2023/03/15
薑蔥焗蠔
(ギョン チョン ゴック ホゥ)
【ぷりぷり牡蠣の生姜ネギ炒め、土鍋仕立て】
香港では「牡蠣」が大変よく好まれます。『生蠔』(サン ホゥ:生牡蠣)をはじめ、『酥炸生蠔』(ソゥ ジャ サン ホゥ:香港牡蠣天ぷら)、『蠔仔煎蛋』(ホゥ ジャイ ジン ダン:香港牡蠣オムレツ)、『蠔豉』(ホゥ シ:干し牡蠣)、牡蠣マニアの香港人がとても多いと思います。
なぜこんなにも好まれるのでしょうか。牡蠣には「高級食材」としてのイメージがあるからでしょうか? 手ごろな価格で贅沢なご馳走がいただけるというイメージがあり、マテリアリスティック(物質主義)な香港社会で、牡蠣を食べられることは自分のステータスになる、ということが関連している可能性はあります。
更に、牡蠣は薬膳的に心の乱れを整えてくれる役割もあり、精神を安定させてくれる効果があるといわれています。春は精神が不安定になりやすい季節でもあり、イライラしやすく、鬱(うつ)になりやすいですから、それが香港人に好まれている理由の一つであるのかもしれません。
香港では牡蠣は加熱してから食べるのが一般的なので、牡蠣で食あたりになることも比較的少なく、食中毒を恐れる方は少ないです。
他にも、なぜ香港ではこんなに牡蠣が好まれるのかという理由を知っている方がいらっしゃれば、是非教えて下さい。
気になっている方がいらっしゃるかもしれないので以下に書いておきます。
たくさんある香港牡蠣料理の中に、我が家でよくするレシピはこちらです。『薑蔥焗蠔』 (ギョン チョン ゴック ホゥ)、和訳:【ぷりぷり牡蠣の生姜ネギ炒め、土鍋仕立て】
日本では冬から春にかけてが牡蠣の旬です。春の牡蠣はとても美味しいです! ぜひ春先の牡蠣を料理して食べましょう。牡蠣は加熱すると縮みやすいので、塩水で優しく洗ってから調理しましょう。そうすることで牡蠣が縮まないようにすることができます。
Tips: この料理では、出来れば大きめの牡蠣を使いましょう。そうすることで食べ応えがある料理になります。また牡蠣を洗う時は絶対に真水で洗わず、塩水で優しく洗いましょう。牡蠣の一番汚れている部分は先の黒いひだの部分なので、そこを集中的に丁寧に洗いましょう。 |
材料 牡蠣(加熱用) 400g
洗い用: 片栗粉 適量 3%塩水 適量
煮牡蠣用水分: 紹興酒 3大さじ 日本酒 2大さじ
コーティング用: 片栗粉 適量
薬味: スライス生姜 10g ねぎ 20g マッシュルーム 30g
炒め用: 油 1大さじ
調味料: オイスターソース 2小さじ 香港溜まり醤油 1小さじ 砂糖 1小さじ料 |
<下準備>
1.片栗粉を少々、塩水に溶かし、牡蠣の黒いひらひらの部分を中心に優しくしっかり汚れを洗い落す。
2.くり返しもう1、2回塩水で綺麗に牡蠣を洗う。
3.しっかり水気を拭き取る。
4.ネギを斜めに切る。
5.マッシュルームを縦にスライスする。
6.調味料を合わせておく。
<作り方>
1.鍋に紹興酒と日本酒を沸騰させ牡蠣を入れ、牡蠣のひらひらの部分が軽く立ち上がって、身がプリっとなったら取り出し、煮汁を濾して取っておく。
2.牡蠣は余分な水気をふき取ってから軽く片栗粉でまぶす。
3.土鍋を熱し、油をいれて、生姜、ネギ、マッシュルームを入れて、炒める。香りが出てきたら、牡蠣を入れ、炒める。油が足りなければ足す。
5.さっと炒め合わせたら、分量外の紹興酒1小さじをたらし、調味料を加え、よくかき混ぜ合わせたら出来上がり。
雲姐(ワンジェ)
料理研究家。香港に生まれる。幼少期、平日は祖母、週末は料理が趣味だった父の手料理を食べて過ごす。オーストラリアへ移住を経て、結婚を機に日本へ移り20年以上。中国国際薬膳師、発酵食品ソムリエ、発酵ライフアドバイザーの資格を持ち、中華圏および日本の食文化への造詣も深い。現在は、日本の人々に香港料理を伝えるべく東京で活動中。
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