2021/03/21
可楽鶏翼 (ホ ロク ガイ イェク)
コーラレモン照り焼きウィング
香港ではユニークな風邪対策法があります。それは『生姜とレモン入りホットコーラ』です。寒気を感じるくらい風邪の初期症状があったら、すぐ『*茶餐廳』に駆け込んで飲みに行くぐらい普通にどこでもあるドリンクです。 一般的な香港のローカルカフェでさえも(ちゃんとした病院じゃないところでさえも)様々な民間治療法の知恵が浸透しています。世界一長寿な香港ならではの状況です。
漢方では、確かに生姜は「寒邪」を払う効果があると言われていますが、「なぜコーラなのだろう?」という疑問はずっと前から持ってました。最近、クラフトコーラ:「伊良コーラ」が手に入り、裏の商品成分を読んだら、なんとなくなぜコーラが風邪に良いのか少しは納得してきました。伊良コーラの主な成分は コーラの実、クローブ、カルダモン、ナツメグ、コリアンダー、黒文字、山椒、などなど、たくさんのスパイスが入っています。香りが良いスパイスで、血行を良くするものがほとんどです。ラベルを読んだら、なるほどと思ってうなずきました。
そして、香港では知らない人がいないほど人気な家庭料理があり、子どもたちの誕生日パーティーでよく登場する一品料理でもあります。 それは「可楽鶏翼 (ホ ロク ガイ イェク)」(コーラの照り焼き手羽先)です。なぜ、コーラで手羽先を煮ることになったのか、その理由はどこにもハッキリ記録されていないですが、「残ったコーラを砂糖の代わりに照り焼きチキンにしたのがきっかけで、香港でヒットしたのではないか」と私は予想します。この料理の由来を知っている方がいらっしゃったら、ぜひ教えて下さい!
さらに、コーラは弱酸性の炭酸飲料なので、肉を一緒に煮込むと身が柔らかくなります。
今回は「生姜とレモン入りホットコーラ」と「コーラの照り焼き手羽先」のレシピを合わせ、風邪予防にもなり、肉は柔らかくなる一石二鳥での料理となるではないでしょうか?
*「茶餐廳」{チャチャンテン}(香港のローカルカフェ)
Tips: 伊良コーラは無添加なので様々なスパイスが入ってまして、スパイシー風味が豊な照り焼きに仕上がります。普通のコーラでも大丈夫です。
材料
(4人分)
手羽先………. 500g
日本酒………. 2大さじ
下味:
香港たまり醤油(老抽)……. 2小さじ
醤油 ……………………………… 2小さじ
塩麴 ……………………………… 2小さじ
(無ければ塩½小さじ)
胡椒 ……………………………… 少々
片栗粉……………………………….1大さじ
薬味:
生姜…………………………… 4-5枚(5g)
大蒜…………………………… 1片
青ネギ………………………… 5cm
紹興酒………………………… 1大さじ
コーラ:
伊良コーラ………………….. 200cc
(無ければ普通のコーラ)
レモンスライス……………. 3-4枚
<下処理>
1.ボウルに手羽先と日本酒を入れ、揉み洗いしたらキッチンペーパーでしっかり湿気を拭き取る。(香港ではよく冷凍手羽先が使われています。冷凍の手羽先なら、濃度1%の食塩水で30分ほど漬けこみます。)
2.下味の調味料を全部入れ、最低1時間漬け込む。(冷蔵庫なら、一晩ねかせても大丈夫です。)
3.生姜を皮剥いてスライスしておく。にんにくの皮を剥き、潰しておく。5㎝くらいの青ネギを一本用意しておく。
<作り方>
1.フライパンを熱し、分量外のサラダ油1小さじを加え、手羽先の表面を鍋に並べて中火で2分ぐらい焼いたら、ひっくり返し反対の面も中火で2分ほど焼きます。
2.手羽先はフライパンの外側に寄せて、中央にスペースを空け、分量外のサラダ油1小さじを足し、薬味を加え香りが出るまで炒める。香りが出たら紹興酒を鍋肌にたらしてコーラとレモンスライスを加えます。
3.蓋をして、中火~強火で汁が⅓ 残るまで煮詰めます。手羽先をお皿に盛り付けて、汁を掛けたら出来上がりです。
雲姐(ワンジェ)
料理研究家。香港に生まれる。幼少期、平日は祖母、週末は料理が趣味だった父の手料理を食べて過ごす。オーストラリアへ移住を経て、結婚を機に日本へ移り20年以上。中国国際薬膳師、発酵食品ソムリエ、発酵ライフアドバイザーの資格を持ち、中華圏および日本の食文化への造詣も深い。現在は、日本の人々に香港料理を伝えるべく東京で活動中。
人在東京 Prime Kitchen Labo
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