2020/03/18

Hong Kong LEI読者の皆さん、長期休校や社会・経済の疲弊ムードの影響でお子さんたちだけではなく、大人の私たちもイライラ度が増してはいませんか？子どもと過ごす時間が増えたことでの親子の衝突・摩擦も増えたというお悩みはよく聞きます。

今回は、ほんの少しだけ相手を理解しようというあなたの働きかけで、親子関係をスムーズにする「魔法の言葉」についてご紹介します。

誰でも、自分に興味のない言葉を何度聞かされては耳障りなだけですよね。話す方もイライラが増します。スムーズなコミュニケーションのポイントは、「相手の興味の対象となる言葉」を使う！

つまり、「心に響く言葉がけ」をするということです。

興味の対象がどこにあるかに焦点を当て、お子さんの特性を観察してみましょう。（人の特性は十人十色。特徴のバランスは異なりますので、お子さんのタイプを限定されないようご参考までに活用ください）

どちらかというとAタイプ

• 一人遊びが好き
• おとなしい
• お気に入りのおもちゃで飽きずに遊ぶ（数はいらない）
• ゆっくりと物事に取り組む
• あまり人とペースを合わせることをしない
• まわりの様子を冷静に観ている

どちらかというとBタイプ

• 友達の話をよくする
• 皆でワイワイ遊ぶチームプレイが好き
• 新しいことを提案すると好奇心をもってノッてくる
• 取り掛かりは早いが、すぐに飽きてしまう
• 人前で話すことが好き

さて、お子さんの様子はどちらにより多く当てはまりますか？

Aタイプの場合その子の興味の対象は自分の「内側」に向いている、Bタイプの場合は「外側」に向いていると考えられます。

内側ちゃんの特徴と言葉がけ

自分の中に「やる」か「やらない」かの指針を持つため、あまり外からの働きかけには動じない傾向があります。例えば、お出かけに誘い出したいとき。内側ちゃんは「〇〇に行ってみよう！」と唐突に誘っても、新しい事柄に躊躇しがちなタイプですので「行かない・・」となるのは目に見えています。私の経験談ですが、子ども本人はバスで行くものだと思っていたところに（親は地下鉄で行こうと予定をしていた）地下鉄の駅に入ろうとした途端、不測の事態！とばかりに駅前の路上でひっくり返ってじたばたされた事が何度かあります。親としては面倒かもしれませんが、「海の見える素敵な美術館で、昔の香港の様子がわかる絵がたくさん展示されている場所よ」などと、どんな場所であるのか出来るだけ多くの情報と目的地への行き方などを教えてあげると、ぐんと楽に付いてきてくれます。

このタイプの子はモノやコトを知りたいため、ゆっくりと、細やかに情報を伝えてあげてくださいね。

外側ちゃんの特徴と言葉がけ

モチベーションを上げるのが得意。特に他者からの賞賛には大喜びをするタイプです。目立つことが好きです。「先生がピアノの演奏が上手だったと褒めていたよ！」という一声でさらなる頑張りを見せてくれる傾向があります。また、みんなで何かをしたい、とか誰ちゃんと遊びたい、とよくいう子は「人」がキーポイントとなります。「友達の〇〇君がプログラミングを始めたんだって、やってみる？」と尋ねるとその気になるかもしれません。

親が内側タイプだと、慎重な親はこの子の伸び伸びとした好奇心が理解できず、重箱の隅をつつくようなダメ出しをしてしまいがちなので、言い過ぎにご注意くださいね。

ちょっとした観察で、相手との関係がポジティブに！実はこの「心に響く言葉がけ」は大人にも有効ですので、ぜひ実践をしてみてください💗

久野美穂

Minding Yourself 代表、香港大学SPACE認定コーチ、企業研修ファシリテーター
International Association of Coaching® 会員

1996年キャセイパシフィック航空に客室乗務員として入社。フライトパーサーの経験を活かし、香港‐欧州・北米路線参入の新規航空会社立ち上げに参画、新人研修での機内サービスの指導を担当、200名以上の客室乗務員を育成。

2013年より個人を対象としたパーソナルコーチングに注力する。多様な生き方を選択する現代女性の自己実現のサポートをミッションとし、コーチングや対人魅力スキルの各セミナーを実施。企業研修クライアントは日系航空会社、ラグジュアリーアパレルなどの接遇分野を担当。香港特許秘書公會においてマナー・プレゼンス向上の講演、学生向けインターンシップ事前のマナー講座など、ビジネスパーソンの育成だけでなく、次世代への教育にも活動を広げている。