2024/02/10

こんにちは。沙季です。

5歳の息子と、フィリピン人ヘルパーさんと香港で3人暮らしをしながら、日本食レストランのメニュー開発をしているワーキングマザーです。

……というのが、前回までの自己紹介でしたが、

 

こんにちは。沙季です。

香港から地元仙台に移住し、実家で両親と息子の4人で暮らしています。

……というのが、今のわたしです。

 

帰国決定、その時息子は

さて今回は、アンティとのお別れと仙台での新生活のお話を少し。

この別れは香港を離れるにあたって一番寂しかった事でした。

わたしたち母子にとって、本当に家族のような存在でしたから。

七五三の写真にも写ってもらいました。

帰国を決めたこと、アンティとはもう一緒には住めない事を伝えた際息子は、

「うん!おっけー!」

とあっけらかんと返事をしていたのですが、

 

いざ引越しが終わり、がらんとした部屋を見るといよいよ実感が湧いたようで、

「なんでアンティは日本に連れて行かないの?かわいそうじゃん。」

と涙目で言い出しました。

一緒に日本に行けない理由を再度伝えると涙がこぼれないように我慢しながら静かに頷き、アンティのお部屋にハグをしにいきました。

 

どうしようもないことが起きた時、息子はぐっと自分の中で納得しようとします。

その姿を見ると頼もしい反面、たった5年しか生きていない人生の中、彼が乗り越えてきたことの多さを感じて胸が痛みます。

 

彼はどうにか気持ちを切り替え、でもずっとアンティの側にくっついて最後の時間を過ごしました。

わたしの方がダメでした。

思い出がありすぎて……。

 

思い出が走馬灯のように……

一度、寝不足と疲労にやられて彼女の前で泣いてしまったことがあります。

彼女は涙ぐみながら「マムはよくがんばっています。わたしは知っています。良い母親だしかっこいいです」と励ましてくれました。

どんな時でも穏やかに人に寄り添う彼女に何度も助けられたし、心から尊敬しています。

最後までアンティの側から離れない息子

小さくて大きな背中

さぁ、ついにお別れの時。

彼女にハグをして今までの感謝を伝えます。

わたしも小柄な方ですが、抱きしめた彼女はなんだか小さかった。

この小さな体で、フィリピンにいる子供3人を養うために1人香港で働いています。

わたし達との別れの後も彼女の香港生活は続くわけですが、

幸い我が家と同じようなご家庭が見つかり、実はわたしもお会いしたのですが、とても良い方で安心して彼女を送り出せました。

きっと彼女なら新しいご家庭でも愛されて過ごすでしょう。

お互いこれからも人生は続いていきます。

いろんな思いを込めて、

「元気でね。いつかまた会おう」

 

 

 

18歳ぶりに住む街。

新しい生活

あの日からもうすぐ2ヶ月。

わたしたち母子は今、仙台で生活しています。

世界観が違いすぎて、あれ? 同じ人生?

という感じですが、

ささやかな日常を楽しみつつ、今後に向けて生活を整えている最中です。

 

日本に帰ったらやりたかったこと

仙台は寒いので、息子にもこもこのジャケットを着せて自転車の後ろに乗せます。

たくさん着込んだ息子はぬいぐるみみたいで可愛らしい。

向かう先は図書館。

毎晩寝る前に一冊本を読むのがお決まりなのですが、香港ではなかなか日本語の本を借りる機会がなかったため、家にある本を飽きるほど読みました。

なので、日本に帰ったら図書館に行くのがささやかな夢だったのです。

「こんなに面白そうな本が無料で借りられるんだよ? すごくない?」

と声をかけると息子は「確かに! すげぇ!」と賛同していました。

そんな大満足の帰り道。

まだ夕方と呼ぶには早い時間なのに空には既にうっすらと月が出ていて美しい。

ひんやりとした風を感じながら自転車を漕ぎます。

後ろでは、息子がさっき借りた本を抱えながら鼻歌を歌っています。

 

帰宅したらすぐにお風呂に入り、冷えた体を温めます。あー気持ちいいー。

 

お風呂から出たら、ビールをプシュッとして夕飯の用意。

今日はあれを作ろうかな? お皿は何を合わせようかな?

なんだか気分が乗ってきたな。もう一品作っちゃおっかな。

なんて時間が楽しくて。

香港で購入した器や、好きな作家さんの作品などお気に入りは見えるように収納。このお皿にどんな料理を乗せようかな?とお皿から選ぶのも楽しい。

 

何をしあわせと感じるかは自分次第。

どんな人生を生きるのかも自分次第。

 

立ち止まったり、時には走ったり、ゆっくり歩いたり、来た道を戻ったりしながら、これからも一歩一歩人生を歩んでいこうと思います。

 

まだまだ香港について書きたいことがたくさんありますので、しばらくはこのままこちらのコラムでお世話になりますのでよろしくお願いいたします。

 

それでは今回も読んでいただきありがとうございました。

また次回もお待ちしております!

 


筆者プロフィール

大坪沙季(Saki Otsubo)

東京の大手料理教室で講師を5年程務め、
その後独立。妊娠出産を機に湘南へ移住し、
レシピ開発やフードコーディネーターとして活動。
2022年香港に移住。
某日系F&B Companyにメニュー開発者として所属。
息子とヘルパーさんと3人で暮らしながら仕事をしていたが、2023年末に仙台へ移住。
フリーランスでレシピ開発や料理講師、モダン金継ぎ講師などを行う。

instagram https://www.instagram.com/_sakioo_

コメントをありがとうございます。コメントは承認審査後に閲覧可能になります。少々お待ちください

意見を投稿する

Hong Kong LEI (ホンコン・レイ) は、香港の生活をもっと楽しくする女性や家族向けライフスタイルマガジンです。

Translate »