2023/11/26

前回までのあらすじ

夏休み旅行のフランス滞在中に、約半年間の抗がん剤服薬全8サイクルが終わったさきさん。その記念としてロゼワインを飲んだら、数日後に顔が真っ赤に腫れ、頬や、腕、太ももがかゆくてたまらなくなった。抗がん剤クリニックのドクターへ連絡すると、何かのアレルギー反応の可能性があるとのことで様子を見ることにした。


7月のフランス滞在で出たアレルギー反応。心当たりのあったお酒をすぐにやめて数日はまだ、真夜中に手の指がかゆくて起きてしまいましたが、指の浮腫み、腫れは少しずつ引いていきました。

一週間するとほぼ元に戻りました。フランス人の知人に話を聞くと、ロゼワインや白ワインに入っている硫酸塩でアレルギー反応が出る人が結構いるらしく、ワインは赤だけにしている人もいるとか。白ワインとロゼワインは体に悪いとまで言い出した。

うーん、じゃあなんでフランス人は夏になると毎日ロゼワイン飲むんだ!! と思ってしまいました。抗がん剤のせいでお酒アレルギーになったのかととても心配していたので(何を隠そう、元々お酒好き)、アレルギー反応が出るのは一部のお酒だけの可能性大になって一安心。

フランスから日本に行く前日にちょうど盛大なパーティーがあったので、赤ワインを少しだけ飲んで体に反応がでるか試すことに。なんと、なにも起きませんでした。あーよかった。というわけで、抗がん剤治療終了後、治療中よりはお酒をたしなむ程度飲むようになりましたが、幸い体調に変化は見られませんでした。きっと抗がん剤の影響で体が敏感になっていたのだと今では思います。

そして1か月のヨーロッパ滞在も終わり、残るは2週間の日本滞在で夏休みが終わりです。日本では子宮頸がん検診などをこなし(国民健康保険に入っていなくても1万円程度でできるので、香港に住んでる私としては格安)、すでにがんだったことを忘れるくらい楽しい時間を過ごしました。

薬をやめてからも続いていた手足の副作用も、1か月ほど経った頃ようやく普通に戻り、手足ってもともとこういう色だったんだ! ってなんだか感激しました。

香港に戻ってからは検査三昧。血液検査(今後は3か月毎)、CTスキャン(半年ごと)、大腸カメラ(1年ごと)をこなし、全て問題なし。体調も更に万全になり、疲れ知らずの体になっていきました。1年前、がんが体内にあることを知らずに過ごし、疲れやすいとずっと気になっていた自分。その頃に比べると、本当の意味で健康を取り戻せた気がします。子どもたちも家族も喜んでくれました。

さて、がんになった人の中には、すぐに公表する人しない人、いろんな人がいると思いますが、わたしはもちろん前者。がんになってからYoutubeの動画1件をアップしたり、Facebookの大腸がんのグループに入ったり、ソーシャルメディアでも何人もの大腸がん闘病者のお友達を作り、常に情報交換。

驚いたのは、若い大腸がん患者の多いこと。20代30代の方がたくさんいるんです。本当に他人事ではないんだなと思いました。わたしが直接やり取りをしている方々は、幸いステージ3までの方が多く、完治の希望を持ちながら治療中ですが、手遅れで亡くなってしまった方のブログ、インスタグラムも見てきました。今後一人でも早期発見ができるように、わたしにできることはないか、考えています。

幸い、わたしの姉妹、友人たちは、わたしのアドバイスを受けて若くても大腸カメラ検査をしてくれたので、それだけでも人の役に立てた気がします。再発が怖いのががんですが、経験者の投稿などを見ていると、大腸がんステージ2で再発予防の抗がん剤をしなかったせいで再発してステージ4になったという話をちらほら聞きます。

それを読むと、いろいろあったけれどちゃんと薬を半年間飲んで良かったと確信が持てました。自分ががんになるまで、がんのイメージが、抗がん剤で頭髪が抜ける、やせ細る、死ぬかもしれないの3つしかなかったのですが、この1年間でいろいろ学び、自分がいかに無知であったかを思い知らされました。

見た目ではわからなくてもがんの闘病をしている人が世の中にはたくさんいるということ。みんながみんなわたしのように声を大にして言うわけではないこと。わたしが経験したことは、世の中のがんサバイバーの経験のごくごく一部だし、とてもラッキーな方だと思います。

次回は最終回です。


福山さき

2012年、東京から香港に移住。フリーランスインストラクター。小学生、中学生のママ。趣味は、料理とピアノ。


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