2019/05/15


皆さん、こんにちは。今回からスタートする「楢橋里彩の香港的”1min時事トーク”」では、香港・中国経済やビジネス情報から旬の話題を取りあげ、分かりやすくお伝えしていきます。

1回目となる今回は「粵港澳大湾区(えつこうおうだいわんく)構想」をピックアップ。これは、中国の香港・マカオ・広東省珠江デルタの3地域をより統合されたビッグベイエリアとする構想のこと。世界三大ベイエリアの東京・ニューヨーク・サンフランシスコに匹敵する規模とするプロジェクトです。

今年2月、中国政府は「発展計画要綱」を発表しました。これは、2022年までに「国際的に一流の大湾区」としての基礎を構築し、2035年までに完成させるというもので、壮大な計画となります。4月には海外初のシンポジウムが東京で開催され、馬興瑞・広東省省長、林鄭月娥・香港特区行政長官、崔世安・マカオ特区行政区長官代理の陳海帆・行政法務長官、程永華・駐日中国大使らが出席。日本のビジネスマンらに構想を説明しました。

大湾区の珠江デルタ側には製造業などが栄えている広州、IT産業やスタートアップ企業が集結する深圳などがあります。こうした地域と“国際金融センター”である香港との連携を深め、インターネットやAIなどハイテク産業を活用した「新時代の先進的な国際経済圏」を目指し、整備を着々と進めています。

ちなみに、昨年開通した「港珠澳大橋」や「広州ー香港間高速鉄道」もプロジェクトの一環です。今後は香港にいながらにして、中国本土の銀行口座を作ることができるようになるなど、それぞれのエリアのメリットを融合させることで、まさに“世界最先端の地域”になる可能性が高くなります。林鄭長官は特に日本のハイテク産業や高齢者サービスに注目しており、日本企業の中国本土・香港への進出、投資を積極的に誘致しています。香港に住んでいる私たちも大湾区の発展による恩恵を受けることでしょう。今後の発展に目が離せません。


楢橋里彩
福岡県出身。学生時代よりNHK番組にてバイリンガル学生リポ―ターに。NHK宇都宮局キャスター、ディレクターとして携わった後、2007年より中国・大連にある大連電視台(国営テレビ局)にて日本人アナウンサーとして2年間勤務。2009年より香港へ移住。現在は、香港から香港・中国のニュースを毎日発信している「日刊香港メールニュース」の記者として日々のニュースを追いながら、企業トップインタビュー、司会、講演など幅広く活動中。
ブログ http://nararisa.blog.jp/
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