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2025/08/06

早いものでこの連載を始めてからもう3年。香港のボーイズバンドMirrorを日本に広めたいという意図で始めたこの連載、初回は2022年7月1日。コロナの流行が一段落したものの、規制はまだ一部残っていた時期でした。当時は面倒だった毎朝の抗体検査すらなんだか懐かしく感じる今日この頃。果たしてわたしの目的は果たせているのでしょうか……? 

 

そこでこの夏一時帰国の際に、わたしの成績表、もとい進捗を調べることにしました。「日本の日常生活の中で、Mirrorに関することを発見できるか」という検証です。日本滞在中、自発的にMirrorに関することを探し求めることを禁じたのですが、実は滞在先が横浜中華街という香港にゆかりある場所だったので、楽観視していました。ところが結果は「×」。一週間経過してもMirrorの情報に触れることはありませんでした。それどころか今回は「7月5日に日本で大地震がある」と噂されていたせいか、街で聞こえる外国語の中に広東語の響きもなく、中華街で目に付くのは台湾のお店ばかり。テレビで宣伝されていた映画のタイトルに「九龍」の名前が入っていて目を輝かせたら、撮影場所がなぜか台湾で、香港とは関連が薄い映画だということが分かったり。現在の日本では大好きなMirror、それどころか香港が目立ったプレゼンスがないという寂しい結果でした。 

横浜中華街 

そんな中で香港関連ニュースと言えば、やっぱり映画《トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦》。いうまでもなく、日本で大人気を博している香港映画です。この作品は書店などでも特別に陳列されていたり、原作者を招聘してトークが行われたりと、日本の公開から半年が経過した今も、人気は衰えていないようです! 

嬉しい点は、こういった特設コーナーで、香港に関連した書籍をまとめて展示している点。香港の文学作品や、映画、建築、グルメ情報本やガイドブックなどなど、香港文化全体に興味が広がるような仕掛けを作ってくれているんです。 

横浜市内の書店の特設コーナー 

このように魅力にあふれたディスプレーは、《トワイライト~》をきっかけに香港に興味を持った人たちをガッチリとらえてくれそうです。中には関連が薄い書籍まで《トワイライト》くくりにされていて、ほほえましく感じることもありました。そうそう、映画《スタントマン 武替道》(原題:武替道)も日本上映が始まりましたが、こちらの宣伝文句にも《トワイライト~》が引き合いに出されることが多いようです。きっかけはどんな形でもよいのです、香港の文化に興味を持つ人が増えますように。引き続き、香港文化への入り口としての《トワイライト》のパワーに期待大です! 

 そしてもう一つの入り口として急上昇してきたのが香港のガールズグループ「Lolly Talk」。なんと彼女たちは8月初旬に日本に上陸。東京で開催されたアイドルイベントに出演を果たしたんです。 

Lolly Talk《數到十》#10Count Official Music Video 

8人組の彼女たちはMirrorと同じオーディション番組「全民造星」出身。青春の甘酸っぱさをポップなメロディーに乗せた曲がとても似合う、フレッシュなグループです。代表作の《三分甜》はキャッチーなフレーズとキュートな振り付けで大ヒット。Mirrorの副隊長アンソン・コン(江生※)が振り付けを照れながらコピーしたり、イーダン・ルイ(呂爵安)がコンサートで彼女たちの歌をカバーしたり。そうそう、アンソン・ロー(盧瀚霆)の《Hey Hey OK!》のリリース時にLolly Talkダンス・チャレンジをしたり、ということもありました。今回、Tokyo Idol Festivalに参加した彼女たちは歌だけでなく、流暢な日本語も披露していました。今後、日本でもファンをがっちり獲得して香港が誇る音楽文化、「広東歌」を日本に広めて欲しいと願っています。 

Lolly Talk《六度相隔理論》 Six Degrees of Connection Official Music Video 

まもなく開催される大阪アジアン映画祭では「特集企画」として80年代と現代の香港映画数点が上映予定。中でも注目は名優ジェー・クワンホウ(謝君豪)主演の《浅浅歳月》。彼の熟練の演技とともに特筆すべきは、原作者である謝淑芬の情熱。彼女自身が経験したストーリーを映画にするために60歳から脚本を学び、自宅を売却して映画製作に充てたというから驚きです! アクション映画だけではない、人間の愛情の機微と人生を細やかに描いた作品も香港にあるのだということを日本に広めるにはピッタリな作品。大いに期待です! 

  

これらの素晴らしい香港の作品、アーティストが日本でももっと認知されますように。そして香港ファンがもっと増えますように。そしてもちろんMirrorの認知度も高まりますように。 

 


紅磡リンダ(ほんはむ りんだ)
20年にわたる英国生活、広告代理店勤務、編集者稼業に終止符を打ち、2019年に香港に移住。
移住とともに人生初めてアイドルに目覚め、Mirror 沼に沈没。沼から鏡(ミラー)越しに見える、新しい香港を発見する毎日を送る。現在、大学院生として香港の歴史(特に映画の歴史)を学んでいるが、そのきっかけがMirrorだったことは、教授には内緒。

Instagram 紅磡リンダ【星版】hunghom_linda_qedan


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