2023/11/11

2023年11月3日から2024年2月28日までの予定で始まった特別展「ウフィツィ美術館のティツィアーノとヴェネチア派(Titian and the Venetian Renaissance from the Uffizi) 」。後半は、Hong Kong Museum of Art館長が解説したように、香港らしく画期的で面白い展示をご紹介したいと思います。


1P:見方が面白くなる展示作品の紹介

2P:MOAの挑戦!これは楽しい!←今ココ


実は3年前のウフィツィ美術館とのコラボ特別展の時もそうでしたが、今回も驚かされる仕掛けがありました。

まずは各セクションごとにある、こちら「知ってる?」です。
各セクションにまつわる小話が本のページをめくると壁に動画で出てくるという仕掛け。本の右上を触ると言語の変換ができます。ちょっとした面白い裏話が楽しめるんですよ。

そして50点全ての絵画を鑑賞した後は、自分の肖像画をAIに描いてもらうという体験ができます。しかも盛期ルネッサンス・ヴェネチア派のタッチです!

まずはMOAの学芸員がやり方を見せてくれます。ブースに腰掛けて、前方のスクリーンに自分の体を合わせます。

すると1〜2分後に出来上がった画像がこちら。一緒に記念撮影も可能です。

ちなみに、これを見て絶対身バレしないだろうとふんで(笑)わたくしもトライすることに! するとこういうの(下)が出てきました。画面に出てきた絵は、QRコードを読み取ることで、自分の携帯にダウンロードできる上に、展示室の壁に1分間だけ肖像画として飾られます。ぜひ一緒に記念撮影を!

どうです?面白いでしょう?

そのほか、絵画の秘話や、色彩の絵画と言われたヴェネチア派にちなんで、色のインタラクションの展示などもあります。

 

最後のセクションは、今回のウフィツィ美術館からの展示に加えて、特別展にインスパイアされた香港のアーティストたちの展示物が楽しめます。

最初はベネチアンガラスを使ったインスタレーション。アーティスト、レオン・チー・ウォーさん(写真下男性)は、19世紀後半から1970年代にかけてイタリアの様々な家庭や場所で使用されたヴィンテージのヴェネチアンガラスのランプを収集しました。ガラスに反射する光のゆらぎと、2023年9月にアーティストがヴェネチアで録音した、ムラーノの波止場に打ち寄せる波のサウンドトラックを背景に、消えたりついたりを繰り返して時空を超えた出会いを表現しています。皆さんは何を感じるでしょう。

そしてもう一つ、香港の新進気鋭、28歳のアーティスト、チャン・クワン・ロクさん(写真下男性)の作品です。一見版画プリントのようでありながら、実は世界に1枚しかない精巧な墨絵であることに、皆さんはまず驚かされるでしょう。彼はヴェネチアの芸術家たちが挑戦した神と人間と自然との融合に触発され、自然崇拝を彷彿とさせる崇高で神聖さを彼の風景作品に吹き込んでいます。

 

今回の展示会のために1年がかりで製作したという「自然とのつながり」に展示された13組の中国墨絵は、よく見ると、日本の浮世絵などに出てくる雲や着物のようなモチーフも垣間見えます。本人に聞いてみると、「日本の影響を受けたものもある」と笑顔で答えが返ってきました。

チャンさんは、子どもの頃から絵が好きで、香港中文大学の美術学部の中国絵画を卒業。墨の濃淡だけで人間の動きや自然を描いていきます。近づいて見てみると、「線」の可能性を探求する恐ろしいまでの集中力が伝わってくると同時に、その緻密さに、ちょっとたじろぎそうになるも、離れて見るとリズミカルで、気まぐれなファンタジーのようにも見えるギャップが面白くもあります。彼の世界観が炸裂する作品を、ぜひ鑑賞者の皆さんには作品との距離を色々と変えながら楽しんで見ていただきたいです。

さて、彼の作品の楽しみ方を簡単にお伝えしましょう。

まず展示室右手にあるこちらの作品をよーくご覧ください。下の1枚の作品がここの展示室にある、全ての作品を集約されたものになるそうです。言い換えればこの作品から他の12作品が生まれたそう。

例えば、絵の滝の部分。

この滝の部分が、インスタレーションと絵画を組み合わせた下の写真のものになるそうです。

石に一枚一枚日本の金箔と銀箔を貼り付けたそうです。

どこの部分がどの作品と繋がっているか、ぜひ皆さんもじっくりとご覧になり、自分で紐解いてみてくださいね!

下の絵は日本の着物からインスピレーションを得たそう。チャンさんのこれからの活躍が楽しみですね!

今回のHello From Editorはいかがでしたか?

特別展「ウフィツィ美術館のティツィアーノとヴェネチア派(Titian and the Venetian Renaissance from the Uffizi) 」。近代ヨーロッパで最も歴史のある美術館として知られるイタリアのウフィツィ美術館との大変貴重なコラボ展で、海外で初公開のものも多く展示されています。2024年2月28日まで開催ですので、お見逃しなく!

それでは皆さん、また次回までお楽しみに!

 

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Hong Kong Museum of Art(MOA)

Webサイト
https://hk.art.museum/

入場料
Family Pass (for a maximum of 4 persons of kinship) HK$100
Individual Pass HK$50
Concessionary Pass
(full-time students, people with disabilities and senior citizens aged 60 or above) HK$25

開館時間
*ナイト・バイブ香港キャンペーンを積極的に展開するため、HKMoAは2023年9月29日から11月26日まで、金、土、日、祝日の開館時間を午後10時まで延長するトライアルを実施しています。

月曜日から水曜日、金曜日 10:00〜18:00
土曜、日曜、祝日 10:00〜19:00
クリスマス・イブ、旧暦大晦日10:00 – 17:00
木曜日(祝日を除く)、旧正月の最初の2日間は休館。

ボックスオフィスは閉館の30分前に受付終了します。

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