2026/10/12
動揺して写真を撮るのを忘れましたので、今回もAIにイメージのイラストを作ってもらいました。
毎度こんな話ばかりで大変申し訳ないのですが、これが香港村屋のリアル(涙)。今回も「蛇」です。しかも、ついに警察のお世話になってしまいました。今年は本当に過酷な夏でした……。
10月7日。朝の気温もすっかり涼しくなり、家の周りでジャスミンの香りが漂いはじめ、「やっと平和で素晴らしい香港の季節がやってきた!」とウキウキ気分になった矢先のできごとです。
子ども部屋で掃除機をかけようとしたところ、床に30センチほどの黒い紐のようなものが落ちていました。「こんなのあったっけ?」と思ったのも束の間、それが動いたではありませんか!
「ぎゃー!」
思わず手に持っていた掃除機で吸い込もうとしたものの、大きすぎて入らず。そのままわーわー叫んでいるうちに、蛇は家具の下へとスルスル隠れてしまいました。
動揺で震える手で、普段は絶対にしない仕事中の夫へ速攻電話をかけると、妻のただならぬ様子に驚いた夫がすぐに電話に出ました。
「どうした!」
「へ、へびが子ども部屋に!」
「なにー! すぐにドアを閉めろ!」
あ、そういえばドアを閉めていないことに気づき、恐る恐る戻ってバタンとドアを閉めました。
「大きさは?」
「30センチぐらい。子どもだと思う」
さあ、ここからどうするべきか頭は真っ白です。そういえば「警察に連絡すれば蛇を捕まえてくれる」と聞いたことを思い出し、夫に提案すると「俺が自分で電話するから待ってろ!」とのこと。
生きた心地がせず、「もし蛇がどこに行ったかわからなくなったら、あの部屋ではもう怖くて寝られないかも……」「一体どこから入ってきたの?」と、色々な不安が頭を駆け巡ります。そうこうしているうちに夫から連絡が入りました。
「警察が後で来るから待ってろ」
「待つって、いつまで!?」
「今は忙しいから後だ!」
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何も手につかず、部屋の周りをうろうろしていると、案外早く、拳銃を腰に付けたいかつい警察官二人組がやってきました。
「ご主人から連絡を受けて来ました。蛇が出たのはここですか? 今もいますか? 大きさは?」
矢継ぎ早の質問に緊張しながらも案内すると、警察官たちは土足のまま部屋に上がり込み、子ども部屋の荷物を動かし始めました。すると、スルッと蛇が姿を現しました!
「おお〜っ!!」
2人が声を上げたその瞬間、驚いた蛇はあっという間に部屋を飛び出し、隣の本棚の後ろへ。警官はすぐさま携帯で「蛇を目視!」と関係部署に連絡し、「スネーク・キャッチャー(Snake Catcher)」の出動を要請しました。
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本物の香港警察とお話しするのも初めてで最初は緊張しましたが、お二人ともとても優しくフレンドリーな方たちでした。スネーク・キャッチャーが到着するまでの1時間もの間、蛇がどこかへ逃げないよう、ずっと見張っていてくれたのです。
待っている間に色々とお話を伺うと、警察官自身はサイズの大小に関わらず蛇の捕獲はしないのだそう。呼ばれて来て蛇を目視できなかったら「ハイそれまで」で終わり。逆に、今回のように蛇を目視できたら初めて政府から費用が承認され、専門家を呼べる仕組みなのだとか。だから逃がさないように見張らないといけないのだそうです。
スネーク・キャッチャーは、香港にいる大蛇や毒蛇にも対応できる、政府公認のプロフェッショナルです。もちろん自分で直接呼ぶこともできますが、その場合は全額自費になってしまいます。
そのため、もし屋外で蛇を見つけたら、どこに隠れたか、巣はどこかなどをしっかり把握しておくことが肝心です。蛇は思った以上に逃げ足が早いので、下手に大きな音などで驚かせると、見つけること自体が難しくなってしまうようです。
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懐中電灯で隠れ場所を照らしながら、警官が「体が緑色に見えるから、毒蛇かもしれないな……」とポツリ。そういえば大家さんが「草むらで草と同じ色の小さな蛇が絡み付いていても気づかないことがあるから気をつけなさい」と言っていたのを思い出し、「なんで家の中に毒蛇が(涙)」と再びガーンとなっているところで、ようやくスネーク・キャッチャーが到着しました。
やってきたのは、オーストラリア人のデヴィッドさんという方。プロのハンターとしてこれで生計を立てているそうで、大きな白い袋を片手に颯爽と現れました。
「家にいるの? サイズは?」
警官が「30センチぐらい」と居場所を告げると、彼は少し拍子抜けしたような表情。わたしが「毒蛇じゃない? 緑に見えるけど……」と聞くと、大して見もしないのに「違うよ、毒蛇じゃない」とキッパリ。胸をなでおろす間もなく、あっという間に素手で捕まえ、「ベイビーだね」と誇らしげにニコッと笑ってみせ、持ってきた大きな袋にヒョイっと入れました。
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プロに「どこから家に入ってくるのか」と尋ねてみると、彼はこう教えてくれました。
「人差し指くらいの隙間があれば、小さな蛇は簡単に入ってくるよ。玄関のドアや窓の隙間、排水溝や配管の隙間など、とにかく指1本分あればどこからでもね。心配なら、ネズミ捕り用の粘着シートを家のあちこちに置いておくのをおすすめするよ。ただ、ヤモリもイモリもトカゲも、本当になんでも引っかかっちゃうから、僕は好きじゃないんだけど」
確かに、我が家のヤモリが引っ掛かったら困るなと思ってしまいました。デヴィッドさんが捕まえた蛇は、野生動物保護地区のような場所に放すそうです。
そして、「何か質問があったら連絡してくれれば答えるよ、無料でね」と笑顔で自分の電話番号もくれました。
こうして、我が家の蛇騒動は皆さんのお力を借りて無事に一件落着。優しくもいかつい警官二人も、最後は笑顔で手を振って去っていきました。
村屋生活4年目で、いや、人生初体験の連続。来年に向けて、冬の間に家の隙間という隙間をしっかりメンテナンスしないといけないと痛感しました。
それにしても、早くもう少し気温が下がってほしいものです。やれやれ、今年の蛇ネタはこれで本当に最後になりますように! とほほ。
実はこの前の回の村屋コラムも蛇ネタです。
その前はムカデです(涙)。
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