントが目白押しでしたが、12人が全員揃っての2024年最後のイベントは12月20日に行われた「CHILL CLUB Thai Pop Festival Event 2024」でした。これは香港とタイの人気ミュージシャンによる夢の競演。Mirrorが出演するだけでも嬉しいのに、なかなか触れる機会のないタイの音楽シーンが楽しめるという魅力付き。さらにこのイベントにはもう一つのアトラクションがありました。このイベント自体が、開発中のカイタックエリアに新たにオープンするイベント会場のテストだったんです。
写真左から、
1: Kai Tak Arenaへの入口。隣はショッピングモールなので、利便性高し!
2: コンサート会場内。全てがブランニューでピカピカ。シートもゆとりあり。
3: 会場入り口からの風景。空港だった面影は全くなし。
Credit: @hunghom_linda_qedan
「チケット購入に大枚はたいた上、テスト材料にされるとは! 」と息巻く人もいましたが、こんな経験なかなかできるものではありません。できたてほかほか、ピカピカの会場でわたしたちの挙動をメモする政府の役人なんて今後、見る機会もないでしょう。鏡粉たちの生態が正確に記録され、会場運営の改善に反映されれば会場が鏡粉好みにカスタムメイドされるはず……という希望的観測を抱きつつコンサートに挑みました。実際は駅から会場への誘導、会場内での移動もスムーズで問題なし。会場内には無料のウォーターサーバーが設置されていたり、カフェやコンビニが充実していたり、トイレも待ち時間なしだったりとかなり満足度の高いものでした。アクセスも駅から徒歩10分程度、ショッピングモールが隣接しているのもポイント高し。反面、致命的な問題は音響で、こちらの方は本番のオープニングに向けて、かなりの改善が必要かなと感じました。
今回の会場「啟德體藝館(Kai Tak Arena)」は着々と開発が進む旧啓徳空港跡地につくられた「啟德體育園(Kai Tak Sports Park)」の一部で、1998年までは香港国際空港として、世界中から飛行機が降り立っていた場所。この空港はスケジュールの過密さと、住宅地に隣接しているという立地の特殊さで知られていました。その昔、民家をすり抜けるようなランディングを経験したという方も多いのではないでしょうか。
写真左から、
4: 2024年、鍛え上げられたボディーを披露し大ブレイクしたStanley(邱士縉)。
5: 一昨年のケガも完治し、2024年は大好きなバスケも復活したKeung To(姜濤)。
6: Lokman(楊樂文)は主演の人気ドラマ「IT狗2.0」が2025年に放映予定。期待。
Credit: @mimomokumo
ちなみに、この「啟德(カイタック)」という土地の名前はそもそも啟さんと德さんという2人の香港人の名前からとったもの。この啟さんの本名は「何啟」。香港と英国で学び、医師免許と弁護士資格を取得したデキる男。その明晰な頭脳である時は弁護士、ある時は医師、さらにはビジネスマンとして、英国占領時代の香港の歴史に度々登場する人物です。そんな彼が嫁婿のひとりである德さんと1912年に「啟德営業有限公司」という会社を興したのが「啟德(カイタック)」という土地の名前の由来。九龍湾に面した今のカイタックエリアを埋め立て、開発することが目的でした。しかしながら5、6年埋め立てをした時点で事業は失敗。会社は清算され、土地と埋め立て作業は政府によって引き継がれました。
その後、この土地は1920年代に空港として使われるようになり、1940年代の日本占領時代、軍用空港として利用されるという経緯を経て、わたしたちが懐かしいと思い出すカイタック空港(香港国際空港)に姿を変えました。
写真左から、
7: 石垣島で撮影したMVのHey Hey OKが大ヒットしたAnson Lo (盧瀚霆)。
8: 主演の舞台劇「一樓一會」は連日満員御礼。活躍の場を広げたAlton(王智德)。
9: 2024年も変わらず妹を溺愛。年末には初の自作曲を発表したEdan(呂爵安)。
Credit: @mimomokumo
そんな歴史を持つ空港が再開発されている訳ですが、ここで興味深いのは何啟さんのビジョン。1912年当時の彼の計画はこの土地に「庭園のような住宅地を建設し、住宅やレクリエーション施設などを整備して、個人に賃貸する」事だったのです。これらは正に2025年、100年ほどの時を経て、空港として利用されていた過去をも経て実現していることではありませんか! これは単なる偶然なのか、何啟さんが卓越した未来ビジョンの持ち主だったのか。2024年年末、何啟さんは、天国からMirrorのコンサートを見ながら自分の夢が100年越しに実現したとご満悦だったかもしれません。
何啟さん、あなたの夢を実現を、Mirrorは華々しく飾りました!
そして、2025年も宜しくね、Mirror!
紅磡リンダ(ほんはむ りんだ)
20年にわたる英国生活、広告代理店勤務、編集者稼業に終止符を打ち、2019年に香港に移住。
移住とともに人生で初めてアイドルに目覚め、Mirror 沼に沈没。沼から鏡(ミラー)越しに見える、新しい香港を発見する毎日を送る。
Instagram 紅磡リンダ【星版】hunghom_linda_qedan
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