2019/05/14

 

「日本人に馴染みのある食材で香港家庭料理を作ろう!」油鹽水煮花甲*1
ヤァウ イム スイ ジュゥ ファ ギャップ
(香港漁師風 生塩麹のあさり酒蒸)

香港はイギリスの植民地になる前、広東省の小さな漁港でした。蜑家人*2とは香港の漁船の上で暮らしている漁師達の一つ集落の名前です。このような漁師達は家族全員、漁に行く時に最低限の食材を持ち出し、海で収獲したものを食料にしました。また、一番シンプルの調理法で漁船で食事を済ませていました。水煮*3は水で煮ることなので、イタリアンのアクアパッツァに似たような調理法になっています。シンプルですが、資源が限られた海の上での生活の知恵、シンプルなのに美味しい!このお料理はまさに香港の伝統的、元祖海鮮料理と言えるでしょう。

材料:

あさり    300g
日本産春雨  30g
三つ葉    20g
生赤唐辛子       20g (辛くないもの)
にんにく   2かけ
米油                  1大さじ
塩こうじ      1小さじ
胡椒                  少々
水                      300cc

 

下ごしらえ:

<p”>1. あさりを砂抜きする。 にんにくの皮を剥き,軽く潰す。春雨はパッケージの戻し方に従って戻す。赤唐辛子の種を取って、千切りする。

作り方:

1.油とにんにくを土鍋に入れ、弱火にし、キツネ色になったら、塩こうじ、胡椒を入れ、軽く炒めたら水を加える。
2.沸騰したらあさりを入れ、口が開いたら一旦火を消し、あさりを取り出す。春雨を入れ、中火で再び沸騰したら、三つ葉と唐辛子を入れ、あさりを戻して沸騰したら出来上がり。

 

おいしく作るコツ ⇒ あさりは開いたらすぐ取り出す。煮過ぎないこと。

薬膳の小話 – 三つ葉について
四気五味 : 辛味・平性
帰経 : 肝・脾・胃
応用 : 風邪による邪気を取り除いたり、風邪による咳を収める働きがあるそうで、 血流循環を良くさせ、滞っている血を流す効果があると言われています。

湿気が多い香港では特に5月から暑さと湿気が多くなり始めるころに辛味がある香味野菜を食べ、体を温めることにより体内の水分代謝を高め、湿気を汗として発散させ、体内が健やかになるように工夫をしています。

香港の小話
花甲は本来〝花蛤〞ファ ギャップ で書かれてあって、広東語の〝蛤〞と〝甲〞の発音は同じなのです。そこでだんだん 花甲と呼ぶようになりました。この料理の香味野菜は元々香港では唐芹*4を使うべきですが、香りを持つ三つ葉を使ってみました。日本の食材を生かして香港家庭料理を作るのは雲姐流です!
*1花甲 ファ ギャップ あさりのこと。
*2蜑家人 ダァン ガ ヤン とは: 香港の漁船で暮らしている1つの漁師達の集落の名前。
*3水煮 ソゥイ ジュゥ とは : シンプルに水で食材を加熱する調理法。
*4唐芹 トォン カァン とは: 日本の芹に似てる香味野菜、繊維は芹より硬い。


雲姐(ワンジェ)

料理研究家。香港に生まれる。幼少期、平日は祖母、週末は料理が趣味だった父の手料理を食べて過ごす。オーストラリアへ移住を経て、結婚を機に日本へ移り20年以上。中国国際薬膳師、発酵食品ソムリエ、発酵ライフアドバイザーの資格を持ち、中華圏および日本の食文化への造詣も深い。現在は、日本の人々に香港料理を伝えるべく東京で活動中。

人在東京 Prime Kitchen Labo

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