2020/05/15

 

新型コロナウイルスが流行り始めたころに、大学で講師をしている友達が長洲島に引っ越したと聞きました。

お宅に伺う時、友達が長洲歴史散策を紹介してくれました。昔の病院や古い寺院を訪れたので、今日はHong Kong LEIの読者のみなさんにご紹介したいと思います。

香港市民にとって、長洲島は昔話に描かれた*桃源郷のような存在に間違いありません。つまり、賑やかな香港都会から隔絶し、病もなく平和で元気に暮らせる土地と言われています。観光客の視点から見ると、長洲島は新鮮な魚介類を提供してくれて、お酒を飲みながら食事を楽しむ、そんな島です。

(デジタル大辞泉 – 桃源郷の用語解説 – 《陶淵明「桃花源記」に描かれている桃林に囲まれた平和で豊かな別天地から》俗界を離れた別世界。仙境。理想郷)

講師の友達によると、 NGO『長春社』今の本社として知られている『西營盤駅』近くの『贊育醫院』は有名な病院ですが、長洲でも昔の病院が残されています。(実は、『贊育醫院』も読者のみなさんに紹介したかったですが、復元工事が行われているため取材依頼は断われてしまいました。)

慈善事業に力を入れていたビジネスマン蔡良によって建てられた、大新街にある『長洲方便醫院』は1872年から1988年病院として使われていました。長洲島民の医療サービスはもとより、波に載ってきた遺体を回収して埋葬する役目もありました。長洲方便醫院は三級歴史建造物に指定されています。歴史的建造物に侵入してはいけないので、外から見るだけになりました。

大新街の看板隣にある石碑は『光緒23年」の文字が書いてあります。それは『明治30年』の1897年ですね。残念ながら石碑の状態が悪くなったので他の文字はあまり読めません。

1931年開業した『長洲戲院』は華洋折衷のデザインで、1990年まで営業していました。復元作業は決められたそうですが、実際行ってみたら何の工事もしていなかったです。建築スタイルを見たくても板に囲まれて看板しか見られませんでした。

長洲島は『洪聖古廟』は古刹としてよく知られています。中には『嘉慶 18年』(日本の『文化10年』、1813年)の鐘が保存され、寺の建築、扁額や古い家具も見所です。

さて、食べ歩きなら、『康蘭餅店』のエッグタルトがわたしのおすすです。最近流行っている氷やタピオカもありますよ。

ちなみに、長洲の饅頭祭りの際、饅頭塔を作ってくれるのは『郭錦記餅店』だそうです。みなさんがもし饅頭を買いたい場合は、ぜひこの名店に行ってみてください。

お土産にはぜひ、長洲名物、饅頭モチーフを!


 

キリ
日本語教師で旅行作家。特に日本が大好きで年に10回以上は訪れる。著書に『Kiri的東瀛文化觀察手帳』(2017)、『日本一人旅』(2019)がある。香港の誠品商務三聯などの書店で購入可能。
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