2018/12/01

世界で50店舗以上を展開している世界のNOBU。単なる和食料理ではなく、独自の和食料理を貫く「NOBUスタイル」で名を轟かせ、現在ではNOBU HOTELをも経営する、世界でも名だたるレストランです。今回は、NOBUによる料理本の出版記念パーティーに香港のメディアが招待されました。会場には料理本に腕をふるったNOBUレストランのトップシェフたちがアジアパシフィックエリアから集結し、コラボレーションのコース料理が披露されました。

Nobu MATSUHISA総料理長が出版する料理本は今回で6冊目。3年の月日を経て制作された416ページは、NOBUの世界各国のシェフたち70名によるものです。自ら「僕がかかわる料理本はこれが最後」と言っているように、彼が作るNOBUの料理本としては最後になるそうです。

この日のために集まったシェフは、マニラ、北京、東京、パース、メルボルン、クアラルンプール、香港のNOBUから。Nobu総料理長はシェフたちのことを「ファミリー」と呼び、シェフのみなさんのNobu総料理長への尊敬の眼差しもとても印象的で、絆の深さを伺えました。

料理本にはアートのようなお料理がいっぱいです!

実はこの料理本にはレシピに細かな量やサイズなどが全く書かれてありません。これは料理本なのに、家庭で同じものを作るのは到底無理っぽいのです。その辺をNobu総料理長にぶつけてみたら、「この本のとおりに作ってもらいたいために出版したわけではありません」ときっぱり。これにはびっくり。 実は、これにはNobu総料理長のお料理への愛と、NOBUを率いる総料理長としての思いが詰まっていました。

この本をとおして、お料理好きな読者には、材料を見ながら自由に創作してみて欲しい。こうでないといけないというのはないので、完成品に近づけるように料理を楽しみながら試して欲しい。また、盛り付けなどの例をみながらインスパイアーされて欲しいそう。そして、料理というのは舞台芸術のように、消えて無くなってしまうもの。一口食べてしまったり、時間がたってしまったら、もうそれは全く違うものになってしまう。だからシェフたちの料理を作品として残しておきたかったのだそう。世界中のシェフたちの励みになることも考えての料理本なのです。

パーティーで振る舞われたお料理はほぼこの料理本にでてくるものばかり。これらすべて順次香港でも食べられるようになるとのことで、NOBUに行ったらぜひ味を覚えて帰って自宅でも挑戦してみてください。さて、白と赤のワインがフリーフローで振る舞われる中(笑)、お料理の準備も整いました!

最初は、マニラの料理長による、シーフードダイスのミックスとクリスピーな海苔の前菜です。海苔のパリパリとした食感がとてもおいしくて、ごま油とお醤油の相性が抜群。少しスパイシーなところが食欲をそそられました。

そして、甘エビのタルタルとキャビア。器の下に敷き詰められた氷で、キリッと冷えた甘エビのタルタル。そして、周りに見えるピンク色のソースは、梅ソース。濃厚な甘エビにキャビアと梅。塩味と酸味の絶妙なマッチ。イチョウの葉っぱや落ち葉を添えたところが、季節感もエンジョイできる一品です。こちらは北京の料理長による作品。(もやはお料理というより作品です!)

 

器の下の何気ないイチョウがにくい!

 

 

 

こちらのお寿司も、おいしくいただきましたが、ガリ(生姜)が棒状に厚く切られたものは初めてで、おそるおそる食べてみたところ、辛すぎず、コリコリ感もあり、とってもおいしい!香港のシェフにお聞きしたところ、新生姜の皮をむき、一晩水につけて辛さをとり、甘酢に漬けるのだそう。新生姜でないとおいしくないそうです。(ちなみに料理本には載っていません)

 もちろんおいしいホタテバター焼
(NOBU香港より)

 

 

 

日本の黒アワビのレモンバターガーリック焼。

こちらの黒っぽいソースはあわびの肝ソースだそうです。絶品でしたー。

 

 

ポークベリーの辛子酢味噌(写真上、NOBU東京)と、和牛のトリフ胡麻ソース(NOBUクアラルンプール)の肉料理。どちらも甲乙つけがたく、満腹なはずなのにパクパク食べれる。お腹いっぱいだから食べられないは嘘です。お腹いっぱいでも食べられるのが、NOBUスタイルなのです。また付け合わせででてくるローストされたお野菜のおいしいこと。食材が生きている、正に厳選されたものだけをいただいている、そんな感じがいたしました。

この後、稲庭ラーメンもでてきましたが、完全にお腹がいっぱいで入らず。

しかしながらー。最後のデザートが、素晴らしい一品。いえ逸品でした!
こちらは料理本には載っていませんが、今すぐにでもNOBU香港で召しあがれるデザードです。これを作ったシェフは、今回の男所帯の唯一の女性シェフです。女性ならではのかわいらしく愛らしいプレゼンテーションと、金粉などのちょっとした気遣いが、ワクワク感を盛り上げてくれます。

年季の入った木のプレートに白ごまを敷き詰め、イチョウをあしらっています。器を触ってみると、すごく冷たい。冷やされた器に盛られています。それもそのはず、底にはかき氷が。

今回の唯一の女性シェフ。休日には和菓子のクラスに通うなどして熱心に勉強しているのだそう。和菓子というと、中にあんこが入っているのを想像することが多いですが、ゴマの餡に薄いホワイトチョコがコーティングされていて、口に入れた時のバリバリした食感が和菓子としてはセンセーショナル。やわらかい和菓子とのバランスが絶妙で、しかもそこまで甘すぎないところが個人的には良かったです。和菓子は、甘酸っぱいカシスソースと、その下に敷き詰められた焼酎のかき氷の上に乗っていて、甘くて、酸っぱくて、冷たくてさっぱりな味がソースの絡め具合で微妙に変わるのです。最後の一口になる、冷たい焼酎の味とカシスの甘酸っぱい味が、さっぱりとお食事を終えるにはふさわしい大人女子向けの絶品デザートでした。Hong Kong LEIの読者には是非食べていただきたいです。

こちらの料理本は、現在NOBU香港で700ドルで販売されています。今ならNobu Matsuhisaさんのサイン入りのものが購入できます。(在庫が無くなり次第終了です)

InterContinental Hong Kong
18 Salisbury Road、Hong Kong
レストラン予約:852.2313.2323
nobuhongkong@ihg.com
www.hongkong-ic.international.com

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