2019/04/16
新米ママの香港子育てひとりごと
『子育て疲れに漢方!』
前回の妊活のお話で少しご紹介した漢方薬について、日本でも香港在住のママたちの間でも興味はあるけどなかなか行くきっかけがない、敷居が高いと聞くことがあります。
そこで今回は、妊活中も子育て中の現在も、お世話になっている漢方について触れてみようと思います。
香港の現地の方たちにとっては西洋のお医者さんと同じ位置付けの中医学。東洋医学の代表とされる中医学は、アーユルヴェーダと並ぶ世界の伝統医学とされる歴史ある医療法で、毎日の生活になくてはならないものです。
私が初めて中医へ行くきっかけになったのは突然できてしまった肌荒れからでした。「肌荒れには漢方は良いよ!」という香港人のお勧めをいただき、漢方を処方してもらうために行ってみたのが最初です。
ですが、じつは我が家では主人が先に漢方に通っていました。健康オタクなのに働き詰めで、なかなか疲れが取れないとのことでメンテナンス代わりに行っていたようですが、四診と呼ばれる診断法(望診、聞診、問診、切診)のなかの問診で細かく生活習慣を聞かれて、毎日の生活を省みるきっかけになることも良かったみたいです。
ただ飲まないといけなかった漢方は泥の様な色。しかも毎度とても不味そうに飲むので私自身が通うのは正直気が進みませんでした。しかし良薬は口に苦し。その時は肌荒れという一刻も早く治したい問題を抱えていたためしぶしぶ予約をしました。
わたしが通っていたのはこの道20年の潘仕鈞(S.K Poon プン)先生。
行ってみて知ったのですが夫婦で来ている方が多く、不妊治療目的で通院されている方達がいたり、他にも風邪のひき始めや肩凝り、疲れや倦怠感といった、西洋医学では症状がつきにくい、でも身体がいつもと違うという時にも中医は効果を発揮してくれるようです。
日常生活での様子、脈を取り、舌や目の下を見せたりでだいたい10~20分くらいかけてじっくり診てもらいます。問診ではたくさんの質問を受けます。 睡眠時間から食事の回数や量、勤務時間、ストレスや冷えを感じるか、運動・お通じの回数、さらにはパートナーとはうまくいっているか、などなど。とにかく細かく質問されます。
処方される薬には症状に合った生薬を自分で煮出すものと粉薬のを熱いお湯に溶かして飲む処方のものがあり、漢方医によって異なるようです。私は粉薬なのですが、おそるおそる飲んでみた最初の漢方は…あれ?意外といけるかも、くらいのインパクト。どれだけ不味くて苦いのだろう、と思って飲んだせいか、時間が経ってしまった苦いコーヒーのような味…程度の感じでした。
しかし排卵日前に処方された漢方は、袋を開けたとたんに強烈な獣の匂い。処方箋にはどうやら羊の胎盤と書いてありましたが、これが飲むと身体がぽっかぽかになるんです。そして熟睡。。。味も効能もさまざまです。
同じように肌荒れや妊活している友人にも漢方を紹介したことがあるのですが、一人は「まずくて飲めない、続かない!」という理由で早々にギブアップしていました。それぞれですね。笑
わたしが漢方が良いなと思う点は飲んだ後の効果はもちろんですが、漢方を通じて毎日の生活習慣を見直せることです。
ーちゃんと眠れているかな
ー身体が冷えていないかな
ー適度に運動できたかな
ー無理していないかな
と、自分の身体と心に尋ねる時間が増えました。
妊活中に体質改善をしてくれたのは漢方、ポリープを摘出する医療行為はまさに西洋医学でどちらにもお世話になりましたが、全ては毎日の生活から。対症療法で治すより、きちんと自分の力で回復させていく感覚があるのが中医学だなと思いました。
私自身、産後は授乳トラブルや慣れない育児に負われ、噂で聞いていた「自分の時間がなくなるよ」生活にどっぷりはまってしまいましたが、里帰り後に香港に戻ってきてから再び漢方を服用するようになって、きちんとまた自分の身体とも向き合おうというスイッチが入りました。結局疲れたままだと日々のパフォーマンスが下がる一方ですものね。私のような子育て真っ只中で疲れやすい、授乳中、虚弱体質や更年期の不調、なかなか疲れがとれない …などのいわゆる未病の方も症状が和らぐきっかけになるかもしれません。針治療や気功と合わせてみてもらえるところも香港内にあるみたいです。(興味津々!)
結婚して子供もでき、今まで以上に健康でいることの大切さ、そして自分の健康管理もしっかりしなくては!と痛感したばかり(子供と一緒に風邪をひいてしまい散々でした!)。病気になる前の予防法として、上手に漢方を取り入れていきたいと思います。
もう少し大きくなったら子どもとも漢方を分けっこできるようになるかな。
筆者プロフィール: 砂賀美希
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