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2025/04/07

以前、HKMOA(香港藝術館)で開催された「ウフィツィ美術館のティツィアーノとヴェネチア派」展示会の中でご紹介した香港の若手のアーティスト、チャン・クワンロク(陳鈞樂)氏の新たな個展が開催中です。

チャン・クワンロク(陳鈞樂)氏の個展『エコーズ・オブ・ネイチャー 《山之音》』

Grotto Fine Art では、2025年4月12日まで、香港のアーティストであるチャン・クワンロク(陳鈞樂)氏による個展『エコーズ・オブ・ネイチャー 《山之音》』が開催中です。この展覧会では、伝統的な細筆画技法を用いた彼の素晴らしく繊細で美しい最新シリーズに焦点を当て、観る者に自然の微細な部分や複雑さを感じさせます。今回は自然界の中での「永続するもの」(たとえば、山や水などの自然の恒久的な側面)と「儚いもの」(昆虫の一生や花の開花といった一時的な現象)の間の関係を示しています。これらの対照的な側面を通じて、自然が持つ多様性や深さを表現し、また、生命のサイクルや変化、季節の移り変わりなどを描写しています。自然の中で繰り広げられる生命のリズムや動きを単に自然界で見られる形を描くだけでなく、そこに込められた感情や思いをも表現しています。彼が描く風景は、観る者にさまざまな感情を喚起し、自然界への思索や感謝の気持ちを引き起こす要素となっています。

展覧会のタイトル『エコーズ・オブ・ネイチャー 《山之音》』は、川端康成の同名の小説「山の音」からインスパイアされています。小説では、自然の一瞬の美しさが時間の流れや変化を象徴しています。同様に、チャン氏は、個人的な喪失の経験の中で自然を慰めの源として見つめました。昆虫や植物の「生と腐敗」のサイクルを観察することで自然の変化を意識し、それを作品に反映させています。このプロセスは、彼自身の感情や経験と深く結びついています。細筆画技法を用いて、チャン氏はこれらの微妙な変化を捉え、山々を常に変化する生きた存在として再解釈し、自然界における生命の相互関連性と継続的な流れを明らかにしています。伝統的な中国芸術の重要な形態である細筆画技法は、形と精神の両方の描写にとても優れており、チャン氏がこの古典技法を現代的文脈に巧みに統合し、自然と生命の移り変わりの美しさを捉えています。

Queen of the Mountains 山中后/2024/Ink and colour on paper/220.5 x 122 cm

会場: Grotto Fine Art
2/F, East 17, No. 17 Main Street East, Shau Kei Wan, Hong Kong
開館時間:月曜〜土曜, 11:00 am – 6:00 pm (日曜祭日休み)
https://www.grottofineart.com

 

 

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