2020/01/12
「蠔油冬菇炆豬肉 」
(ホウ ヤウ ドング マン ジューヨック)
豚のバラ肉オイスターソースうま煮
日本のおせちの元祖、欠かせない一品は、お煮しめではないでしょうか。家庭により味が違ってお正月前に台所から根菜類を煮ている時の香は、お正月の香として覚えている人も多いのでは?
お煮しめとは、煮汁がなくなるまで時間をかけてじっくりと煮る料理法で、香港も似たようなお煮しめ料理があります。
「豚のバラ肉オイスターソースうま煮」は、旧正月に良く登場する香港の家庭料理です。かつて冬菇(ドング・どんこ椎茸)は中華料理では、高級食材として欠かせないものでした。人工栽培がある前、すべてのどんこ椎茸は天然のものしかなかったので、現在なら松茸のような存在でした。旧正月に一番贅沢な物を食べるのは、香港の食文化です。旧正月が近づいてきたら、みんなの台所から似たようなどんこ椎茸の匂いが漂ってきます。より贅沢にするなら「髪菜」(ファッ チョイ=中華もずく)も入れて煮ます。「髪菜」の発音は「発財」に近く、「発財」とは畜財(財をなす)という意味で、香港では縁起物として旧正月によく食べられます。
バラ肉は脂肪が多いのでゆっくり煮て脂肪を出し、いったん冷やして固まって脂肪を取り除くと油っぽくなく食べられます。さらに、活性酵素がある伝統日本調味料の『ひしお』で下味しておくと、酵素で脂肪を分解され、食後の胃もたれを軽減できると言われています。(ない場合は塩麹などで代用も可能です!)
作るポイント: 干し椎茸は冷蔵庫で長時間つけて戻す過程で香り成分(レンチニン)が沢山でき、味成分(グアニール酸)がゆっくり抽出され、干し椎茸がよりおいしくります。 |
材料 (4人分) :
豚バラ肉 400g~500g
活性酵素ひしお 1大さじ
どんこ椎茸 25g
水 300g
どんこ椎茸の下味【A】
甘麹(なければきび砂糖½ 小さじ) 1小さじ
塩麹(なければ醤油½ 小さじ) ½ 小さじ
生姜汁 ½ 小さじ
胡椒 少々
片栗粉 1小さじ
油 1小さじ
生姜(つぶして) 20g
大蒜(つぶして) 20g
合わせ調味料【B】
無添加オイスターソース 1大さじ
醤油 1小さじ
甘麹(なければきび砂糖1小さじ) 2小さじ
塩麴 1小さじ
胡椒 少々
紹興酒 1大さじ
どんこ椎茸の戻し汁 200g
下ごしらえ:
1. 豚バラ肉を大き目の一口サイズで切る。ひしおで下味する
2.干ししいたけはサッと水洗いして、小さいタッパーに入れ軸を下にして笠が被る程度の水を入れ、落とし蓋をし、一晩冷蔵庫にいれて、戻す。笠の中央を指先で押さえ柔らかくなったら水気を絞る。戻し汁はキッチンペーパーを載せた網に通して濾し、取っておく。
作り方:
1. 戻した干ししいたけを片栗粉を少々使って揉み洗いし、細かな砂など取り除く。どんこ椎茸の下味【A】をして30分おく。
2. 鍋に分量外のサラダ油1大さじを入れ弱火で生姜と大蒜を香がたつまで炒める。中火にして、豚肉を炒める。色が変わったらどんこ椎茸を入れ、強火に変えて、紹興酒を加えて少し混ぜたら、合わせ調味料【B】を入れる。材料がすべて絡んだら、どんこ椎茸の戻し汁を入れ、沸騰したら落し蓋をして、中火で汁が⅓になるまで煮詰める。
無添加のオイスターソースは、テイスティング・テーブル・ジャパンプレミアムで購入可能です。
雲姐(ワンジェ)
料理研究家。香港に生まれる。幼少期、平日は祖母、週末は料理が趣味だった父の手料理を食べて過ごす。オーストラリアへ移住を経て、結婚を機に日本へ移り20年以上。中国国際薬膳師、発酵食品ソムリエ、発酵ライフアドバイザーの資格を持ち、中華圏および日本の食文化への造詣も深い。現在は、日本の人々に香港料理を伝えるべく東京で活動中。
人在東京 Prime Kitchen Labo
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