2023/01/15

生滾魚片粥
(サン グァン ユ ピン ジョッ)

【香港のあっさり煮込み魚粥】

 

香港では、お粥は病気のときだけではなく、朝ごはん、軽食、ランチ、夕飯まで気軽に食べられるものだ。香港のお粥は朝食のイメージが強いが、実は夜食としても人気が高い。お粥専門店をはじめ、何でもありの『茶餐廳』(チャ チャン テン:ローカルカフェ)や、高級中華料理店まで、どこでもお粥が売っている。胃に優しいし、カロリーも白米よりすくないためダイエットにもよし、ヘルシーなオールマイティー食だ。

 

古典の漢方書でこう書いてあった。《普濟方》:「治粥為生命之源,飲膳可代藥之半。」(粥は生命の源、粥を食事としてとったら半分は薬となる)。

 

香港のお粥にはいろんなタイプがあり、その中で人気があるのは『生滾粥』(サン グァン ジョッ:あっさり煮込み粥)。高温に熱した白粥の熱で具材(薄切り魚や薄切り肉等など)に火を通すのが『生滾粥』の特徴。庶民的ながら高度なテクニックが必要で新鮮な具材じゃないと美味しく出来ない、何とも皮肉な料理だ。

 

わたしの幼少期には風邪を引いたら、いつも父がお粥を作ってくれた。『街市』(ガイ シ:市場)で淡水魚の『鯇魚』(ワン ユ:ソウギョ)を買ってきて作るお粥が印象的だ。白粥を炊き、アツアツ白粥に薄くスライスした『鯇魚片』(ワン ユ ピン:ソウギョスライス)、千切り生姜、刻みネギをいれる。粥がボコボコっと煮立って、湯気が立ち、生姜とネギの香りがする。この光景が今でも鮮明に目に浮かぶ。

 

湯気が立ち込めるお鍋からお粥を茶碗によそい、レンゲを添えて円卓にもって来てくれた。風邪で体力消耗したせいか、温かいお粥を食べると芯から温まった。父は「お粥の漢字ってゆげの形がもとになってできているから熱いうちに食べないとだめよ」と言う。だがよくよく考えたら、お粥でなくても食事の時は毎回こういうこと言ってたような……。廣東人の典型的な言い癖、『快啲襯熱食啦~』(ファイ ディ チャン イッ シッ ラ〜)「早く熱いうちにたべなさい~」

 

お粥はたくさんのメリットがある。例を挙げると消化しやすい、血色をよくする、力をつけてくれる、風邪引き防止、飢えを防ぐ、渇きを消す、便通をよくする、などなど。父が良く言ったようにまさに「良薬」だ。

 

父とばあちゃんは淡水魚の『鯇魚』が大好きだったが母は食べることを大反対した。理由としては寄生虫がいるから良く火を通さないと病気になるからだという。父の大好物なのに母は大反対する。まあ、少なくともわたしの記憶の中にはこんな印象が多かった。母は神経質だから。

 

旧正月は暴飲暴食のシーズン。香港の旧正月の食べ物は脂っこいものが多いので、休胃日にお粥はいかがでしょうか?

 

Tips: 日本米を使うとより粘りが出やすいので、日本米を使いました。タイ米の香りを楽しみたい場合は、日本米とタイ米を半々にしてみるのもいいでしょう。

 

材料 (4人分)

 

<粥ベース>

日本米………………………… 70g

米の下味

塩 小さじ1

油 小さじ1

 

乾燥湯葉…………………….. 5g

水(約米の20倍)……….. 1500㏄

 

<具材>

白身魚……………………….. 150g

魚の下味

塩……………………………… 1/2小さじ

紹興酒……………………….  1小さじ

卵白…………………………..  1小さじ

片栗粉………………………..  1/2小さじ

胡椒…………………………… 少々

油………………………………. 少々

 

千切り生姜       適量

刻みネギ        適量

 

<下準備>

 

1.米をサッと洗って30分ほど浸水。水を切って、塩と油で下味してから、冷凍庫で一晩へ。冷凍する過程により米が割れるので、よりふわふわお粥が出来やすい。

2.乾燥湯葉を水で戻す。

3.白身魚は出来れば刺身用の骨なしもの。薄くスライスして、下味をつけておく。

 

<粥ベース:煮込む>

高さがある鍋に水と戻した湯葉を強火で沸騰させる。沸騰したら冷凍のままの米を入れる。米が底にくっつかないようにゆっくりかき混ぜる。対流が出来たら強火のままで米粒はほとんどなく、滑らかになって、ふわふわの粥になったら出来上がり。

 

<作り方>

800㏄の粥ベースを片手銅鍋(普通の鍋でもOK)にいれ、沸騰させ(くっつかないようにゆっくりかき混ぜる)魚を加え、色が変わったらネギと生姜を足し火を消す。味を見て分量外の塩で味を整える。

 

<盛り付ける>

好みの量を中華茶碗によそい、千切り生姜と刻みネギをトッピングして、好みで少し胡椒やごま油を。

 


雲姐(ワンジェ)

料理研究家。香港に生まれる。幼少期、平日は祖母、週末は料理が趣味だった父の手料理を食べて過ごす。オーストラリアへ移住を経て、結婚を機に日本へ移り20年以上。中国国際薬膳師、発酵食品ソムリエ、発酵ライフアドバイザーの資格を持ち、中華圏および日本の食文化への造詣も深い。現在は、日本の人々に香港料理を伝えるべく東京で活動中。

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