2024/01/05

2024年第一弾のHello from Editor は、潮州料理特集です!

みなさんは「潮州料理」をご存知でしょうか?

「潮州料理」は広東料理の一部を指します。

香港にも庶民的なお店から高級店まで、潮州料理店が街のあちこちにあるのですが、見ためが広東料理のイメージとかけ離れている(なにしろ、全体的に茶色い)せいか、日本人にはまだまだ認知度が低い印象があります。

潮州料理の特徴としては「① やさしい醤油味の肉煮込み(滷水) 海鮮類をふんだんに使う 魚醤、味噌、甘酢など付け合わせのタレが豊富 があげられます(超私見)。

辛い香辛料は多用しないので、日本人の舌に馴染みやすいお料理です。また、ストリートフードっぽさが垣間見えるのも、楽しいところです。

「超私見」潮州料理のイメージ

 

中環の中心でいただく、ストリート感覚のモダン潮州料理

今回、中環街市内に新しくオープンしたモダン潮州料理のお店「久両菜(グーリャンカイ)」で、潮州料理を体験してきました。ぜひ「潮州料理ってこんな感じなのね」とイメージを掴んでいただけたらと思います。

「久両菜」のインテリアは、1970年代のオールド香港が再現されていて、店内を見て回るのも楽しい。ストリートレストランの「大牌檔」スタイルを再現しています。
アクセスのよい中環街市のなかにあり、とてもカジュアルな雰囲気。潮州料理初心者や旅行者におすすめ!

 

前菜は潮州名物の「滷水」とベジタリアンな一品

前菜の定番は、「滷水(ローソイ)」。醤油ベースの汁に浸して煮たお肉の冷製です。豚、グース、鴨など、モツも含めて丁寧に煮込んでからスライスした、優しい醤油味の前菜です。お好みで甘いビネガーをつけるとさっぱりといただけます。

「久両菜」はモダン潮州料理ということで、高温で煮る従来の調理法ではなく、柔らかい食感を残す低温調理法を取り入れているのだとか。そのためか、とても軽やかな仕上がりでした!

鵝喔鵝喔鵝喔 Goose Platter (HK$ 428)
【左】滷水豬腩肉 Marinated Pork Belly(HK$168)【右】滷水鵝肝 Marinated Goose Liver(HK$ 168)

潮州料理は、モツを使った野生味あふれる料理がある一方で、ベジタリアン料理としても知られています。今回の試食では、柔らかい湯葉に自家製葱油をふりかけた「蔥油腐竹」が提供されました。主にお肉や魚介類など、豪勢なお皿が並ぶなかで、胃がホッとする一品です。

蔥油腐竹 Bean Curd with Scallion(HK$68)

 

牡蠣ケーキ! 生エビ! 馬友の魚飯!

さて次は、シーフード料理が得意な潮州料理ならではの3品です。

まず、一番ポピュラーなのが、「蠔烙(ホーロッ)」。香港では蠔餅とも呼ばれる牡蠣ケーキです。お店によって、オムレツっぽかったり、かき揚げっぽかったりするのですが、「久両菜」さんは後者でした。牡蠣たっぷりでビールのお供に最高です。

煎蠔烙 Pan-Fried Oyster Pancake(HK$168)

 

また、なんと潮州料理は、日本のように魚介類を生で食べる習慣もあるそうで、この日は生エビの潮州流マリネが披露されました。こちらは、唐辛子も入ってちょっとスパイシーです。これもまたビールのお供に最高。

また、「馬友(マーヤウ)の魚飯」も、魚介類を提供する潮州レストランでは定番の1品。塩を振って一夜干し状にした馬友(日本名はミナミコノシロ)を蒸し焼きにして、一旦冷やしてからいただくもので、「魚飯」とは「ご飯のようにもりもり食べちゃう」という意味から付いた名称なのだそう。

【左】潮州生醃蝦 Chiu Chow Raw Marinated Prawns(HK$298)、【右】馬友魚飯配鹹魚醬 Threadfin Fish with Salted Fish Sauce(HK$ 228)

 

オリーブ醬をつかったお肉料理、四川風のスパイシー煮込み

メインのお肉料理も、潮州料理ならではの技が駆使されていました。ひとつは、オリーブが原料の醬「欖菜(ランチョイ)」を使ったお肉料理。よく、四季豆のひき肉炒めに使われている、黒いダマのような醬、あれが欖菜です。日本の黒豚をカラっと揚げてあり、モダンキュイジーヌ感がありました。

欖角黑豚腩肉配潮州柑桔 Deep-Fried Pork Belly with Olive Vegetables and Chiu Chow Citrus(HK$ 168)

 

そして、エグゼクティブシェフのロナルド・シャオ(邵德龍)氏が直々にサーブしてくれたのがスパイシーモツ煮込み。シャオ氏は複数の有名レストランのプロデュースを手がける凄腕シェフで、元々は四川料理の出身ということで、スパイスへのこだわりを込めた一品なのだそう。

【左】ロナルド・シャオ(邵德龍)エグゼクティブシェフ【右】辣滷水豬雜 Marinated Mixed Pork and Offal (HK$ 288)

 

砂糖を振っていただく揚げ麺、素朴な味のスイート揚げ芋

文字量も限界ですが、潮州世界はまだまだ続きます。最後に締めのご飯のような、デザートのような2品をいただきました。

平たく揚げた麺を切り分け、砂糖と黒酢でいただく「糖醋麵」は、オールド潮州料理の定番。素朴な1品ですが、黒酢の効果でペロリといけてしまいます。

糖醋麵 Fried Noodle with Sour Sauce and Sugar(HK$ 128)

 

一方、食事の終盤にいただくのがひと苦労だったのが、タロ芋を砂糖でコーティングしたお菓子。こちらもオールド潮州料理スタイルのお菓子で大変素朴で優しいデザートです。

潮式反沙芋 Chiu Chow Style Sugar – Coated Fried Taro(HK$ 128)

 

実は、まだまだご紹介できていない潮州料理があるのですが、今回のご紹介はここまで。多様かつ、ほかにはないお料理を感じていただけたでしょうか。

中環街市1階の「久両菜」さんは、ランチセットもHK$78~とお手頃な値段で提供しているので、ディナーはハードルが高いな、と思われる方はランチがおすすめです!


久両菜 Gu Liang Cai 

Address: Shop 124-125, 1/F, Central Market, 80 Des Voeux Road Central and 93 Queen’s Road Central, Central, Hong Kong

Reservations & Enquiries:+852 2117 1919

Instagram:guliangcai.hk (https://www.instagram.com/guliangcai.hk/)

Opening Hours:  Monday to Sunday 11:30-16:30  17:30-22:00 (21:15 last order)

「久両菜」の店内

 

編集:深川

 

香港で食べられる潮州料理のお店リスト

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