2023/07/01

先日、公式としてはMirror初となる「ファンミ」が開催されました。ファンミとは小規模の会場で開催される、ファン参加型のイベントのこと。アイドルとファンの距離が近く、運が良ければ推しと会話や握手ができちゃったりする、生きながらにして訪れることができる天国です。

天国は初夏の啟德に突如現れました。天国への入り口はこちら。©IG: hunghom_linda_qedan

そう、多くのファンにとってMirror の応援はぱっとしない現実から逃れ、つかの間の天国を味わうための現実逃避の手段。ただ、本物の天国ではないので現実社会の影響から逃げることはできません。例えばこのファンミ。新型コロナウィルスがなければもっと早い時期に、もっと頻繁に行われていたはず。これぞ新型コロナがもたらした機会喪失・・・コロナの憎さが深く感じられる事象のひとつと言えるでしょう。そう、Mirror応援というふわふわした活動を通してさえ、香港が直面している現実を味わうことができるのです。

例えばここ数年うなぎ上りの海外移民。私のMirrorファン仲間もここ数年で何人移民していったことか! 彼らは推しメンバーの公仔(推しの姿を模したぬいぐるみ)やポスターをスーツケースに詰め、泣く泣くMirrorの香港を後にするんです。そんな彼らにMirror版「獅子山下」を贈り、彼らの新生活の成功、そして海外でのMirror応援の継続・・・いや、むしろ彼らが海外人気の火付け役となるよう祈りたいと思います。

コロナで、あるいはコロナの猛威下、医療サービスへのアクセスが制限されたことが遠因で、近しい人の死を経験した鏡粉もいます。Mirrorは負の感情を無にしませんが、軽減します。これは実体験で実証済。私を含め、同様の経験を経た人にお勧めしたいのがStanley (邱士縉)の「來不及」。実母の死とその悲しみを歌に託したこの曲はヒーリング効果高し、と認定いたします。

悲しみを乗り越えたStanley の笑顔。輝きが増しています。©IG: oxtongue.killa

鏡粉仲間が経営するお店がいつの間にかなくなっていたこともありました。防疫対策の影響でお店の閉店、休業という事象は度々目にしていましたが、香港で数少ない顔見知りがその火の粉をかぶったことはショックでした。フォローしていた彼女のIGアカウントも消えていて、消息を確認する術もありません。彼女には今後、物事が順調に運ぶようにと願いを込めて、AK(※)の新曲「Keep Rollin’」を贈ります。

社会的影響はネガティブなことだけではありません! Mirrorのデビューから4年たった今年、そろそろ海外に進出・・・という機運が高まったタイミングでちょうど香港入国時の強制隔離が撤廃されたのです! これを受けMirror初の海外コンサートが可能となり、12人のメンバーのうち4名がマレーシアでコンサートを開催。出入国が簡単になったため、かなりの数の香港ファンもマレーシアに飛びました。この海外初コンサートで披露したのが「Rumours」。今後のMirrorの地球規模での活躍を約束してくれたように聴こえました。

Mirror初の海外コンサートはマレーシアで。香港のみならず、日本から参加したファンも。©IG: angie.hather

マスクの着用義務がなくなったのも嬉しい出来事でした。映画の宣伝イベントなどでもマスク着用が必須だった半年前。この頃の鏡粉のアルバムはマスクで顔の半分しか見えない推しの写真で溢れています。ちなみに現在わたしは、マスクを外した鏡粉仲間たちの素顔にとまどう、という不思議な感覚を味わっています。そして、マスクといえば忘れてはいけないのが、「マスクの下で愛を語ろう」と歌ったKeung To(姜濤)の「蒙著嘴說愛你」。マスク時代を象徴する名曲です。

そうそう、落ち込んだ経済を刺激するために香港政府が打ち出した施策、電子マネーの支給。これにも鏡粉は敏感に反応しています。なぜなら、支給金の支払方法もOctopusはIan(陳卓賢)が、Tap’n’GoはEdan(呂爵安) が、PayMeはKeung To(姜濤)と、異なるMirrorのメンバーがそれぞれ広告塔を務めているのです。新規口座を開いたり、指定金額を使ったりすることで推しグッズが入手できるので、この施策で鏡粉の消費欲は必要以上に増大されてしまいます。そんなときは「お金がすべてじゃないよ」と諭してくれるAnson Lo(盧瀚霆)の「Money」で気持ちを落ち着けましょう。

神々しいまでにキュートなAnson Lo。©IG: dansonectar

今年もあと半分を過ぎた7月。この連載も1周年を迎えました。Mirror界隈にも色々ありましたが、Mirrorと過ごした1年は俯瞰するとやはり天国でした。Mirrorが天国にしてくれたんです。

ありがとう、Mirror!


紅磡リンダ(ほんはむ りんだ)
夫の転勤に伴い20年にわたる英国生活、広告代理店勤務、編集者稼業に終止符を打ち、2019年に香港に移住。
香港の状況が落ち着き、次ステップを模索し始めた折にMirror 沼に沈没。沼から鏡(ミラー)越しに見える、新しい香港を発見する毎日を送る。

Instagram 紅磡リンダ【星版】hunghom_linda_qedan


 

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