2024/09/11

読者のみなさま、はじめまして。

今回から「燃えよタッカー!詠春拳日記」を連載することになりましたタッカーと申します。

タイトルから暑苦しい感じ……

しましたか?

女性の読者が大多数と思われるHong Kong LEIのコラムとして果たしてふさわしいトピックなのか。

一抹の不安は残りますが、これから1カ月に1度お目にかかることになります。どうぞよろしくお願いします。

 

(自己紹介)

わたしは関西出身で、香港生活歴はおよそ8年です。移住してからは国際学校の英語教師やマスメディアの記者として勤務した後、今はEコマース企業で働いています。

体を動かすことが大好きで、平日夜や週末は中国伝統武術「詠春拳」を練習しています。

ご縁あって師匠から免状をいただく大変貴重な機会に恵まれ、道場のアシスタントインストラクター(助教)を務めながら、「香港詠春拳クラブ(Hong Kong Wing Chun Club)」を主宰して日本人などを中心に教えています。

詠春拳は女性が創始したと伝わる拳法で「女拳」とも呼ばれます。小柄で非力な人でも力の強い相手に対応できる、科学的で合理的なマーシャルアーツです。

そうそう、あれです!

おそらくご存知の人も多い映画「イップマン」でドニー・イェンが演じた武術と言えばピンとくるかもしれません。

知らない人もいると思うので簡単に説明しますと、伝説の国際映画スター、ブルース・リーが学んだ武術です。

詠春拳は有効性が高いことが評価され、香港エクスプレスなど一部の航空会社では客室乗務員のクライシスマネジメントのトレーニングにも取り入れられたことがニュースにもなりました。

このコラムは、仕事で香港に来たはずなのにカンフーに夢中になってしまって、縁あって由緒ある門派の外国人初の入室弟子(内弟子)となり、はたまた師範免許まで取るに至った。そんな香港で二度目の青春を迎えた熱い哥哥(にーちゃん)のダイアリーです。

なぜ、詠春拳はライフワークと位置付けるほど魅力的なのか、今まで関心がなかった人たちに少しでも興味を持ってもらえればと思います。

また、わたしが移住してから香港はコロナパンデミックのほか、急激な社会的変化を経験し、今もなお目まぐるしく変わっている最中です。友人の中には帰国したり、海外へ移住してしまった人も少なくありません。

そんな香港に根を下ろして生きている、一日本人のストーリーをコラムを通じて垣間見てもらえればと思います。

 

(香港に来た理由)

2000年代のことですが、わたしが初めて就職したのはアメリカの大学でした。

南部はテキサスの大学院で応用言語学の修士を取りながら、日本語講師として二足の草鞋を履いて生活していました。

テキサスの大学院

卒業後はアメリカ中西部の私立大学に就職し、外国語学部の日本語教員として教鞭を執りました。

その後帰国し、医療系の大学に転職しましたが、昔からの風習が色濃く残る組織文化に息苦しさを感じ、いつかまた風通しの良い英語圏で働きたいと思うようになりました。

でも、アメリカはハンバーガーがメインの国だし、英国もフィッシュ&チップスくらいしか思いつかない……。

(アメリカ時代は体重が20キロ増加。渡航前は54キロ!)

食いしん坊のわたしにとって食事が魅力的なアジアの国際都市といえば、香港かシンガポールの二択しかありません。

というわけで、日本により近く飲茶やワンタンメンがおいしい香港を選んだのです。

 

(詠春拳との出会い)

わたしは日本での大学時代にカンフー映画に夢中になって、ジェット・リー主演の「少林寺」に最も影響を受けました。これは中国本土の作品で、香港映画ではなく言語は北京語でした。

外国語大学でドイツ語が副専攻だったのですが、将来絶対中国人のカンフーの達人に弟子入りすることになると夢見たわたしは、隙間時間を縫って独学で「北京語」を学び始めたのでした。

将来弟子入りすることになる師父(シーフ、先生の意)が「広東語」しか話せないとは知らずに……。

当時近くに中国武術を習えるところがなかったので空手道場に入門しました(大学3年生のアメリカ留学時代)。最後は黒帯二段まで取りました。

香港と言えばもちろん、ブルース・リーやジャッキー・チェンが有名です。男子であれば誰もが子どもの時に憧れたのではないでしょうか。

香港に移住してからしばらく経ったある日、通っていたジムで詠春拳クラスの広告が目に止まりました。

当時イップマンの映画が大ヒットした影響で、ブルース・リーが入門したことで知られる詠春拳の知名度が武術界隈を超えて世界中に広がっていた時期です。

しかし「異色の沖縄空手」として名を轟かせたある流派の有段者であるわたしは、所詮エンタメ向けのアクションで、いわゆるカッコ付きの「達人」系のまやかしだろうと考えていました。

詠春拳の動きは確かに手数が多くて速いけど、内股スタンスで強くなさそう……。

でも体験せずに判断することはできないので、とりあえず初級クラスにサインアップして確かめることにしたのです。

 

さて、今回は第一回なのでこの辺りまでとします。

ではまた、来月お目にかかります。それまで再見!

 


タッカー

葉問一番弟子の梁相師公の直弟子である林樹成師父の入室弟子(内弟子)となり、林一門では外国人として初の師範免許を取得。林樹成詠春國術會の助教(アシスタントインストラクター)として活躍するかたわら、香港で日本人などを対象にした香港詠春拳クラブ(Hong Kong Wing Chun Club)を主宰。

X:wingchun_tucker
IG: wingchun_tucker
Website: wingchun.fit
FB: lsswingchun

 

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