2025/03/14
旧正月後から、湿度と雨で始まる香港の春の気配を感じようになってきました。4月ごろから本格的な雨も続くので、その前に離島の一つ、南丫島(Lamma Island / ラマ島 )へ行ってきました。
「好chill でhea (リラックスしてのんびり)な島」
香港には実は200以上もの離島があり、そのうち20あまりが有人の島です。南丫島はセントラルからフェリーで30分なので、島から通勤している人も多く、気軽に行ける島の一つです。(ところで南丫島の丫は漢検一級レベルの漢字です。読めますか?)
島内は救急車など以外の一般車両は禁止されており、移動は自転車か徒歩です。軽装でも楽しめるハイキングトレイルや、カフェ、シーフードレストラン、ビーチがあり、宿泊施設もあります。
洪聖爺灣泳灘(Hung Shing Ye Beach) / 入り口は看板がでていますよ
「Herboland(香草原)」へ
榕樹灣フェリーターミナルからは、飲茶レストランやカフェ、商店が並ぶ道を抜け、豆腐花(トウファ)のお店を過ぎ、徒歩30分ほどでメインビーチの一つ、洪聖爺灣泳灘(Hung Shing Ye Beach)にでます。朝11時のフェリーに乗ったので、ちょうどお昼の時間に。テーブルのあるBBQスペースでお弁当を広げてランチにしました。波の音をバックに、気の済むまでおしゃべりをして、リラックス。今回の目的地はこのすぐ側にあるオーガニックハーブ園「Herboland」です。知らないと見過ごしてしまいそうな入り口は、ちょうどBBQと更衣室の間にあります。週末だけオープンしているHerbolandには、ハーブが100種類以上栽培されていて、そのハーブを使ったソープやインセンス、香草水、お茶があり、カフェスペースでそのハーブティーをいただくことができます。
大きなティーツリーの木も / 奥にカフェが
お茶以外のお茶
香港で「ハーブティー」と言えば、西洋ハーブティー? チャイニーズハーブティー=薬草茶? 漢方茶? そもそもお茶と言えるのでしょうか?
緑茶、紅茶、烏龍茶、白茶、黒茶、黄茶といった、中国茶は全て、ツバキ科で学名Camellia sinensis(カメリア・シネンシス)である「茶の木」の葉や芽で作られており、これが「茶」の定義です。花をはじめ、他の植物の葉、果実、根、実などを使った「花茶」や「薬膳茶」は、この定義に含まれず、「茶外茶」となります。(例えば花茶には菊、金木犀、バラ、蓮の花 、薬膳茶にはクコ、陳皮(乾燥オレンジの皮)、薄荷(ミント)、人参、紅棗、またこれらをブレンドしたものなどがあります。)
Garyお気に入りのカップで / オブジェも陶器です
本日のハーブティーは
テーブルには、ティーツリーのインセンス。煙くなく、爽やかな香りです。ハーブティーはセージ、ローズマリー、バタフライピー、ハニーサックル(スイカズラ)とあり、おすすめのセージティーをいただきました。みずみずしい清涼感、柔らかな甘みと香りに、フレッシュハーブティーのおいしさを再発見しました。古代地中海周辺が起源のセージは、シルクロードで中国にも伝わり、漢方薬や煎じ薬として使われてきたそうです。とはいえ中医学での主流ハーブではないようで、一般的には料理用のスパイスや西洋ハーブティーとして売られています。(ちなみに中国語でセージは「鼠尾草」です。)
Gary、いい笑顔! / ティーツリーの葉とそのお香、いい香り〜
心のままに
ここのオーナーのGaryとは陶芸を通じて知り合いました。いくつかの陶芸スタジオで彼の作品を見て、その自由で力強さを感じる作風、少し生きもののような佇まいがとても印象的でした。
元々ガーデニングと料理が好きで、自分で栽培してみようということで、一番しっくりしたこの場所を開墾し、島での生活を始めたのが約20年前。それまではキッチンデザイナーだったそうですが「自然と動物が好きだから。生活を変えるタイミングだったんだ」とGary。
植物と陶芸、どちらも土から始まるライフサイクルということに魅力を感じ、陶芸にも没頭していったそうです。「僕の作品はきっちりと整えた形ではないよ」という彼の作品の多くは、自然の一部のような多様なフォルムや釉掛けです。
ボリューミーで心地よく手に収まり、岩のようなお茶のカップ、陶芸初期の作品だそう。「今は、なぜかこういう感じには作れないんだ」とGaryもお気に入り。無心に、夢中で始めた時、すごく良い作品ができることってありますよね。カップは非売品でしたが、これに料理を盛ってみたい! と思わず手に取った2つのボールを連れて帰ることにしました。
心の声に従って、自然と向き合いながら暮らすGary。帰りのフェリーに揺られながら、わたしの今の暮らしは? これからは? を改めていろいろ考えました。
石鹸なども / 植物と一体化した陶器
Herboland(草香原)
Hung Sing Yeh Beach, Lamma Island
基本的に週末オープン、不定休
Chikako
トロント、NY、シンガポール、今は香港に在住。
各地のライフスタイルや食文化にインスパイアされた器を製作してきた。
香港では中国茶器を楽しくコツコツ製作。
お茶のワークショップも不定期に活動中。
IG : cnycstudio
お茶のワークショップIG : sound_and_tea_room
Hong Kong LEI (ホンコン・レイ) は、香港の生活をもっと楽しくする女性や家族向けライフスタイルマガジンです。
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