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2026/04/07

西九文化区のFreespace「The Box」で、この春、新しい舞台『Snowmelt – Immersive Story Theatreが幕を開ける。動物と自然を愛するアーティスト集団ALANとWestK Performing Artsが共催するこの作品は、Freespaceという場所らしく、会場の中心から観る観客の周りでストーリーが展開する。時として観客が自由に歩き回りながら映像、音楽、ダンスを鑑賞できる没入型の体験型舞台だ。舞台は雪山に生きる五つの動物家族(スノーモンキー、オオカミ、ハゲワシ、ヤギ、ユキヒョウ)の物語。彼らの生き様を通して、わたしたちが不確実な世界でどう適応し生きてしていくのかを重ね合わせることになるだろう。

この作品は、キャンペーンディレクター兼共同芸術監督のアニタ・ラム、共同芸術監督/演出/共同振付のイヴァンホー・ラムに率いられ、香港を拠点とする非営利団体ALANによって制作される。ALANは、芸術と革新的テクノロジーの融合を通じて、動物福祉と環境危機に取り組むことを使命としている。アニタ・ラムが語る「希望としなやかな生き抜く力(レジリエンス)の物語」という言葉は、舞台全体のテーマを象徴している。


表現者Hikaru 

今回、公演に先立ち、佳境のリハーサルに入れてもらえる機会を頂いた。その中で、雪山に吹雪く風を表現するダンサーたちの舞踏ともアクロバットとも見える身体表現に驚きつつも、本番では観客は会場の中心から観ることになり、360度の巨大な映像投影や音響が重なり合うとのこと。聞いただけでもワイルドなパフォーマンスになりそうな予感がする。国籍の違うダンサーたちの中に日本人の姿があった。国際的に活躍する新進気鋭のダンサー兼表現者のHikaru Kawasaki (川崎晃)だ。

現在26歳の彼は、共同芸術監督/演出/共同振付のイヴァンホー・ラムに、インスタグラムから発見されたそう。Hikaru曰く「好きなことをやっていたらフォロワーが増えて色々なところから声が掛かるようになった」そうだ。現在44万4千人のフォロワーに支持され、皆が彼の体の動きや活動に釘付けになっている。

リハーサル後に、お話を伺ったのでシェアしよう。

Hikaru  (2枚とも左)

ー迫力ある身体の動きにびっくりしました。

Hikaruさん「昔は器械体操をやっていて、体操以外のアクロバットに興味が出て、大学から違うアクロバットやブレイクダンス、テコンドーなどやって、そこにコンテンポラリーを混ぜた、好き放題ダンスをやっています(笑)」

ー振付家のイヴァンホー・ラムさんがHikaruさんをInstagramで発見したとか。

「そうですね。今回のようにInstagramからいろんな人と繋がったりできています。 自分にとってのダンスは心を落ち着かせるものだったり、リフレッシュするものです。 それをもともとは自分のためにやっていたんですけど、僕が興味のある活動としては、ファッションやアートに、ダンスをもっと混ぜ込んで自分なりのかっこいい空間を作れたらなと思って、そういう人と繋がれるようにInstagramを毎日投稿しています」

キャンペーンディレクター兼共同芸術監督のアニタ・ラム(左から2人目)、共同芸術監督/演出/共同振付のイヴァンホー・ラム(左端)、Hikaru (右から4人目)

ー今回のようなディレクターがいて振付家がいるパフォーマンスは、Hikaruさんにとってはどういう位置付けですか?

「自分的には全部メインみたいな感じで、あまり区分けしていなくてモデルとして動いたり、こういうパフォーマンスで踊らせていただいたり、あまり決めずに心地良いことをしています。自分の作品と、皆んなで作る作品をしっかり分けてやりたいなと思っています」

ー紐のない靴で踊っていらっしゃってびっくりしました。

「この靴は僕が大好きな靴で、とても踊りやすくて最高なんです。紐がなくても決して脱げません(笑)」

ーまだいらっしゃって1週間だと思うんですが、香港の印象を教えてください。

「初めての香港なんですが、シンプルに感動ですよね。街とか食べ物とか人とかいろんなインスピレーションをもらっています。女性の年齢にとらわれないファッションも興味深いです。あとエビの蒸し餃子(蝦餃:ハーガウ)や、ゆでた野菜の芥蘭(ガイラン)が好きです」

ー香港の後はパリでの公演が控えていますが、今後の目標は?

「いろんな国に行って、いろんなものを見るのが一番楽しいので世界中飛び回りたいです。もうひとつは、ランウェイやファッションの文脈の中に、もっと融合できるダンスやアクロバットみたいなものを良い形で確立させたいですね。それが自分のハッピーシェアなイメージなので、ワクワクしながら動いてます」

ー最後に、読者の皆さんにメッセージを!

「国籍の違うもの同士が何か一つのものを助け合いながら一緒に作るのはとても大事なことだと感じています。今回のような作品に出演させてもらうと、勉強にもなりとても刺激的で、この作品に携われてシンプルに楽しいし、皆と力を合わせて作れて幸せなだと感じます。ぜひ皆さんにも体験しにきていただきたいです」


自分の好きを追求し、自分の世界を大事にしつつ、香港で舞台作りに貢献する彼の真摯な姿が印象的だった。

舞台『Snowmelt』は、雪山に生きる動物たちの物語を通して、わたしたちに「生きる力とは何か」を問いかける。しなやかな生き抜く力とは劇的な勝利ではなく、静かな持続であることを示す。この舞台がどのような雪山に響く生命の物語を見せてくれるのか、ダンサーたちの表現力と共に、期待と想像が膨らむ。

 

 Snowmelt – Immersive Story Theatre
会場:The Box, Freespace, WestK

▶︎パフォーマンス(1時間:休憩なし)
チケット:スタンダードチケット HK$380
学生、シニアチケット:HK$190
その他家族パッケージのチケット各種あり。

公演:
4月10日(金)20:30*
4月11日(土)14:00, 17:00, 20:30*
4月12日(日)14:00, 17:00, 20:30
*は舞台後にアーティストトークがあります。

英語のナレーションに中国語のサブタイトルが付きます。

詳細:https://www.westk.hk/tc/event/funfest/snowmelt

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