2024/01/15


鮮蝦粉絲煲
(シン ハ ファン シ ボウ )
蝦と春雨の土鍋蒸し

香港の人たちは冬といったら「煲仔菜(ボウジャイチョイ)」です。おかずや、ごはんを土鍋に入れる料理を冬になるとよく食べます。わたしの実家はいつも自炊するので、家で「煲仔菜」を作るのが普通でした。
香港の気候は日本より暖かいのですが、室内では暖房がないため、冬は家の中がとても寒くなります。そのため、保温性が高い土鍋料理や火鍋が欠かせないのです。
実は、寒くなくても香港の料理はとても熱くして食べます。レストランで料理を提供する時、アッツアツの料理でなかったらお客さんがクレームを入れてしまうほど料理の温度には厳しいのです。親戚のおばさんがぬるい料理を出された時、不機嫌な顔をしたことを何度も見たことがあります。
香港料理の中には殻付き、骨付きの料理がすごく多いです。今回紹介する料理、『鮮蝦粉絲煲』(シン ハ ファン シ ボウ :蝦と春雨の土鍋蒸し)は殻付きのえびを使うことが基本です。香港人はたくさん殻付き、 骨付きのものを食べますが、食べたあとの殻と骨はどこに置くのでしょうか?

わたしが知っている限り、主に4パターンあります。
1. 『骨碟』(グァッ ディプ:骨や殻を置く専用の小皿)に入れる。
2. お椀を盛る小皿に入れる。
3. 白いビニールのテーブルクロスで覆われたテーブルの場合、テーブルクロスの上に直接載せる。
4. テーブルが新聞紙で覆われている場合、新聞紙の上に載せる。

1と2は高級レストランでよくある方法です。3と4は昔の香港の庶民レストランか家でご飯を食べる時です。食事が終わった後、食器を片付けてから、テーブルに置かれたゴミを一気に包んで捨てます。これは庶民派のやり方です。庶民派のレストランでは、忙しい時に食器をのせたまま、テーブルクロスを持ち上げて食器ごと「ガランガラン」と音をさせて洗い場に消えてゆくこともあります。
とにかく、香港の中華料理は骨付き、殻付きの料理が多いのです。鶏の骨をしゃぶることが好きな香港人は食事後のテーブルはカオスの状態になっている時もしばしばあります。それも香港の食文化の一つなのです。

 

Tips: えびは一旦火が通ったら取り出し、最後に土鍋の上に盛ります。

 

材料 (4人分)
殻付き蝦………………….8尾

春雨………………………….40g

豚のバラ肉………………….150g

千切り生姜…………………..40g

にんにく……………………..1片

黒胡椒………………………..1⁄4小さじ

調味料:

オイスターソース…………..2小さじ

醤油…………………………..1小さじ

ナンプラー…………………..1小さじ

きび砂糖……………………..2小さじ

ごま油………………………..1大さじ
水……………………………..100cc

三つ葉………………………1/2束

 

 <作り方>

1. 春雨を水に戻して、水をきってから8cmの長さに切る。
2. 蝦の殻はそのままにして、塩で揉み洗ってからペーパーで水気を取る。楊枝でセワタを取る。
3. にんにくと黒胡椒をみじん切りにする。
4. ボウルに調味料を入れて、3と1の春雨も加えてつけておく。
5. 土鍋に火をつけて、バラ肉、生姜、春雨、蝦の順にのせたら、水の半分を加え、ふたをして3分くらい蒸す。
6. 中身を一回混ぜながら、残りの水を足して、またふたをして、5分くらい蒸す。水分が飛んだら、三つ葉を載せて出来上がり。


雲姐(ワンジェ)

料理研究家。香港に生まれる。幼少期、平日は祖母、週末は料理が趣味だった父の手料理を食べて過ごす。オーストラリアへ移住を経て、結婚を機に日本へ移り20年以上。中国国際薬膳師、発酵食品ソムリエ、発酵ライフアドバイザーの資格を持ち、中華圏および日本の食文化への造詣も深い。現在は、日本の人々に香港料理を伝えるべく東京で活動中。

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