2022/11/15
鹹鮮
(ハム シン)
【香港郷土料理:取れ立て海魚の塩漬け】
香港の有名な料理「避風塘炒蟹 ベイ フォン トン チャウ ハイ」、蟹がおがくずに埋もれているように見える料理。初めて見る人はびっくりするかもしれない。そのおがくずになる材料は大量のにんにく、赤玉ねぎ、パン粉を全て細かくみじん切りして高温で揚げ、ふりかけ状にしたものである。それを蟹と一緒に炒め合わせて避風塘炒蟹の完成。
よくある誤解が、この料理が「香港仔避風塘(香港の地名)」の船乗りたち「水上人家」(スイ ション ヤン ガ) が食べていた海鮮料理だということ。
「避風塘」とは、船が台風や高波が起きた時に避難する場所。水上人家は船上で最低限の資源で生活しており、大量の油で火を通す作業は危険である。そのため避風塘炒蟹が水上人家に食べられていたとはほぼ考えられない。これは実際に水上人家の友人に確認した事実。
「水上人家」は普段は海から採りたての魚や売り物にならない小さな魚を短時間で塩漬けしてから千切り生姜を載せて蒸して食べる。仕上げとして熱した油をシュワッとかけるだけ。
非常にシンプルだが、滋味が深い味になる。
Tip: 魚の鮮度が大切なので、出来るだけ新鮮な魚を使うようにすることが理想。蒸す時に経木を載せてから蒸すと、魚の皮がお皿の表面にくっ付かずに魚を取り出しやすくなり、掃除もしやすくなる。 |
<材料>
小さいえぼ鯛……………………………….600g
塩………………………………………………..15g
千切り生姜……………………………………15g
サラダ油…………………………………1大さじ
<下準備>
■魚の鱗を取って、内臓も取る。3%の塩水で綺麗に洗ってから、キッチンペーパーで水気をきちんと拭き取る。
<塩漬け>
1.広めの皿の上に網を敷く。両面に塩をまぶした魚を網の上に二時間半放置する。魚から染み出す水分はお皿で受け取る。
2. 2時間半後に3%の塩水で魚の塩を洗い落とす。キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取る。
3. 皿の上に経木を載せて、魚を並べて、千切り生姜を載せる。蒸し器から蒸気が出て来たらお皿を入れて、蓋をして12分ほど蒸す。出来たら、熱したサラダ油をかけたら出来上がり。
*塩漬けした魚は、キッチンペーパーで包んで、ジップロック袋に入れたら、冷凍出来ます。
雲姐(ワンジェ)
料理研究家。香港に生まれる。幼少期、平日は祖母、週末は料理が趣味だった父の手料理を食べて過ごす。オーストラリアへ移住を経て、結婚を機に日本へ移り20年以上。中国国際薬膳師、発酵食品ソムリエ、発酵ライフアドバイザーの資格を持ち、中華圏および日本の食文化への造詣も深い。現在は、日本の人々に香港料理を伝えるべく東京で活動中。
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